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5年連続Bクラスとなった中日の2017年シーズンまとめ

2017 11/10 12:24cut
ナゴヤドーム
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2017年の中日ドラゴンズ

森繁和監督就任1年目となった2017年シーズン。開幕4連敗スタートを喫するとその後も上位に浮上することなく、下位に低迷。シーズンを5位で終えている。球団ワースト記録を更新する5年連続のBクラスとなってしまった。

新外国人のゲレーロ選手が本塁打王に輝くなど孤軍奮闘を見せたが、その他の打撃陣は低調。
第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表にも選ばれた平田良介選手は故障で離脱してしまう。首位打者争いを演じていた大島洋平選手も8月末に死球で骨折。エースとしての活躍が期待された大野雄大選手も不調で一時中継ぎに回るなど、年間を通じた活躍はできなかった。
投打ともに中心選手が活躍できなかったシーズンとなってしまった。

その結果がチームの順位にも現れてしまったといえるだろう。

【2017年シーズン成績】

順位:5位
勝敗:59勝79敗5分
勝率:.428
打率:.247(5位)
本塁打数:111本(5位)
得点数:487点(5位)
盗塁数:77盗塁(2位)
防御率:4.05(5位)

来シーズンは年間を通じた活躍に期待したい左腕3人

投手陣に目を向けてみる。エースとして期待された開幕投手の大野選手が開幕から3連敗を喫し中継ぎに配置転換。中継ぎとして登板した試合でサヨナラ満塁弾を浴びるなど不調から脱することがなかなかできなかった。しかし、交流戦から先発に復帰するとそこから7勝3敗。エースの意地を見せた。

長らく守護神を務めた岩瀬仁紀選手は今シーズンプロ野球最多登板数を更新。
現役最年長となった今シーズンはセットアッパーなどを任され、26ホールドを記録し954試合でシーズンを終えた。同年齢の井口資仁選手(ロッテ)が引退したことにより、来シーズンは単独での現役最年長選手となる。

将来のエース候補として期待されている小笠原慎之介選手。高卒2年目のシーズンは、オフに手術をした影響で一軍昇格は5月からだった。その後は貯金を作ることができなかったものの、ほぼ先発ローテーションを守り、5勝(8敗)をマークした。来シーズンは開幕ローテーション入りが期待される。

【主な投手成績】

大野雄大選手
24試合/7勝8敗/防御率4.02

岩瀬仁紀選手
50試合/3勝6敗2S26H/防御率4.79

小笠原慎之介選手
22試合/5勝8敗/防御率4.84

故障者続出の野手陣の中で見えた光

チーム状況のよくなかったチームのなかで明るい希望となったのが、ドラフト2位ルーキーの京田陽太選手だ。
開幕スタメンをつかむと141試合に出場し打率.264をマーク。球団新人最多安打となる149安打を記録した。遊撃手という内野の要を1年目から全う。将来の中心選手となりそうな予感を感じさせてくれる働きだった。

来日1年目のゲレーロ選手は持ち前のパワーを見せてくれた。
4月末の時点で2本塁打だったが、5月に10本塁打を放つと以降も順調に積み重ね35本塁打で本塁打王を獲得。しかし、高額な年俸がネックとなり今シーズン限りの退団が濃厚だ。MLBにもどるかNPBの他球団でプレーするか動向に注目が集まる。

チーム日本人最多となる18本塁打を放ったのが福田永将選手だ。
4月後半に一軍登録され、代打として起用され交流戦でスタメンに定着。7月7日に初本塁打を放った後は本塁打を量産した。日本人の大砲が不在だった中日にとって待望の長距離砲だ。外国人選手との兼ね合いもあるが、一塁、三塁でフル出場を果たせば30本塁打を狙える素材。来シーズンの活躍に期待が掛かる。

【主な野手成績】

京田陽太選手
141試合/打率.264/4本/36打点

ゲレーロ選手
130試合/打率.279/35本/86打点

福田永将選手
95試合/打率.271/18本/49打点

世代交代が進まなかったなかで

2000年代中盤から黄金時代を築いた中日だが、近年は低迷している。それは、世代交代が進まなかったことに要因がある。しかし、ここにきて若手のホープ達が出そろってきた。
野手を見ると2016年ドラフト2位の京田選手がその筆頭格だ。昨シーズンのレギュラーだった堂上直倫選手からレギュラーを奪い1番打者に定着。来シーズンも同様にリードオフマンとしての活躍が求められる。

若手と呼べる年齢ではなくなったが、福田選手も次世代をになう存在となりそうだ。今シーズンは95試合に出場。
打率.271(299打数81安打)、18本塁打、49打点と出場試合数だけでなく打撃三部門でもキャリアハイを更新した。持ち前の長打力をウリとして一塁、三塁の定位置を確保したい。

投手陣は鈴木翔太選手(2013年)、小笠原慎之介選手(2015年)、柳裕也選手(2016年)といった近年のドラフト1位投手陣が注目されている。とくに鈴木選手は今シーズンプロ初勝利をマークすると5勝(5敗)の成績を残しており、来シーズンのローテーション入りが期待される。

功労者である森野将彦選手が現役を引退し、荒木雅博選手は選手兼任コーチとなる。そんな黄金時代を築いた選手たちに変わる、次世代の選手が出てきてこそ初めて世代交代が完了したと言えるだろう。

2018年シーズンに向けて

森監督2年目となる2018年シーズン。投手陣に目を向けると若手投手陣に大野選手、若松駿太選手といった結果を残している選手が加わり、吉見一起選手の復活がなされれば強固なローテーションとなりそうだ。
また、中継ぎ陣には又吉克樹選手、田島慎二選手と実績のある選手がおり、岡田俊哉選手の復帰もある。彼らが実力通りに力を発揮できればブルペンも強力となる。かつての守り勝つ野球も夢ではないのだ。

打撃陣は故障者の復活がまず大前提だ。
外野手は平田選手、大島選手が復活するだけで打線の厚みは増し代打の層も厚くなる。また内野手は京田選手が遊撃手で固定される以外は不透明であり、ビシエド選手、福田選手、高橋周平選手らで一塁、三塁を埋めることになる。
しかし、二塁手は今シーズン2000本安打を達成した荒木雅博選手の後継者がおらず、競争となりそうだ。

外国人選手ではビシエド選手は2年契約中、ジョーダン選手は残留が既定路線。しかし、バルデス選手が退団した。ゲレーロ選手は退団濃厚となっており、新たな選手の獲得が急務だ。中日お家芸のドミニカルートからの選手発掘に注目が集まる。

球団史上ワーストの5年連続Bクラスから脱却するために、各選手の頑張りに期待したい。