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「満塁男」から阪神のエースまで プロ野球における背番号50の選手たち

2023 8/13 06:00SPAIA編集部
巨人のオコエ瑠偉、ソフトバンクの板東湧梧、中日の清水達也,ⒸSPAIA
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2023年現役選手の背番号「50」

2023年各球団の背番号「50」は下記の選手が背負っている。

オリックス:小田裕也外野手
ソフトバンク:板東湧梧投手
西武:中山誠吾内野手
楽天:武藤敦貴外野手
ロッテ:石川慎吾外野手
日本ハム:五十幡亮汰外野手

ヤクルト:北村恵吾内野手
DeNA:山本祐大捕手
阪神:富田蓮投手
巨人:オコエ瑠偉外野手
広島:中村健人外野手
中日:清水達也投手

不在:0球団
永久欠番:0球団
投手:3球団
捕手:1球団
内野手:2球団
外野手:6球団

背番号「50」は投手、野手ともに着用しており、2023年は投手3球団、野手9球団(捕手1球団、内野手2球団、外野手6球団)とポジションは分散している。

過去には攝津正(ソフトバンク)が2012年に沢村賞を受賞。昨季まで背負っていた阪神のエース・青柳晃洋は2022年に最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手3冠に輝き、今季から「17」へ変更した。彼らの活躍により、今後「50」といえば投手というイメージが定着する可能性もあるだろう。

その投手では、先発とリリーフ双方で活躍している板東湧梧(ソフトバンク)、中日のセットアッパーを務める清水達也が背負う。阪神ではドラフト6位ルーキーの富田蓮が受け継いでいる。

また、2023年は中央大からドラフト5位でヤクルトに入団した北村恵吾に、楽天から現役ドラフトで巨人へ移籍したオコエ瑠偉、そして巨人からロッテへトレード移籍した石川慎吾と、右の強打者の着用も目立つ。

次章以降では、背番号「50」にまつわる選手や球団の歴史などを紹介していく。

「満塁男」の異名を取った駒田徳広

巨人、横浜でプレーし、名球会入りも果たしている駒田徳広は、1980年ドラフト2位で桜井商業高から巨人に入団。1981年から1987年までの7年間を背番号50で過ごした。同時期に背番号54の槙原寛己、背番号55の吉村禎章も活躍したことから「50番トリオ」とも呼ばれた。

プロ3年目だった1983年4月10日の大洋戦(後楽園)で史上初となるプロ初打席で満塁本塁打を放つ鮮烈デビュー。その初打席を含め、通算195本塁打のうち13本が満塁弾で「満塁男」の異名を取った。

1993年オフにFA宣言し、横浜に移籍。生え抜きでは巨人からFAで国内移籍した唯一の選手となっている。駒田は移籍先の横浜でも活躍し、1998年の優勝時にはマシンガン打線を引っ張る存在だった。

また、柔らかいグラブさばきで、一塁手として10度のゴールデングラブ賞に輝いている。2000年に現役引退後は楽天、横浜のコーチや四国アイランドリーグ・高知の監督などを務め、現在は巨人の三軍監督を務めている。

「赤鬼旋風」を巻き起こしたボブ・ホーナー

1987年開幕直後に来日し、ヤクルトに入団したボブ・ホーナーは背番号50だった。

1978年にアトランタ・ブレーブスでメジャーデビューを果たし、ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)を受賞。来日前年の1986年も141試合に出場し、打率.273(517打数141安打)、27本塁打、87打点の成績を残していたバリバリのメジャーリーガーだった。

ホーナーは来日初戦で阪神・仲田幸司から初本塁打を放つと、翌日の試合では池田親興から3本塁打を放つなどメジャーリーガーの実力を見せつける。その後もシーズン終了まで93試合に出場し打率.327(303打数99安打)、31本塁打、73打点の成績を残し「赤鬼」と恐れられた。

1988年からは再びメジャーリーグに戻り、カージナルスでプレー。しかし、わずか3本塁打に終わり、1年限りで現役を引退している。

阪急で抑えを務めたアニマル・レスリー

阪急で1986年、1987年の2年間、抑えとして活躍したアニマル・レスリーも背番号50だった。

メジャーデビューを果たしたシンシナティ・レッズでも1982年から3年間「50」を背負っていたアニマルは、来日1年目に5勝3敗19セーブをマーク。マウンドで雄叫びを上げるパフォーマンスで人気者となった。

現役引退後は日本で「亜仁丸レスリー」の名でタレント活動を行い、CMやバラエティ番組などに引っ張りだこ。2013年にアメリカで亡くなった際は、日本でもニュースとして報じられた。

メジャーリーグの背番号50

メジャーリーグで背番号50を背負い活躍した選手では、ジェイミー・モイヤーが挙げられる。1986年にカブスでメジャーデビューすると合計8球団でプレー。1996年のレッドソックス以降、2012年にロッキーズで現役を引退するまで背番号50を背負っていた。

モイヤーは30代半ば以降にキャリア最盛期を迎えている遅咲きの投手でもある。42歳のシーズンとなった2005年から、46歳のシーズンとなる2009年まで5年連続で2桁勝利を達成。その後も活躍し、メジャーリーグ史上最年長勝利記録(49歳151日)も保持している。

また、現役選手ではカージナルスのアダム・ウェインライトが背番号50で活躍している。度重なる故障から復活し、11度の2桁勝利をマーク。2022年シーズン終了時点で通算195勝を挙げている。

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