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2017年新人王予想!大本命は京田選手、源田選手の両遊撃手!

2017 10/13 10:05cut
野球ボール
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近年の新人王は投手が多い?

シーズンでもっとも活躍した新人に送られる賞である最優秀新人(以下新人王)。最多勝、最多本塁打などと違い、数字によって決まるものではなく記者投票で決まるのがひとつの特徴だ。

これは1年目の選手に限らず、入団(支配下登録から)5年目以内かつ条件を満たせば受賞資格は与えられる。その条件は前年までの一軍成績が60打席以内(野手)、30イニング以内(投手)だ。
昨年はパリーグの新人王に入団3年目の高梨裕稔選手(日本ハム)が選ばれたことで、この規定をご存じのファンもいるだろう。入団1年目以外の選手が同賞を受賞したのは2010年の榊原諒選手(日本ハム)以来6年ぶりのことでもあった。
受賞資格は5年目の若手選手まで与えられているが、1年目のルーキーが受賞することの多い賞でもある。

また、投手の方が野手よりも受賞者が多いことも特徴だ。直近10年(2007年?2016年)のセ・パ両リーグ新人王受賞者合計20人の傾向をみると野手3人、投手17人と圧倒的に投手の人数が多い。セ・リーグでは昨シーズン高山俊選手がリーグ6年ぶりに野手として受賞したが、パ・リーグでは1998年の小関竜也選手(西武)以来野手の新人王は誕生していない。

しかし、2017年は両リーグともに野手の新人王が生まれそうだ。京田陽太選手(中日)、源田壮亮選手(西武)の両選手である。両リーグから野手の新人王が誕生となれば1996年のセ・仁志敏久選手(巨人)、パ・金子誠選手(日本ハム)以来21年ぶりとなる。

セ・リーグ新人王の大本命・京田陽太選手

セ・リーグの新人王争いで中心にいるのが京田陽太選手(中日)だ。京田選手は2016年ドラフト2位で日本大学から中日ドラゴンズに入団した。
大学時代は日本代表にも選ばれ、また、日本大学では主将を務めるなど成績、リーダーシップ共に優れた選手だった。しかし、「走塁、守備は一級品だが打撃はプロで通用しない」という評価が多かったのも事実だ。

その京田選手は春季キャンプ、オープン戦で結果を残し、開幕戦において7番・遊撃手としてスタメン出場を果たす。
プロ2打席目に初安打を放つなど4戦連続安打を記録しアピールし、当初は6番、7番を任されていたが、4月半ばからは主に1番打者としてチームを引っ張っている。心配された打撃も2割7分前後をキープしており新人としては及第点以上の成績と言えるだろう。

また、中日の新人最多安打でもあった江藤慎一選手(1959年)の139安打を更新した。歴代でもトップクラスの成績を残している。遊撃手という負担のあるポジションで1年間を通して出場し、文句のない成績を残している京田選手。新人王の大本命であることは間違いないだろう。

その他の候補はオールスターに選出も故障で辞退となった濵口選手ら

京田選手以外にもセ・リーグの新人で結果を残している選手は多い。横浜DeNAベイスターズの濵口遙大選手もそのひとりだ。柳裕也選手(中日)の外れ1位でDeNAに入団した濵口選手は横浜商科大学時代から、150キロを超えるストレートとチェンジアップのコンビネーションが注目されていた投手でもある。

開幕3戦目に初先発を果たすと続く自身2戦目で初勝利し、前半戦で6勝(3敗)をマーク。オールスターゲームにも監督推薦で選出された。しかし、選出後に故障を発症しオールスターを辞退する。
復帰は8月半ばとなったが、その後白星を重ねており、ローテーションの一角としてチームを指せている。1ヶ月間の離脱があり規定投球回到達はむずかしいが、12勝以上をマークすれば逆転選出の可能性もわずかながらありそうだ。

読売ジャイアンツドラフト2位の畠世周選手も好成績を残している。ドラフト後に手術を行ったことで、初登板は7月6日と前半戦終了間際だった。初登板こそ4回4失点と結果を残すことはできなかったが、2戦目で初勝利を挙げると8月2日から4連勝。菅野智之選手、マイコラス選手、田口麗斗選手の3本柱に次ぐ4番手として奮闘した。
1年間を通して活躍していないために、新人王受賞の可能性はほぼないだろう。しかし、今後大きな期待を掛けられることになりそうな投手であることは間違いない。

西武の遊撃手を埋める活躍!源田壮亮選手

パ・リーグの新人王候補は埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手だ。源田選手はトヨタ自動車からドラフト3位で西武に入団。アマチュア時代は走塁、守備を評価されており打撃は低評価だった。プロよりも投手のレベルが落ちる社会人野球のトヨタ自動車時代でも下位打線だった事実からもわかるだろう。

しかし、オープン戦で打率.300(30打数9安打)を記録し結果を残すと、開幕戦から9番・遊撃手のスタメンを手に入れた。2カード目からは上位打線を任されるようになり、安打を量産する。オールスターゲームにも故障した辞退した茂木栄五郎選手(楽天)の代わりに出場を果たすなど、一流選手の仲間入りを果たしている。

課題とされていた打撃も5月半には3割を記録するなど、結果を残し続けた。夏場以降、下降気味ではあるが、遊撃手、新人と言うことを考えると合格点と言えるだろう。また、走塁面でも力を発揮しており、西川遥輝選手(日本ハム)と盗塁王を争っている。
松井稼頭央選手(現・楽天)、中島宏之選手(現・オリックス)と続いて以降、西武の遊撃手は固定できていなかったが埋まった格好だ。

パ・リーグの対抗馬は山岡泰輔選手

源田選手に続いて新人王候補に名前が挙がるのは山岡泰輔選手(オリックス)だ。山岡選手は瀬戸内高校時代からスライダーを絶賛されており、プロ注目の存在だった。ダルビッシュ有選手(ドジャース)も自身のSNSで褒めていたほどだ。
しかし、高校時代はプロ志望届を提出せずに社会人野球の東京ガスへと進む道を選んでいる。ドラフト解禁となった2016年のドラフトにおいて晴れて1位指名でオリックス・バファローズへと入団した。

ルーキーイヤーとなった今シーズンは、開幕からローテーションを任せれた山岡選手。好投を続けるも援護がなく自身4連敗スタートとなってしまう。その後、徐々に勝ち星を増やし9月21日の時点で8勝(9敗)、防御率3.32の成績をマークしている。規定投球回到達はほぼ間違いないため、二桁勝利、防御率2点台となれば、わずかながら逆転で新人王の可能性はある。

このように、今シーズンは両リーグから野手の新人王が誕生する可能性が高い。昨年のドラフトは投手が大豊作と言われていたにもかかわらず、このような状況になった。だからこそ、野球はおもしろいと言える。