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日本シリーズで起きる!?千葉ロッテマリーンズの奇跡を振り返る

2017 7/10 10:25Mimu
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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Photo by Evgenii Matrosov/Shutterstock.com

千葉ロッテマリーンズの奇跡といえば2010年だろう。この年、ロッテはレギュラーシーズンをパリーグ3位で終えた。 しかし、レギュラーシーズンが終わった後に、ロッテの真骨頂は発揮されたのだ。

混戦だった2010年のパリーグ

2010年のロッテは、75勝67敗2分という成績で、ソフトバンク、西武に次いでパリーグ3位という成績だった。しかし、3チームのゲーム差はたった2.5しかなく(さらに4位の日本ハムとの差も0.5ゲームしかなく、3ゲーム差に4チームがひしめいていた)、その戦力による差はほとんどなかったといえるだろう。

そしてポストシーズン、ロッテの奇跡が始まっていく。まずは2位西武とのクライマックスシリーズから。結論から先に言えば、ロッテが2連勝でファイナルシリーズへと進出するのだが、この2試合はどちらが勝ってもおかしくない、非常に中身の濃い試合だった。

劇的な試合が続くクライマックスファーストシリーズ

第1戦は成瀬善久選手と、涌井秀章選手という両エースの投げ合いとなった。試合は8回の表を終わり1-1という緊迫した内容だった。しかし、先に成瀬投手が降板した8回裏、西武はロッテの中継ぎを攻め込み、一気に4点を上げて1-5とする。ロッテの万事休すかと思われた9回裏、こちらも西武の中継ぎ陣を攻め立て、何と土壇場で同点に追いくのだ。そして延長11回、試合を決めたのはベテランの一振りだった。福浦選手が勝ち越し本塁打を放ち6-5.そして最後は小林宏之選手が締めてロッテが先勝する。

続く第2戦。初回に西武が3点を先制すると、3回にも1点を追加し、主導権を握ったかのように見えた。しかし、ロッテが1点ずつこつこつ返していくと、9回の表に里崎智也選手の本塁打が飛び出し4-4の同点に。2試合連続の延長戦にもつれ込むのだ。そしてまたも11回表、井口選手にタイムリーが飛び出し、5-4でロッテが連勝!2試合とも劇的な勝利をおさめ、ファイナルステージへと駒を進める。

ファイナルステージも息の詰まる展開に

ソフトバンクとのファイナルステージも、息の詰まる試合が続く。第1戦で成瀬投手が1失点完投し、3-1でロッテが勝利すると、反対に2戦目はホークスの和田毅選手が負けじと完投し、1-3でやり返されてしまう。さらに第3戦目も完封されてしまい、ソフトバンクがアドバンテージを含めて3勝となり、日本シリーズへ王手をかける。

しかし第4戦、阪神から移籍した今岡誠選手が本塁打を放つと、ロッテ打線が息を吹き返し、そのまま4得点。投げては渡辺俊介選手が8回無失点の好投を見せ、4-2で完勝。何とか踏みとどまり、望みをつなげた。

史上初!3位から日本シリーズ進出へ

そして第5戦、初回にソフトバンクが1点を先制。一方のロッテは6回まで無得点と嫌な流れになる。しかし、7回にピッチャーが変わると、サブロー選手・福浦選手・里崎選手の3連打で一気に3得点を入れて逆転!さらに9回にはルーキー清田選手の2号本塁打も飛び出し、3勝3敗のタイ(アドバンテージ含む)ながらいい流れで第6戦を迎える。

そして第6戦、圧倒したのはロッテだった。結果を先に伝えると7-0でロッテの完勝だ。投げては成瀬選手が完封勝利し、打っては相手先発の杉内投手から5回に4点、さらに中継ぎも打ち崩し8回に3点。理想的な流れでホークスを下し、日本シリーズに進出したのだ。シーズン3位のチームがクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズに進出するのは史上初の出来事だった。

3位から日本一へ!

日本シリーズ、相手はセリーグを1位で勝ち上がった中日ドラゴンズだ。このシリーズといえば、やはり特筆すべきは第6戦・第7戦だろう。3勝2敗と王手をかけて挑んだ、ナゴヤドームでの第6戦。2-2のまま延長戦へ。しかし、お互いに決め手を欠き、そのまま延長15回が終わっても2-2のまま。5時間43分の熱戦は幕を閉じる。

翌日の第7戦。前日とは打って変わって初回からロッテが2点を先制したと思えば、中日はその裏に3点を入れて逆転。さらに中日は攻撃の手を緩めず3回までに6点を取ったかと思えば、ロッテも4・5回で4点を返すという乱打戦になる。しかし、中盤以降は再び決め手を欠き、7-7のまま2日連続の延長戦へ。

試合が動いたのは12回表だった。9回から登板して4イニング目に入った浅尾拓也選手を攻め、フォアボールで先頭を出すと送りバントでチャンスを作る。そしてここで試合を決めたのが伏兵・岡田幸文選手だった。振り抜いた打球はライトの頭を超える値千金の勝ち越し3塁打。これが決勝点となり、ロッテは史上初の、シーズン3位からの日本一を達成したのだ。

まとめ

2005年の4連勝といい、2010年の下剋上といい、ロッテが日本シリーズに出場すると、毎回奇跡的なことが起こる。 苦戦していても、最後まで諦めないロッテの活躍に期待をしたい。