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MLB開幕に備える菊池雄星 警戒すべきアメリカン・リーグ西地区の強打者は?

2019 2/21 07:00勝田聡
球場,Shutterstock.com
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マリナーズの菊池雄星がキャンプイン

高校時代からの夢をかなえて大リーグ、シアトル・マリナーズへ移籍した菊池雄星が、バッテリー組のスプリング・トレーニングに合流した。メジャーリーグのスプリング・トレーニング(春季キャンプ)は日本と違い、バッテリー組が2月半ばに合流し、およそ1週間後に野手組が加わるのが一般的だ。すでにブルペンでの投球も行っており、オープン戦を経て開幕を待つことになる。

マリナーズはアメリカン・リーグ西地区に所属している。ライバルとなるチームは大谷翔平が所属するロサンゼルス・エンゼルス、東京ドームで開幕戦を戦うオークランド・アスレチックス。2017年のワールドチャンピオンでもあるヒューストン・アストロズ、そしてダルビッシュ有(現カブス)が所属していたテキサス・レンジャーズだ。 その同地区の4チームにはどのような選手がいるのだろうか。ライバル球団の注目打者を確認しておきたい。

現役最強打者 マイク・トラウト(エンゼルス)

大谷が所属しているエンゼルスを代表する選手といえば、やはりマイク・トラウトだろう。現役最強打者とも称されているスーパースターだ。これまでのキャリア8年間で打率.307、240本塁打、648打点。打つだけでなく、189盗塁と走ることもできる。

2012年に新人王、そして2014年、2016年と2度のアメリカン・リーグMVPに輝いた。しかし、チームが低迷していることもあり、ポストシーズンに出場したのは地区優勝を果たした2014年の1度だけ。その年もワールドチャンピオンには手が届いていない。チャンピオンリングをつかみ取りたいところ。

(2018年成績)
140試合/打率.312(471打数147安打)/39本塁打/79打点

5年連続3割 ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)

アストロズの中心選手は多くいるが、そのなかでもホセ・アルトゥーベを取り上げたい。2014年から5年連続で打率3割を超え、二塁手としてシルバースラッガー賞を受賞し続けている選手だ。さらに首位打者は3度、2017年にはアメリカン・リーグMVPにも輝いているスーパースターだ。2014年オフには日米野球で来日も果たしている。

メジャーリーガーの代表的な打者は大柄な選手が多いが、アルトゥーベはそうではない。身長はおよそ168センチで、NPBに入ったとしても小さい部類に入る。しかし並外れたパワーがあり、安打を量産するだけではなく、2016年、2017年の2シーズンはともに24本塁打を放っている。

昨シーズンは故障もあり例年より成績を落としたが、それでも打率.316、13本塁打と存在感を見せた。今シーズンも同様の活躍が期待されている。

(2018年成績)
137試合/打率.316(534打数169安打)/13本塁打/61打点

昨シーズンの本塁打王 クリス・デービス(アスレチックス)

東京ドームで行われる開幕戦にやってくるアスレチックスには、昨シーズンの本塁打王が所属している。それはクリス・デービスだ。MLBにはカタカナ表記で「クリス・デービス」選手がオリオールズにも所属しているために混同する。 どちらのクリス・デービスも本塁打王を獲得していることが、さらに話をややこしくさせる。

アスレチックスのデービスは、昨シーズン48本塁打でアメリカン・リーグの本塁打王に輝いた。ブレイクしたのは2016年からとなり、それ以来3年連続40本塁打以上を記録しているパワーヒッターだ。さらにデービスは驚くべき記録を残している。それは4年連続で打率.247でシーズンを終えたことだ。打率が全く同じ数字でシーズンを終えるのはMLBでも史上初の記録となっている。

(2018年成績)
151試合/打率.247(576打数142安打)/48本塁打/123打点

2年連続40本塁打超え ジョーイ・ギャロ(レンジャーズ)

昨シーズン、レンジャーズだけでなく、MLBを代表する打者でもあったエイドリアン・ベルトレーが現役を引退した。通算3000安打を超えるレジェンドが打線から消えたことになる。偉大なる打者と比べるとまだまだ荒削りだが、注目はジョーイ・ギャロ。

2015年にメジャーデビューしたギャロは3年目となる2017年にレギュラーへ定着する。そのシーズン、145試合でリーグ3位となる41本塁打を放ち、脚光を浴びた。一方で三振も多く、この年は196三振(リーグワースト2位)とまさに本塁打か三振かといった大味な成績を残している。昨シーズンも40本塁打(リーグ3位)に対し、207三振(リーグワースト3位)とその傾向は変わっていない。 三振を恐れぬフルスイングは菊池にとっても驚異となりそうだ。

(2018年成績)
148試合/打率.206(500打数103安打)/40本塁打/92打点