「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

東京ヤクルトスワローズ、2017年の課題は?春季キャンプレポート

2017 4/25 12:52Mimu
野球ボール,ⒸShutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

Photo by Evgenii Matrosov/Shutterstock.com

東京ヤクルトスワローズの2017年春期キャンプが、沖縄県浦添市で行われました。 2016年シーズンは5位に終わってしまいましたが、2017年はセリーグの王座奪還に期待がかかります。 今回はヤクルトスワローズのキャンプについてまとめました。

2017年ヤクルト浮上のカギは投手陣

2015年シーズンは見事にセリーグを制するも、一転して5位に転落してしまった2016年のヤクルトスワローズ。その課題が投手陣であることは、誰の目から見ても明白でしょう。
打撃陣は、12球団中随一の破壊力を誇っているのにもかかわらず、セリーグではチーム防御率が4.73点だったため、2017年は大きな改善が必要だと思われます(ちなみにチーム防御率5位のDeNAは3.76)。そのため、特に今期キャンプでは、投手陣への注目が集中しました。

順調な調整をみせる主軸投手陣

2016年度チーム最多勝は、8勝を挙げた石川雅規選手と小川泰弘選手の2人です。つまり2ケタの勝利者は1人もおらず、その次に勝利数が多かったのが、(中継ぎで7勝を挙げた村中恭兵選手を除けば)6勝を挙げた山中浩史選手というで、小川選手も石川選手も防御率は4点台中盤、山中選手は3点台ではあるものの、6勝12敗と大きく負け越してしまっているという状況でした。
しかし、3名ともに2017年キャンプでしっかり調整できているようです。石川選手については、2月17日のDeNA戦の登板で無失点、シートバッティングといった実戦形式の練習でも好投を見せており、キャンプ序盤で打ち込まれてしまった小川選手も、17日の練習試合では見事な修正と回復を見せました。山中選手は、3月8日のオープン戦で5回無失点の好投。上々の仕上りを見せています。

館山昌平は幾度の手術を乗り越えての復活なるか?

キャンプで特に目立っていたのが、適正な仕上がりを見せている山昌平選手です。
2013年に右肘靱帯を断裂して以降、何度も膝にメスを入れた後、2015年に復帰し6勝を挙げたものの、9度の先発で1勝4敗した2016年の防御率は7.24でした。全盛期のような投球や、シーズン中にフル稼働するのは難しいと思われますが、シーズンが始まった今、彼の復活はチームにとって大きな期待を意味しています。

昨年の成長したルーキーに期待

石川選手・小川選手・山中選手・館山選手のコンディションがいいとはいえ、チームの人数不足は解決していません。安定した先発投手が、あと2・3人ほしいとういうのが現状です。そこで、注目を集めているのが原樹里選手です。ルーキーイヤーだった2016年は2勝8敗、防御率5.91というほろ苦い1年に終わってしまいましたが、このキャンプでは首脳陣からの評価は上々です。
今まで行ってこなかったというシャドーピッチングでフォーム固めの効果を見せ、安定感が増し、チェンジアップといった変化球の精度にも影響し、1~2ランク上の投球ができるようになりました。実戦練習でもしっかりと結果を残せているので、このままいけば開幕ローテーションも当確するでしょう。
このローテーション格5人に加え、新外国人選手のオーレンドルフ選手やブキャナン選手の活躍次第では、さらに充実した先発投手陣の結成に期待できます。

熱いショート・キャッチャー争い

野手を紹介します。2017年キャンプで激しい競争が行われているポジションがショートとキャッチャーです。
2016年は、大引啓次選手がショートでさすがの安定感を見せ、若手の西浦直亨選手も存在感を放ち、廣岡大志選手も初打席で初ホームランを記録。当然、谷内亮太選手も黙っておらず、大引選手は対外試合で本塁打を放つなど、攻守にわたって1歩リードしました。
また、中村悠平選手と西田明央選手の正捕手争いにも注目です。2016年は、不動の補正捕手と思われていた中村選手が極度の打撃不振に陥り、打撃を売りにしていた西田選手にレギュラーを奪われてしまう結果となりました。2017年シーズンは、守備で勝る中村選手が優勢と言われていますが、はたしてどうなるのか楽しみですね。

まとめ

ヤクルトが浮上するには、投手陣が鍵になると思います。 ケガが多いものの、申し分のない打線と守備。 いかに投手が崩れずに1年間戦えるかが、順位に大きく影響してくるでしょう。