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福岡ソフトバンクホークス工藤公康監督の功績!選手・監督・学生として

2016 12/2 01:42
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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Photo by Evgenii Matrosov/Shutterstock.com

現在、プロ野球福岡ソフトバンクホークスの監督を務める工藤公康だが、監督としてだけでなく選手時代にも多くの実績を残していることをご存知だろうか?さらに研究者としての側面も持っているのだとか。今回はそんな工藤監督の功績について紹介したいと思う。

工藤公康とはどんな人物なのか?

工藤公康は愛知県出身で地元の名古屋電気高校(現在の愛知工業大学付属名電高校)から1981年にドラフト6位で西武に入団した。高校時代には甲子園でノーヒットノーランの活躍を見せるなど頭角を表してしていた。
西武では入団1年目にチームが日本一になったのを皮切りに計8度の日本一を経験する。その移籍した福岡ダイエーホークス、巨人でも日本一を経験し選手として計11回日本一に輝いた。
行く先行く先でチームの日本一に貢献することから工藤は優勝請負人と呼ばれており、それは監督となった今も続いている。

歴史に残る数々の記録

工藤公康は投手として1982年から2010年までなんと29年間プレーし続けた。この実働29年というのは歴代1位タイの記録だ。また選手として日本シリーズに14回出場しておりこちらも歴代シリーズタイの記録だ。
これらの記録を見るだけでもすごい選手だったということはわかると思うが、投手としての成績224勝142敗。6割を超える勝率を残している。
2015年から福岡ソフトバンクホークスの監督を務めているが、就任1年目にして2位に12ゲーム差をつけ、圧倒的な力でパリーグを制すると、勢いそのままに日本シリーズでもヤクルトを下し日本一に輝いている。
投手として偉大な記録を残した工藤公康だが監督としても偉大な記録を残し始めている。

ファンから愛されていた男

ダイエーホークスに所属していた1999年、工藤はチームを日本一に導き、自身も最優秀防御率、最多奪三振のタイトル獲得に加え、日本シリーズMVP獲得という最高の結果を残す。その年のオフ、当然ながら年俸の大幅アップが予想されたが、球団からの提示額はほんのわずかのアップだった。その後交渉を重ね金額は上がったが、交渉の中で工藤は球団に不信感を抱くようになり、結果的にホークスを出て行くこととなる。
移籍の話が報じられるとすぐさまファンは球団に残ってもらうための署名活動を開始。この署名が最終的に約15万人にも及んだことは、工藤がいかにファンに愛されていたかということがよくわかるエピソードだ。
ファンにとっては残念なことに移籍を止めることはできなかったのだが、のちに工藤はこの署名に参加した15万人のファン全員に手書きでお礼の手紙を送ったと言われている。
ファンを大切にしているからこそファンに愛される男となったのだろう。

酒浸りの時代

3連覇を果たすなど黄金期の西武の中心選手として活躍していた工藤だが4連覇がかかっていた89年には4勝と勝ち星を上げることができず、チームも優勝を逃すなど、これまでに経験したことのないシーズンとなった。その影響からか、工藤は毎日酒を呑み歩き、一時は死んでもおかしくないほどに肝臓を悪くしていたということだ。
こんな工藤に輝きを取り戻したのが奥さまの雅子さんだった。管理栄養士の資格を持っている雅子さんは食事療法に取り組み、酒浸りになっていた工藤の体を改善していったそうだ。
その効果もあってか、4勝に終わった89年から2年後の91年には16勝をマークする活躍を見せている。工藤がその後20年以上も現役を続けられたのも雅子婦人の存在が大きかったのだろう。

研究者・工藤公康

現役引退後、野球解説者を務めていた工藤だが、これまで自身が経験してきた練習やコーチからの指導に対してなぜそれを行うのかという疑問を解消するために、2014年に野球を科学的に学ぶことができる筑波大学大学院に入学する。大学院ではコーチングの理論を学ぶほかに、かつて自身が肘を壊した経験から、子どもたちが肘や肩を壊さないための投げ方やトレーニング法なども学んでいたそうだ。
2015年にソフトバンクの監督に就任することになったため、今は研究者としての活動は休止中だが、監督業が終わった暁にはまた大学院に戻ってくると語っており、工藤監督の研究が日本の野球界に大きな影響を与える日が来るかもしれない。

まとめ

ここまで福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督の功績について紹介してきた。数々の輝かしい記録を持っている一方で酒に溺れてしまう時期もあるなど29年間の現役生活はまさに波乱万丈。監督業に加え将来的には研究者としての活躍も期待される工藤監督に注目だ。