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【中日】メジャー通算51勝のジーと『ドラ1トリオ』でAクラス入りを目指す

2018 2/9 17:20mono
baseball ball
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メジャー通算51勝のジーを獲得!さらには松坂も!

このオフ最大の動きは補強ではなく、放出かもしれない。当初から噂されていたが、来日1年目にして本塁打王を獲得したアレックス・ゲレーロが退団。同じセ・リーグの巨人へと移籍した。その他にも、ジョーダン・アルメンゴ、ラウル・バルデス、エルビス・アラウホ、ホルヘ・ロンドンといった投手陣もそろって自由契約となっている。 そのなかでジョーダンはアルメンゴと登録名を変えヤクルトへと移籍を果たした。

もちろん放出を行っただけでなく、新外国人選手も獲得した。その目玉がディロン・ジーだ。ジーは2010年にメッツでメジャーデビューし、2017年まで通算51勝。2011年(13勝)、2013年(12勝)と2度の2桁勝利も記録しており実績は抜群。1986年生まれで2018年シーズンは32歳。まだ老け込む年齢ではないだろう。ローテーションの柱としての活躍に期待がかかる。また、キューバ出身のオネルキ・ガルシアも獲得。2017年シーズンはロイヤルズで2試合に登板し0勝1敗、防御率13.50とメジャーでは結果を残せなかった。しかし、3Aでは20試合に登板し7勝3敗の成績を残している。先発、中継ぎ両方の経験があり森繁和監督の起用法にも注目したい。

野手はドミニカ出身の2名を補強した。ソイロ・アルモンテとスティーブン・モヤだ。両名ともにメジャー経験があり、アルモンテはヤンキースで田中将大ともチームメートだった。残留したビシエド含めて外国人野手は3名体制となりそうだ。

また、外国人選手だけでなくFAによる補強も行なっている。2017年に行われた第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表にも選ばれた大野奨太だ。前監督でもある谷繁元信が正捕手から退いて以降、固定できなかった扇の要を任されることになる。背番号も『27』を受け継ぐことになり、その期待は大きい。

ドラフトでは中村奨成(広陵高→広島)を抽選で外したものの、最速157キロを誇る鈴木博志を獲得。即戦力右腕として中継ぎ起用が見込まれている。その他の選手は将来性を重視して高校生が中心となった。数年かけてチームを作り直す方針が見え隠れするドラフトだったと言えるだろう。

また、キャンプイン直前にソフトバンクを自由契約となった松坂大輔のテストを行い、入団の運びとなった。もちろん、ローテーションは確約されておらず、その他の選手とともに競争を行って行くこととなる。

柳・小笠原・鈴木翔太の『ドラ1トリオ』に期待!

先発投手陣は2016年に引き続き2017年シーズンも2桁勝利達成者は0人。チーム最多勝は先発・中継ぎとフル回転を行った又吉克樹の8勝だった。Aクラス入りを目指すためにも先発ローテーションの補強は必須であったことからメジャー通算51勝のジーを獲得。2017年シーズンはレンジャーズ、ツインズの2チーム合計で3勝止まりと結果を残せなかったが、前述の通りまだ若い。日本ではエース級の活躍をする可能性もある。1年でメジャー復帰するためにも中日で結果を残したいところだ。

本来であればエースとして君臨しなければいけないのが大野雄大だ。2013年から3年連続2桁勝利を達成し、2015年に行われたプレミア12では日本代表にも選ばれている。2016年、2017年と7勝に終わり精鋭を欠いているが本来の力はこんなものではないはずだ。今シーズンこそ復活に期待したい。また、大野と同じ左腕である高卒3年目・小笠原慎之介に掛かる期待は大きい。プロ1年目の2016年後半から先発として起用され続け、2017年もチーム3位となる19試合に先発。2018年は1年間ローテーションを守りたいところだ。

その他には柳裕也(2016年1位)、鈴木翔太(2013年1位)といったドラフト1位組だ。小笠原(2015年1位)を含めた『ドラ1トリオ』で新しい投手王国を築きたい。

中継ぎ陣はドラフト1位の鈴木博志が加わり田島慎二との守護神争いが濃厚。また、岩瀬仁紀、又吉、谷元圭介ら力のある選手も揃っている。また、三ツ間卓也、祖父江大輔、伊藤準規と30試合以上登板した選手も多数。1年間ケガなく過ごすことができれば、安定したブルペンを形成できるだろう。

ゲレーロの穴を埋めることができるか?

野手陣はやはり昨シーズン本塁打王を獲得したゲレーロの穴が大きい。アルモンテ、モヤを獲得したものの、その実力は未知数だ。3年目となるビシエド、和製大砲候補の福田永将がどこまで長打を放てるかが鍵となる。また、ケガで66試合の出場に終わった平田良介の復活にも期待したい。この3人が中軸を打つことができると、大島洋平、京田陽太を上位打線で固定できる。足を使えるふたりが1、2番にいることで相手投手へプレッシャーかけ、クリーンアップで得点を奪うのが理想のパターンとなるだろう。

優勝した広島を見てもわかるとおり、下位打線・控え選手も含めた全体的な底上げが上位争いには必須となる。入団以来期待度の高い高橋周平、2017年シーズンにブレイクの兆しを見せた松井佑介らが結果を残すことで打線に厚みも増す。6年ぶりとなるAクラスに向けて一丸となることに期待したい。