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リーグトップの打撃陣を誇る埼玉西武ライオンズ

2017 11/17 15:35mono
野球ボール,バット
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2017年の埼玉西武ライオンズ

【2017年シーズン成績】
順位:2位
勝敗:79勝61敗3分
勝率:.564
打率:.264(1位)
本塁打数:153本(2位)
得点数:690点(1位)
盗塁数:129盗塁(1位)
防御率:3.53(3位)

1980年代後半から1990年代にかけての黄金時代を西武ライオンズで過ごした辻発彦氏は、1996年にヤクルトスワローズへ移籍し1999年に現役を引退。ヤクルト、横浜ベイスターズ、中日ドラゴンズを経て21年ぶりに西武へ監督として戻ってきた。
監督は初めての経験だったが、2014年から3年連続Bクラスに沈んでいたチームを2位に導きクライマックスシリーズへと出場。最低限の役割を果たしたと言えるだろう。

2016年シーズンオフにエースの岸孝之選手がFA権を行使し、東北楽天ゴールデンイーグルスへと移籍した。苦しい先発投手事情の中、菊池雄星選手が躍進する。 沢村賞の受賞はならなかったが、16勝6敗、防御率1.97、217奪三振の成績を残しエースとしての働きを見せた。
また、野手陣も秋山翔吾選手が首位打者を獲得。ルーキーの源田壮亮選手も56年ぶりとなる全試合フルイニング出場を果たし打率.270を記録した。近年の課題でもあった遊撃手のポジションをしっかりと埋めたといえる。
投打のバランスがかみ合ったことが上位進出の大きな要因だろう。

菊池選手が圧巻の成績を残した投手陣

菊池選手が圧巻の投球を見せたが、2番手以降の投手には不安が残った。野上亮磨選手は11勝をマークしたものの10敗を喫しており、貯金はわずかに1つ。
ウルフ選手は9勝4敗と5つの貯金を作ったものの登録抹消も多く、規定投球回には届かなかった。先発投手陣が安定するとさらに上位を目指すことも可能となりそうだ。

中継ぎ陣は球界屈指のアンダースロー・牧田和久選手、武隈祥太選手、シュリッター選手が中心となった。牧田選手は第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表での疲れも感じさせず、5月20日まで無失点と抜群の安定感を発揮。チーム2位タイとなる58試合に登板し防御率2.30を記録している。
また、武隈選手は3年連続となる60試合登板には届かなかったが、牧田選手と同じく58試合に登板。貴重な左腕として中継ぎの一端を担っていた。
新人の平井克典選手も42試合に登板し、防御率2.40を記録するなど1年目から即戦力の活躍を見せた。2018年シーズンは勝利の方程式に加わりたい。

【主な投手成績】
菊池雄星選手
26試合/16勝6敗/防御率1.97

牧田和久選手
58試合3勝3敗28H/防御率2.30

武隈祥太選手
58試合/5勝2敗13H/防御率3.14

不振の選手をカバーしあった野手陣

ここまで6度の本塁打王を獲得している中村剛也選手、助っ人外国人のメヒア選手の不振や、開幕前に森友哉選手が骨折で離脱するなどベストメンバーが揃わなかった。
しかし、2015年にシーズン最多安打(216安打)を記録した秋山選手が首位打者を獲得。主将の浅村栄斗選手は打率.291、19本塁打、99打点と好成績をマークした。このように、中堅選手が不振のメンバーの穴を埋めてきた。

遊撃手を任されたルーキーの源田壮亮選手はフルイニング出場を果たし打率.270をマーク。プロ入り前は打撃が課題とされていたもののその低評価を見事に覆している。
開幕から欠場していた森選手も8月半ばに復帰すると38試合に出場。打率.339(124打数42安打)、2本塁打、18打点と結果を残し終盤戦に戦力となった。

【主な野手成績】
浅村栄斗選手
143試合/打率.291/19本/99打点

秋山翔吾選手
143試合/打率.322/25本/89打点

源田壮亮選手
143試合/打率.270/3本/57打点

2018年シーズンに向けて

リーグトップとなるチーム打率.264が示すとおり、野手陣は現有戦力でも十分に戦うことができるだろう。中村選手、メヒア選手が復調すればリーグ2位の153本塁打から増加も見込まれ、さらに破壊力が増すことも考えられる。
課題は投手陣だろう。エース菊池選手に次ぐ2番手以降の先発投手陣をそれることが急務だ。ウルフ選手の残留は決まったものの、野上選手はFA権を行使。移籍が濃厚だ。多和田真三郎選手、十亀剣選手、高橋光成選手といった選手達の活躍が鍵となりそうだ。

また、中継ぎ陣ではチームトップの登板数(64試合)を誇ったシュリッター選手が退団。牧田選手もポスティングによってメジャーリーグ移籍を目指す可能性が高く退団の可能性もある。トミー・ジョン手術を受けシーズン終盤に復帰した、高橋朋己選手が加わるとはいえ補強は必要だろう。
シーズンオフの補強第一弾となるドラフト会議では、社会人ナンバーワン左腕の田嶋大樹選手(JR東日本)に入札したが、抽選で外したのちに、明治大学のエース・齋藤大将選手を獲得した。
即戦力として先発ローテーションに加わることが期待される。外国人選手の補強も投手が濃厚。

先発、そしてセットアッパー候補を加え福岡ソフトバンクホークスとの13.5ゲーム差を縮めていきたいところだ。常勝時代を知る辻監督が2年目となる2018年シーズンに期待が集まる。


《関連データ》チーム別 打撃リーダーズ


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