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【セ・リーグ】2017年シーズンにブレイクした選手は誰だ!?

2017 10/13 10:05cut
野球場
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先発転向から快進撃!薮田和樹選手

2016年シーズン優勝を飾った広島東洋カープ。その投手陣を支えていた黒田博樹選手が現役を引退。また、沢村賞を受賞したジョンソン投手も不調で二軍調整が長引いていた。さらには、リリーフ陣も守護神の中崎翔太選手が4月上旬から故障で離脱するなど、決して万全な体制ではなかった。

その状況を救ったのが藪田和樹選手だ。藪田選手は中継ぎとして開幕を迎えたが、5月下旬の交流戦から先発へ転向する。すると、先発転向後に6連勝(中継ぎ時含め7連勝)を達成し、ローテーション投手の一角を担うようになる。

2014年ドラフト2位で亜細亜大学から入団し、昨シーズンまでわずか4勝だった薮田選手が3年目でブレイクを果たしたのだ。亜細亜大学時代にリーグ戦での登板はわずかに2試合。ドラフト2位で名前が読み上げられたときも、場内がどよめき完全に「隠し玉」としての指名だった。

序盤が中継ぎ起用だったこともあり、規定投球回に届くかは微妙な状況ではある。しかし、4番を務める鈴木誠也選手が故障離脱したために年間を通して活躍している、薮田選手にMVPのチャンスも巡ってきそうだ。

山田哲人選手と同じ1992年生まれ世代の薮田選手。この世代の先発投手は日本代表の千賀滉大選手(ソフトバンク)、開幕投手も務めた有原航平選手(日本ハム)らがいる。今シーズン開幕前は彼らに差をつけられていたが、今は違う。リーグ優勝、日本一を勝ち取り、世代ナンバーワン投手の座を勝ち取りたい。

三塁の定位置奪取!藤井亮太選手

今シーズンの春季キャンプで、正三塁手の川端慎吾選手が離脱した東京ヤクルトスワローズ。開幕戦のスタメンは西浦直亨選手だった。しかし、打撃不振もありスタメンに定着することはできず、谷内亮太選手・荒木貴裕選手らが起用された。
しかし、彼らもスタメン起用に応えることはできず、最終的に正三塁手のポジションを奪ったのは藤井亮太選手だった。

藤井選手は2013年ドラフト6位で社会人野球のシティライト岡山からヤクルトへ入団。捕手登録でありながら、2016年シーズンまで外野手での起用が最も多かったユーティリティープレーヤーだ。
その藤井選手が三塁手に抜擢されるとレギュラーを獲得。打撃面では、ここまで打率.259(259打数67安打)、2本塁打、12打点とキャリア最高の成績を残している。また、守備でも多くの好プレーを魅せチームを救ってきた。

後半戦にリベロ選手が加入したために、併用される形を取る試合もあるがほぼレギュラーを獲得したと言ってもいいだろう。川端選手を始め畠山和洋選手、雄平選手ら主力選手が故障で離脱。さらには、山田哲人選手も不調のなかで藤井選手のブレイクはチームにとって明るい話題だ。

川端選手がケガから復帰するであろう2018年シーズンは、レギュラー争いを演じた上で定位置確保を狙いたい。

※成績は9月10日終了時点

首位打者争いに加わった!宮﨑敏郎選手

上位争いを演じる横浜DeNAベイスターズ。筒香嘉智選手、ロペス選手とともに中軸を担っているのが、宮﨑敏郎選手だ。宮﨑選手は開幕2カード目からスタメン5番で起用されたものの、故障により4月半ばから2週間の離脱。復帰後から安打を量産し、規定打席に到達した際には首位打者に躍り出た。

その後も、好不調の波はありながらも打率3割以上をマークし終盤までマギー選手(巨人)、安部友裕選手(広島)らと首位打者を争っている。

宮﨑選手は2012年ドラフト6位で社会人野球のセガサミーからDeNAへ入団。2016年シーズンも101試合に出場するなどブレイクの兆しは見せていたが、2017年シーズンに花開いた格好だ。入団こそ遅いものの宮﨑選手は「1988年生まれ世代」でもある。
メジャーリーグで活躍する田中将大選手(ヤンキース)、前田健太選手(ドジャース)らと同じ世代なのだ。日本でも坂本勇人選手(巨人)、柳田悠岐選手(ソフトバンク)、秋山翔吾選手(西武)といった一流選手が多く揃っている。宮崎選手も今シーズン、タイトルホルダーとなり「1988年生まれ世代」の中心に加わりたい。

若き虎の4番候補!中谷将大選手

開幕から上位争いを繰り広げる阪神タイガース。チームは2年目となる金本知憲監督が、若手を積極起用する方針もありニュースターが続々と登場している。その中で2017年シーズンにもっともブレイクしたと言える野手が中谷将大選手だ。

中谷選手は開幕一軍を手にするも、4月は代打での起用が多くスタメンでの出場はわずか7試合だった。しかし、5月に入り5本塁打をはなつなど打撃成績を上げると徐々にスタメンでの起用が増える。5月28日には自身初となる4番も経験。打率.246(366打数90安打)と確実性は低いものの、チームトップの19本塁打を放つ活躍を見せた。

中谷選手は2010年ドラフト3位で福岡工業大学城東高校から阪神へ入団。2016年シーズンにキャリアハイとなる64試合に出場し打率.266(154打数41安打)、4本塁打の成績を残した。それから1年で更なる成長を見せ大ブレイク。ベテランである福留孝介選手、糸井嘉男選手らとともに外野の一角を担っている。

2018年シーズンは「若き虎の主砲」として開幕4番を目指したい。

※成績は9月10日終了時点

8年目の伊予ゴジラ!秋山拓巳選手

阪神において中谷選手が野手のブレイクナンバーワンだが、投手陣では秋山拓巳選手が筆頭格だ。秋山選手は2009年ドラフト4位で愛媛県・西条高校から阪神に入団。高校時代は松井秀喜選手(元・巨人他)のニックネームにあやかり「伊予ゴジラ」と呼ばれるほどの逸材だった。

入団1年目から4勝を挙げるなど将来を期待されていたが、伸び悩んでしまう。2016年シーズンまでの7年間で挙げた白星はわずかに6つ。毎年、登板機会は与えられていたものの不本意な成績に終わっていた。

しかし、2017年シーズンは開幕からローテーションに入り二ケタ勝利を達成。オールスターゲームにも出場し、一流選手の仲間入りも果たした。また途中6連勝を記録するなど、中盤以降は故障離脱したメッセンジャー選手に替わりエースとしての役割を担っている。

エース候補としてチームを引っ張ってきた藤浪晋太郎選手が制球難から不振。昨シーズン、ブレイクを果たした岩貞雄太選手も不調。その苦しい投手陣を引っ張ってきたのが秋山選手なのだ。

8年目ではあるがまだ26歳だ。ここから、勝利を積み上げ虎のエースとなることに期待したい。