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日本で最もポピュラーな変化球?スライダーを投げる投手は誰がいる?

2017 12/24 11:07cut
野球ボール
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Photo by RCPPHOTO/shutterstock.com

プロ野球中継を見ていると必ずと言っていいほど耳にする球種「スライダー」。 そのスライダーを決め球として使用している選手には誰がいるのだろうか? 今回はスライダーの使い手を紹介する。

現在のプロ野球界で最も多い変化球?スライダーとは?

2017年現在のプロ野球において最も多くの投手が使用しているであろう変化球がスライダーだ。
トップスピン、サイドスピンと2種類の回転がかかり、利き腕と逆側に変化して落ちるのがスライダーだ。高速スライダー、縦スライダー、スラーブ、スラッターなど、変化の大きさや球速によって分類される。
しかし、スライダーに限らず、変化球は投手の申告によるものも大きく、投手が「これはスライダーです」といえばスライダーに分類されるのだ。

メジャーに移籍後もやっぱりスライダー!前田健太選手

2006年にPL学園高校からドラフト1位で広島東洋カープへ入団。以降、エースの道を歩み、2016年シーズンからメジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースへと活躍の場を移した前田健太選手。その前田選手の一番の武器はスライダーだ。
日本で最後のシーズンとなった2015年には全投手の中で一番多くスライダーを投げるなど、前田選手といえばスライダーのイメージが定着している。その投球割合はメジャーリーグに移籍後も変わらず、2016年シーズンはストレートとスライダーをほぼ同じ割合で投じていた。この2球種で全体の60%ほどを占めている。
今後もスライダーを武器にメジャーリーグで多くの実績を積み重ねることに期待がかかる。

暴投になるほど大きい変化のスライダーを投じる新垣渚選手

2016年に東京ヤクルトスワローズで現役を引退した新垣渚選手。沖縄水産高校時代から注目を浴びており「松坂世代」の一員でもあった。
九州共立大学から福岡ダイエーホークスに入団し、ローテーション投手として活躍する。その最大の武器が制御できないほど大きく曲がるスライダーだった。多くの選手が「ストライクと思ったらボールだった」というほどの変化を見せており、自身でもコントロールできず暴投も多く記録している。引退までの暴投数101個は、プロ野球史上第3位となっている。

「死に神の鎌」岩瀬仁紀選手

2017年開幕時点で日本プロ野球界における最多セーブの記録保持者である岩瀬仁紀選手。1998年にドラフト2位で中日ドラゴンズに入団し、中継ぎ、抑えを長年にわたって歴任し、積み上げたセーブの数は402個だ。
その岩瀬選手の決め球がスライダーだった。「死に神」とも称される岩瀬選手のスライダーは、その曲がり方からネット上などでは「死に神の鎌」などとも表現され、多くの打者を手玉にとってきた。
2017年シーズンは千葉ロッテマリーンズの井口資仁選手とともに球界最年長だ。スライダーを武器に、最後にもう一花を期待したいところだ。

歴代最高のスライダー伊藤智仁選手

「誰の変化球が一番すごいか?」といった質問に対し、多くの人が名前を挙げるのが伊藤智仁選手のスライダーだ。伊藤選手は1992年のドラフト1位でヤクルトスワローズに入団し、ルーキーイヤーとなる1993年に切れ味鋭いスライダーを武器に7勝2敗、防御率0.91という成績を残して新人王を獲得している。
この成績は7月半ばまでの約3ヶ月間で達成されており「故障がなければ」という代名詞の選手でもあった。2ケタ勝利をマークしたこともなく、新人王以外にはカムバック賞、月間MVP受賞があったものの、投手タイトルには縁はない。しかし、今でも伊藤選手のスライダーは語り草となるほどだ。

まとめ

スライダーを投げる投手には決め球として使用する選手が多くなっている。 その投手によって変化が違うため、同じ球種とは思えないこともあるほどだ。 高校野球の世界でも、有力校においては多くの投手がスライダーを投じている。 これだけ普及すると、すべての投手がスライダーを投げる日が来るかもしれない。


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