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4年ぶりのCS出場を果たした東北楽天ゴールデンイーグルス

2017 11/17 14:11mono
野球グランド
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2017年の東北楽天ゴールデンイーグルス

【2017年シーズン成績】
順位:3位
勝敗:77勝63敗3分
勝率:.550
打率:.254(3位)
本塁打数:135本(3位)
得点数:585点(3位)
盗塁数:42盗塁(5位)
防御率:3.33(2位)

梨田昌孝監督となって2年目となった2017年シーズン。埼玉西武ライオンズからFA宣言をした岸孝之選手を獲得し、則本昂大選手とともにダブルエースを形成。開幕ダッシュに成功し、序盤は首位を快走した。
しかし、8月中旬から6連敗、1勝を挟み再び10連敗(引き分け1含む)を喫し最大31あった貯金が減少する。最終的には14となり優勝した福岡ソフトバンクホークスから、15.5ゲーム差の3位でシーズンを終えている。

序盤の快走からすると優勝できなかった悔しさが残るものの、2016年シーズンは優勝した北海道日本ハムファイターズから25ゲーム離された5位だった。これは大躍進と言えるだろう。
また、ドラフト1位ルーキーの藤平尚真選手が一軍デビューし3勝(4敗)をマーク。則本選手、岸選手そして11勝をマークした美馬学選手に続く4本目の柱として2018年シーズンのローテーション入りが期待される。

3本柱に中継ぎ陣が安定した投手陣

メジャーリーグ移籍を果たした田中将大選手が抜けた2014年以降、則本選手への負担が大きかった先発投手陣。
しかし、2017年シーズンは岸選手が加入したことで負担は減った。その影響があったのか、ルーキーイヤーの2013年以来となるキャリアハイの15勝をマーク。2年目から継続している最多奪三振のタイトルも4年連続で獲得した。

則本選手とのダブルエースとして期待された岸選手。7月19日までに8勝3敗と好成績を残したものの、それ以降は好投を続けるも白星には恵まれず7連敗。最終的には8勝10敗、防御率2.76と貯金を作ることはできなかった。
先発3本目の柱として結果を残したのが美馬選手だ。自身初となる二ケタ勝利となる11勝(8敗)をマークし、投球回数も171.1回とキャリアハイを達成。則本選手、岸選手と強力ローテーションの一角を形成しチームの3位躍進に大きく貢献したと言っていいだろう。

高梨雄平選手、森原康平選手、といった新人たちの活躍も目立った中継ぎ投手陣。福山博之選手、ハーマン選手といったセットアッパーもそれぞれ結果を残した。そしてクローザーの松井裕樹選手も途中離脱があったが、52試合に登板し防御率1.20。シーズン中の被本塁打は0本だった。中継ぎ陣が安定しているからこそ、先発投手も思い切り投げることができ、好循環に繋がったといえそうだ。

【主な投手成績】
則本昂大選手
25試合/15勝7敗/防御率2.57

岸孝之選手
26試合/8勝10敗/防御率2.76

松井裕樹選手
52試合/3勝3敗33S5H/防御率1.20

上位打線の活躍が目立った野手陣

2017年シーズン楽天のオーダーは攻撃的だった。その象徴が2番・ペゲーロ選手だ。近年は2015年の川端慎吾選手(ヤクルト)のように犠打を用いない2番打者が増えてきたものの、やはり小技の効く選手を配置することの多い打順だ。
梨田監督は常識を覆し本塁打の期待できるペゲーロ選手を配置。7月下旬に故障で離脱するまで唯一、固定した打順でもある。その期待に応え離脱前までに打率.307、21本、63打点をマーク。恐怖の2番打者として相手チームの脅威となった。

そのペゲーロ選手の前である1番を務めたのが、2年目の茂木栄五郎選手だ。球団史上初となる生え抜き選手による2桁本塁打を達成。故障離脱したものの規定打席には到達し打率.296をマーク。
さらには、リーグ最多となる6本の初回先頭打者本塁打を記録した。クライマックスシリーズでもファーストステージ、ファイナルステージと初回先頭打者本塁打を放つなどまさに『核弾頭』の役割を果たしている。

上位打線を返す役割のクリーンアップも仕事を果たしている。とくに4番を務めることの多かったウィーラー選手は球団の助っ人外国人選手では最多となる31本塁打を記録。明るいキャラクターでムードメーカーにもなりチームに欠かせない存在となった。

【主な野手成績】
茂木栄五郎選手
103試合/打率.296/17本/47打点

ウィーラー選手
142試合/打率.271/31本/82打点

ペゲーロ選手
120試合/打率.281/26本/75打点

2018年シーズンに向けて

惜しくも、3位となった楽天だが梨田監督の続投が決定。投手陣は則本選手、岸選手、美馬選手に続く4番手の台頭が望まれる。
藤平選手、塩見貴洋選手、辛島航選手らが候補となるが、抜きんでている選手はまだいない。オフシーズンの変わり身に期待したいところだ。

中継ぎ投手陣は松井選手を始め福山選手、ハーマン選手、高梨選手と盤石。しかし、故障者が出た際の備えとして1人でも2人でも頼れる選手が出てきてい欲しい。
1年を乗り切るためには、やはり層の厚さがものを言ってくる。森原選手、菅原秀選手ら若手に期待が集まる。

野手陣も投手陣と同じく全体的な層の厚さが求められる。ウィーラー選手、ペゲーロ選手、アマダー選手は残留が濃厚。実績のある外国人選手が揃っている間に若手の育成を行いたい。
そのなかで注目を集めるのが、2017年ドラフト2位で指名した岩見雅紀選手(慶応大)だ。山崎武司選手が移籍して以降、不在だった日本人の大砲候補でもあり1年目からの活躍に期待したい。


《関連データ》パ・リーグ 個人成績


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