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【DeNAベイスターズ】ここを見よ!大和の守備の注目ポイント

2017 12/18 11:48Mimu
野球ボール,グローブ
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FA宣言をしていた大和がDeNAベイスターズに入団決定

2017年11月30日、阪神タイガースからFA宣言をしていた大和が、DeNAベイスターズへ入団することが発表された。これにより、2017年シーズンのウィークポイントとなっていたチームの守備力と選手層の厚さが両方強化されることとなる。
ベイスターズにとっては、非常に良い補強となるだろう。

大和といえば、球界でも圧倒的な守備を誇ることで知られている。2017年シーズンは主に二遊間を守り、セカンドで48試合、ショートで56試合に出場。
さらに1軍に定着した当時はセンターを守っており、このポジションでも2014年にゴールデングラブ賞を獲得している。どのポジションでも、球界屈指の守備力を発揮してくれる選手だ。

とはいえ、守備力の高さはなかなかテレビで見ていても伝わりづらい部分である。そこで今回は、大和のプレーで是非とも注目してほしいポイントを紹介していこう。

とにかく守備の一歩目が早い!

大和の守備は、とにかく一歩目が早い。バットがボールに当たったその瞬間、すでにスタートをきっているのだ。
打球ばかりに注目していれば、大和の一歩目を目で追うことはできないかもしれない。それくらい、打球に対しての反応が良いのだ。

そしてスタートが早いゆえに、守備範囲も非常に広い。ほかの選手ならシングルハンドでとるような打球も、大和なら正面に回り込める。
ほかの選手が飛び込むような打球ですら、余裕をもって処理することができる。大和の守備に派手さがないのは、難しい打球も普通にさばいているからだ。
この一歩目の速さは、内外野どこを守っていても大きな強みになっている。ぜひここに注目してほしい。

教科書のような足の使い方

さらに内野の場合は、打球を追うときの足の運び方にも注目だ。最初の一歩から全くスピードを落とすことなくボールに回り込み、右足のかかとが着地すると同時にボールを捕球。
そして右足のつま先に体重を乗せつつ軽くステップを踏み、素早く1塁に投げる。お手本通りの動きだ。捕球体勢が良いからか、送球も正確。無駄なステップを踏むことなく、最小限の動きでゴロアウトを取っている。

特に注目してほしいのは逆シングルで打球をさばいているとき足の動きだ。逆シングルで捕球すると、どうしても踏ん張ってしまい送球までに間を作ってしまうことが多いのだが、大和の場合は捕球してそのまま足を止めることはなく、勢いと回転をうまく使いながら流れるように送球体勢に入っている。
難しい打球の時ですら、動きに一切の無駄はない。

センターでも打球判断の良さが光る

外野の場合だと、打球判断の良さが特に際立つ。素早い一歩目から、落下地点まで一直線。フェンス際の打球だろうと、余裕をもって捕球している。
そして前の打球に対しての反応も良い。非常に難しい前に落ちそうなライナーですらも、ダイビングしながら見事に捕球してしまう。

思い出されるのは、2014年ソフトバンクとの日本シリーズだ。第3戦の4回裏、2死2塁3塁のピンチでは、内川聖一のセンター前に落ちようかという打球を前に出てダイビングキャッチ。
さらに第5戦でも3回裏、2死2塁3塁のピンチに、明石健志の左中間に落ちそうかという打球を、やはり前に出てきてダイビングキャッチ。日本一は逃したものの、大舞台でもその守備力が輝いていた。
外野に本格的に挑戦したのはプロ入り後であるが、本職の選手と遜色がないどころか、本職の選手以上に守ることができる。守備面で彼以上に頼りになる存在はいないだろう。

まだ実績のなかったころから高い評価を受けていた守備

大和の守備力は昔から評価が高かった。鹿児島県樟南高校時代もショートを守っており、甲子園には2度出場。3年生時の2005年に甲子園に出場した際、大和の好プレーを阪神タイガース監督(当時)の岡田彰布監督がテレビ観戦していたのがきっかけとなり、同年のドラフト4位で指名された。
入団後も1年目からオープン戦にショートで出場し、2軍でショートのレギュラーに抜擢されるなど、守備の評価をさらに高めていく。

そして、徐々に球界関係者にも大和の守備力は広まっていった。2年目の2007年には北京プレオリンピック(オリンピックの前年に行われる、競技運営などを確認するための大会)の代表に選出。
4年目の2009年には、U-26 NPB選抜vs大学日本代表戦のメンバーにも選ばれている。この当時はまだ1軍でほとんど実績のなかったころだ。しかし、そんな時期ですら、球界ではその守備が広く知られていたのだ。

DeNAのウィークポイントにピタリとあてはまる選手

大和の守備力は、DeNAにとって大きな補強になることだろう。大和自身が内外野を高いレベルで守ることができるのはもちろん、あの教科書のような動きは、きっとほかの選手たちの勉強にもなる。
やや低い打力も、12球団屈指のクリンナップを誇るベイスターズ打線であれば十分にカバーできる (もっとも、今シーズンの大和は両打に挑戦し、優秀な打率を残しているが)。本当に、ベイスターズのウィークポイントにズバリとハマった選手だ。新たな戦力で、来シーズンのベイスターズはさらに飛躍を遂げる。


《関連データ》阪神タイガース 野手データ


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