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祝!稲葉JAPAN 7-0で韓国代表に快勝し初代王者に!

2017 11/20 00:34mono
Baseball
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Photo by gettyimages

宿敵・韓国を寄せ付けず快勝

11月19日、アジアプロ野球チャンピオンシップ2017の決勝は日本代表と韓国代表の間で争われた。16日の初戦では日本代表が延長10回タイブレークの末に8-7で韓国代表に勝利。その両国が再び決勝で相まみえることとなった。

日本代表はチャイニーズ・タイペイ戦から8番を甲斐拓也選手(ソフトバンク)、9番を源田壮亮選手(西武)へとオーダーを変更。この3戦を同じオーダーで戦うことはなく、様々な形を試したかっこうだ。

両チーム、予告先発通り日本代表・田口麗斗選手(巨人)、韓国代表・朴世雄選手(パク・セウン)選手がマウンドに登り、序盤から好投を続ける。

先制点を奪ったのは日本代表だった。4回裏、山川選手が四球で出塁すると上林誠知選手(ソフトバンク)の犠打を相手捕手がフィルダースチョイス。無死一、二塁とチャンスを拡大すると、ここで、チャイニーズ・タイペイ戦においてヒーローとなった外崎修汰選手(西武)が適時打を放ち1点を先制した。

追加点が欲しい日本代表は5回裏に松本剛選手(日本ハム)、近藤健介選手(日本ハム)、四球で1死満塁のチャンスを作る。するとラッキーボーイ・外崎選手が2打席連続となる適時打を放ち2-0。その後、西川龍馬選手(広島)にも2点適時二塁打が生まれこの回一挙3点を奪い4-0と韓国代表を突き放す。

6回にも松本選手の四球、近藤健選手の二塁打でチャンスを作ると山川選手に適時打が生まれ2点を追加。7回には西川選手が本塁打を放ちさらに1点を加え7-0と大量リードを奪う。その後は両チームともに無得点に終わり7-0で日本代表が勝利し初代王者に輝いた。試合後に発表された大会MVPには外崎選手が選ばれている。

田口選手が7回無失点の好投

先発の田口選手はチャイニーズ・タイペイ戦で登板した今永昇太選手(DeNA)とは違い、打たせて取る投球。5回表2死から下位打線に連打を浴び2死一、三塁のピンチを招くが次打者をぼてぼての二ゴロに打ち取った。この場面以外は危なげない投球をみせた田口選手は7回無失点、奪三振6、被安打3、与死球1(108球)でお役御免。ストレート、変化球をインコース、アウトコースとコントロールし与四球は0。丁寧な投球を見せ韓国打線につけいる隙を与えなかった。

8回からマウンドに登った石崎剛選手(阪神)は田口選手とタイプの違う速球派。『石直球』と呼ばれるストレートを中心に韓国打線を三者凡退に打ち取っている。11球のうち変化球はわずかに2球。力で押し込む投球のできる石崎選手はセットアッパー候補となりそうだ。そして9回は『ヤスアキジャンプ』を一身に受け山﨑康晃選手(DeNA)がマウンドに登る。ストレート、ツーシームを織り交ぜ石崎選手同様に三者凡退に抑える投球を見せている。

前記事【決勝は日韓対決!稲葉JAPANが3連勝に挑む!】で継投策に注目したが、結果的に2日連投する投手はいない形で大会を終えた格好だ。

松本選手、近藤選手の日本ハムコンビが躍動

攻撃陣はこの試合も打線が繋がった。チャイニーズ・タイペイ戦から2番に起用された松本選手、3番・近藤健選手が1回、5回、6回と3度の2者連続出塁。1回こそ無得点だったが、5回、6回は得点に結びつけた。とくに6回はふたりでチャンスを作り、4番・山川選手が適時打を放つ理想的な流れをみせた。

また、6番に入った外崎選手がこの試合でもラッキーボーイ的な活躍をみせると、7番の西川選手も本塁打。所属チームでユーティリティープレーヤーとして活躍するふたりが、代表でも結果を残した。このように複数ポジションを守れる選手が代表にいるのは心強い。かれらふたりが稲葉ジャパンの切り札となるかもしれない。

勝利の中にも攻守にミスが……

しかし、よいところばかりではなくミスも生まれている。

ここまでの2試合で目立ったミスのなかった攻撃陣にミスが生まれた。2回表無死一、二塁の場面で甲斐選手がバントを試みるが、結果は最悪の併殺打。一瞬で2死二塁と場面は変わってしまった。結局、この回無得点となり先制点を奪うことはできなかった。

3回表には守備面でも目に見えないミスが起きた。韓国代表9番・韓承沢(ハン・スンテク)選手の打球は二塁ベース後方へ。ここで、中堅手・松本選手、二塁・京田陽太選手(中日)、遊撃・源田選手がボールを追う。最終的には源田選手がボールを掴んだものの、松本選手とグラブは重なり、一歩間違えれば落球となっていただろう。前回のチャイニーズ・タイペイ戦でも見られた連携面の不安が再び露呈した。急造チームとはいえ、声かけなど基本的なところを徹底していきたい。

4回裏1点を先制しなおも無死一、三塁の場面で甲斐選手がセーフティースクイズの構えを見せる。バットを引いたが三塁走者の上林選手が飛び出しており、捕手からの送球でタッチアウト。甲斐選手のバットを引くタイミングが遅かったとはいえ細心の注意を払っていきたいところだ。

稲葉JAPANは初の公式戦を3連勝で終えアジアチャンピオンとなった。この勢いで2018年3月に行われるオーストラリア代表戦に臨みたい。今大会で活躍した若侍たちからもメンバー入りする選手が出るのだろうか。そのメンバー選考に注目したい。