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菊池とイチローだけじゃない!マリナーズの中心選手はだれ?

2019 3/19 07:00勝田聡
マルコ・ゴンザレス,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

18年ぶりのポストシーズンを目指す

シアトル・マリナーズはチーム創設の1977年以来、ワールドシリーズ制覇、リーグ制覇は1度もない。地区優勝は1995年、1997年、2001年の3度。ポストシーズン出場は2001年以来遠ざかっている。ちなみに2001年というのはイチローがマリナーズでMLBデビューした年でもある。

2018年シーズンにはアメリカンリーグ西地区で5チーム中3位に終わり、89勝73敗と16個の貯金を作ったが、ポストシーズンへの出場は果たせなかった。そのため、2019年シーズンは18年ぶりとなるリーグ優勝、そしてポストシーズンへの出場を目指すことになる。

このオフにはポスティングで西武から菊池雄星を獲得。また、野手では通算380本塁打のエドウィン・エンカーナシオン、286本塁打のジェイ・ブルースを獲得し大砲が2枚揃った。一方で、ロビンソン・カノー、ジーン・セグラにエドウィン・ディアズといった主力選手を放出しており、優勝を目指すというよりは再建モードと考えられる。

また、スコット・サーバイス監督は今シーズンが4年目。4年以上監督を務めるのは1993年から2002年までチームを率いたルー・ピネラ監督以来となる。

エンカーナシオンとブルースの666発コンビ

野手陣を見ると、打線の軸は今オフにチームへ加入した右のエンカーナシオンと左のブルースだ。とくにエンカーナシオンは2012年から7年連続30本塁打以上を放っており、3番に座ることが濃厚。右打者に不利とされているTーモバイル・パークが、どれだけの成績を残すことができるかに注目だ。

ブルースは2008年から2017年まで10年連続2桁本塁打を達成していたが、2018年は僅か9本塁打。今季は2年ぶりの2桁本塁打はもちろん、30本塁打の大台を目指したいところ。

この2人で通算666本塁打を誇っており、上手くいけば本塁打を量産する可能性もある。

通算308盗塁を誇るディー・ゴードンもいる。ゴードンはマイアミ・マーリンズ時代もイチローとともにプレーしており、日本のファンにも馴染みがあるかもしれない。チーム事情もあり、2018年は二塁(81試合)、遊撃(8試合)、中堅(53試合)と複数のポジションを守ったが2019年は二塁での起用が濃厚。「1番・二塁」が定位置となりそうだ。

その他、日米野球で来日したミッチ・ハニガー、若き主砲候補のライオン・ヒーリーといった選手たちが、スタメンに名を連ねることになるだろう。

アメリカ国内でのオープン戦では打率.080(25打数2安打)と苦しんだイチローにも、日本での復調に期待したい。

開幕戦の先発はエースのゴンザレス

投手陣に目を移すと、開幕戦の先発登板が決まっているマルコ・ゴンザレスがエース格となる。2018年シーズンは自身初となる2桁勝利(13勝)を達成し、開幕投手へと抜擢された。ゴンザレスは制球がよくBB/9(1試合あたりいくつの四球を出すかを表す指標)は1.73。規定投球回到達者の中では、両リーグ合わせて5位と球界屈指の数字を残している。

そのゴンザレスを凌ぐ制球力を見せたのがマイク・リーク(1.65)。ローテーションの3番手となり、開幕戦前の巨人戦(プレシーズンマッチ)で登板することが決まっており、公式戦では投げない可能性が高い。

キングことフェリックス・ヘルナンデスもローテーション投手のひとりだ。リーク同様に巨人戦で登板することとなっており、開幕戦での登板機会はないはず。しかし、2005年のメジャーデビュー以来、チームを支えてきた功労者。ここ2年の成績は振るわないものの、プレシーズンマッチの投球は注目したい。また、元・西武のウェイド・ルブランも先発ローテーション投手として活躍している。

そして菊池雄星である。開幕2戦目の先発が決まり、メジャー初登板を日本で迎えることになった。現時点ではローテーションの順番どおり、ゴンザレスにつづく先発2番手の位置づけとなっている。もちろん、勝敗も大事だが中4日でローテーションを投げ続けていくことが、より重要になってくる。

中継ぎ陣ではクローザーのハンター・ストリックランドに注目。今シーズンからチームに加入したストリックランドだが、シーズンを通してクローザーで起用されたことはない。どのようなパフォーマンスを見せるかは、未知の領域。また、2017年シーズンに当時ナショナルズに在籍していたブライス・ハーパーと大乱闘を起こしたことでも知られている。


イチローと菊池の活躍以外にも、多くの見どころがあるMLB。是非この機会に選手を憶え、観戦を楽しんでほしい。