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中継ぎ陣の躍進で2年ぶりのCS出場を果たした阪神タイガース

2017 11/17 14:39mono
野球ボール,グローブ
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2017年の阪神タイガース

【2017年シーズン成績】
順位:2位
勝敗:78勝61敗4分
勝率:.561
打率:.2485(4位)
本塁打数:113本(3位タイ)
得点数:589点(3位)
盗塁数:70盗塁(3位)
防御率:3.29(1位)

金本知憲監督2年目となった2017年シーズン。開幕戦勝利後に3連敗を喫したものの、盛り返し4月を貯金4で終える好スタートを切った。その後も、順調に白星を積み重ね貯金17の2位でシーズンを終了。2010年以来7年ぶりとなる二桁貯金を達成した。
勝利の要因は中継ぎ投手陣だ。メッセンジャー選手の骨折、藤浪晋太郎選手の不振による二軍落ちと先発投手陣に不安はあったものの、リーグ屈指のリリーフ陣がフル回転。ブルペンの力で2年ぶりとなるクライマックスシリーズ出場を果たしたと言えるだろう。

クライマックスシリーズでは先勝したものの、横浜DeNAベイスターズに第2戦、第3戦と連敗。ファイナルステージへ出場できなかったが、金本監督は手応えを感じたはずだ。就任3年目となる2018年シーズンに更なる高みを目指したい。

60試合以上登板が5人とブルペンが光った投手陣

チーム防御率3.29とリーグ1位を記録した投手陣。桑原謙太朗選手(67試合)、岩崎優選手(66試合)、マテオ選手、ドリス選手(ともに63試合)、高橋聡文選手(61試合)と史上初めて60試合以上登板した選手が5人誕生した。
また5人全員が防御率3点を切る活躍を見せ、終盤の力強さを感じさせてくれたといえるだろう。なかでも、桑原選手は2016年シーズンの一軍登板が0試合だったにもかかわらず大躍進。『7回の男』に抜擢されると年間を通じて結果を残し、最優秀中継ぎ投手のタイトルをマテオ選手と分け合った。

先発投手陣では開幕投手も務めたメッセンジャー選手(11勝)、秋山拓巳選手(12勝)が2桁勝利を達成。しかし、メッセンジャー選手は8月10日の試合で骨折し、シーズン絶望かと思われたが、最終戦で復帰する。
その試合で、あと4回に迫っていた規定投球回に到達させるだけでなく、4回被安打1、8奪三振と圧巻の投球を見せてくれた。クライマックスシリーズでは大事な初戦を任され、6回無失点と勝利投手に輝いている。

先発陣でブレイクしたのは秋山選手だ。高卒ルーキーだった2010年に4勝をマークして以降、低迷が続いていたがみごとに復活。前半戦で7勝をマークしオールスターゲームにも出場し飛躍の年となった。
2018年シーズンも開幕ローテーション投手としての期待が掛かる。

【主な投手成績】
メッセンジャー選手
22試合/11勝5敗/防御率2.39

秋山拓巳選手
25試合/12勝6敗/防御率2.99

桑原謙太朗選手
67試合/4勝2敗39H/防御率1.51

ベテランと若手の融合が見られた野手陣

2017年シーズンから新加入した糸井嘉男選手、主将の福留孝介選手、チームの顔でもある鳥谷敬選手。3人のベテラン勢を中心にチームはまとまった。
若手ではドラフト1位ルーキーの大山悠輔選手、20本塁打を達成した中谷将大選手らが台頭。今後、数年に渡って世代交代が行われることを予兆される1年だったといえそうだ。

ベテランの糸井選手(打率.290)、鳥谷選手(打率.293)はともに打率3割には届かなかったものの、チーム1位、2位の打率をマークする。鳥谷選手は顔面への死球という大きなケガがあったにも関わらず、全試合に出場し闘志を見せてくれた。
このような活躍を見せるベテランの背中を見ながら、大きく躍進したのが中谷選手だ。プロ入り以来、初めて規定打席に到達し20本塁打を達成。
打率.241と確実性は低いものの、一発がある打撃は魅力的だ。大山選手と未来の4番打者候補として切磋琢磨していくことに期待したい。

【主な野手成績】
鳥谷敬選手
143試合/打率.293/4本塁打/41打点

糸井嘉男選手
114試合/打率.290/17本塁打/62打点

中谷将大選手
133試合/打率.241/20本塁打/61打点

2018年シーズンに向けて

金本監督3年目となる2018年シーズン。チームの体制が大きく変わりそうだ。2年間にわたり二軍で育成を務めてきた『ミスタータイガース』こと掛布雅之二軍監督がフロントへ転身。
変わって矢野燿大作戦兼バッテリーコーチが就任することとなった。二軍での育成にどのような違いが表れるのかに注目が集まる。

また、優勝へ向けて欠かせないのが藤浪選手の復活だ。2017年シーズンはプロ入り以来ワーストとなる11試合の登板に終わり、わずか3勝(5敗)。1年の大半を二軍で過ごしていた。
その原因は制球難にある。この改善が見られ先発ローテーションに入ることができれば、大きな戦力アップとなるだろう。秋季キャンプ、冬場の自主トレ、春季キャンプで課題を克服してほしいところだ。

レギュラー捕手争いも加熱している。梅野隆太郎選手(90試合)、坂本誠志郎選手(37試合)、岡崎太一選手(16試合)と3名がスタメンマスクを被った2017年シーズン。試合数で見ると梅野選手がメインとなっている。
しかし、8月後半からは坂本選手がほぼスタメンで出場するようになっていた事実がある。シーズン終盤に故障を発症したため、再び梅野選手がマスクを被る機会が増えたものの、金本監督の頭には坂本選手を育てたい意向がありそうだ。
開幕戦のスタメン捕手に注目したい。


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