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2017年ドラフト候補選手レビュー~高校生投手編~

2017 10/13 10:05cut
高校野球
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日本代表左腕はプロ入りを表明!田浦文丸選手

氏名:田浦文丸(たうら・ふみまる)
所属:秀岳館高校(熊本県)
経歴:糸島ボーイズ
投打:左投左打
ポジション:投手

今年のドラフトにおいて高校生ナンバー左腕といえそうなのが、秀岳館高校の田浦文丸選手だ。田浦選手は1年時からベンチ入りを果たし試合に登板。2年春から4季連続で甲子園に出場するなど、全国的にも知名度のある投手だ。
鍛治舎巧監督の起用方針もあり2年時は継投策が多く、田浦選手の役割は中継ぎだった。2年春夏の甲子園でも5試合に登板しているが先発はわずかに1試合。エースが完投することの多い高校野球においてはあまりない起用法だった。

最高学年となった今年も川端健斗選手との継投策で再び甲子園に春夏連続出場している。夏の甲子園後には日本代表に選出されU-18野球ワールドカップに出場。5試合に登板し13.2回を投げ29奪三振、自責点はわずかに2と結果を残している。

身長170センチと小柄ながら140キロ台のストレートにスライダー、チェンジアップを織り交ぜ三振を量産。メジャーリーグのスカウトも唸らせた逸材だ。日本代表組では最も早くプロ志望届を提出し、プロ志望を表明しているため上位指名が期待される。

高校生ナンバーワンの評価も!石川翔選手

氏名:石川翔(いしかわ・しょう)
所属:青藍泰斗高校(栃木県)
経歴:板橋シニア
投打:右投右打
ポジション:投手

甲子園出場経験こそないが、ドラフト上位候補の高校生投手がいる。青藍泰斗(せいらんたいと)高校の石川翔選手だ。石川選手は150キロを超のストレートを投げる本格派右腕としてチームを引っ張っていた。
3年夏の栃木県予選では、前年夏の甲子園覇者である作新学院高校を最後まで苦しめたものの2-3で惜敗。聖地には手が届かなかったが、プロのスカウト達の前で好投を披露し「全国的にもトップクラス」との評価が多く聞こえてきた。

U-18野球ワールドカップ日本代表には選出されなかったものの、その速球は魅力がある。今夏の甲子園でも150キロを超えるストレートを投げたのは花咲徳栄高校の清水達也選手ただひとり。速球派の石川選手は上位指名候補として各球団のリストにのっていることだろう。9月13日にプロ志望届を提出しており、ドラフトを静かに待つ。

184センチの長身から149キロのストレート!田中瑛斗選手

氏名:田中瑛斗(たなか・えいと)
所属:柳ヶ浦高校(大分県)
経歴:中津中学
投打:右投左打
ポジション:投手

3年間の高校生活で甲子園出場は叶わなかったが、大型右腕として注目を浴びているのは田中瑛斗選手だ。大分県・柳ヶ浦高校で3年間プレーした田中選手は最速149キロのストレートを武器とする本格派右腕。184センチ・70キロと長身細身の投手的な体型でもあり先発投手としての魅力がある。
今夏の大分県予選では4試合に登板し32回を投げ27奪三振。ストレートだけでなく緩急をつけるチェンジアップのキレもよく、コンビネーションで三振を奪う。

九州地区の右腕では、春のセンバツ甲子園にも出場した最速152キロを誇る熊本工業高校の山口翔選手も注目を浴びているが、田中選手の方が伸びると話すスカウトもいる。
現時点で即戦力という評価ではないが、プロ入り後に身体をつくり数年後のエース候補として獲得する球団は現れそうだ。山口俊選手(巨人)以来の直接プロ入りする選手となるか注目が集まる。

昨秋に清宮選手から5打席連続三振を奪った櫻井周斗選手

氏名:櫻井周斗(さくらい・しゅうと)
所属:日大三高(東京都)
経歴:新座シニア
投打:左投左打
ポジション:投手・外野手

昨秋の東京都大会決勝において早稲田実業学校・清宮幸太郎選手から5打席連続三振を奪う活躍を見せた櫻井周斗選手。日大三高では1年時から外野手としてレギュラーを獲得するなど、野手としての評価も高い。
3年春のセンバツでも試合には敗れたが、履正社高校のスラッガー安田尚憲から3打席連続三振を奪うなど、強打者相手に堂々の投球を見せている。

その魅力は切れ味鋭いスライダーだ。清宮選手を三振に奪った試合でも内角のストレートを投じ、最後は左打者の外に逃げるスライダーで空振りを誘っている。このようなお手本通りの投球をできるのはスライダーに自信があるからこそだ。

最後の夏は甲子園に出場できなかったが、U-18野球ワールドカップ日本代表に選出され7試合に出場。打率.333(27打数9安打)と野手として実績を残している。

所属する日大三高は2001年の全国制覇で4人がプロ入りを果たして以降、大学進学する選手が多かったものの、昨年のドラフトで坂倉将吾選手(広島)がプロ入り。櫻井選手もプロ入りが有力視されている。小倉全由監督は「スライダーは通用する」と認めていることも心強い。
高山俊選手(阪神)、近藤一樹選手(ヤクルト)、山崎福也選手(オリックス)ら多くのOBがプレーするプロの世界での活躍に期待が掛かる。

その他の指名候補選手はこちら

氏名:菊地大稀(きくち・たいき)
所属:佐渡高校(新潟県)
経歴:真野中学
投打:右投右打
ポジション:投手

氏名:山上信吾(やまかみ・しんご)
所属:常磐高校(群馬県)
経歴:綿打中学
投打:右投右打
ポジション:投手

氏名:北浦竜次(きたうら・りゅうじ)
所属:白鴎大学足利高校(栃木県)
経歴:大田原ボーイズ
投打:左投左打
ポジション:投手

新潟県佐渡島出身の菊地大稀選手。同島出身のプロ野球でいまだ一人も誕生しておらず、史上初の期待がかかっている。185センチと長身から投げ込むストレートは最速145キロ。甲子園出場こそないが新潟県大会1回戦からプロのスカウトが多数訪れるほどの逸材だ。チームでは4番も任されており打撃にも自信はある。将来性を買われての下位指名があるかもしれない。

甲子園出場こそないもののプロ注目投手として話題となっているのが、常磐高校の山上信吾選手だ。身長183センチと長身から投げおろすストレートは角度がある。最速は146キロを誇り腕の振りもよく、素材候補としての指名がありそうだ。

白鴎大学足利高校において1年時からベンチ入りを果たしていた北浦竜次選手。投手、野手の二刀流でチームを引っ張っていた。甲子園への出場はないが、今春の県大会では栃木県大会優勝を果たし、関東大会にも出場。
2回戦敗退となったが、投打に渡る活躍を見せプロからの注目を集めていた。184センチの長身から放たれるストレートは最速147キロ。プロで鍛えれば150キロ超えも夢ではない素材候補と言えそうだ。