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菊池雄星が移籍するシアトル・マリナーズとは?

2019 1/8 07:00勝田聡
菊池雄星,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

先発ローテーション入りは確実

ポスティング制度を用いてのMLB移籍を目指していた菊池雄星の所属先がシアトル・マリナーズに決まった。最大7年の契約となっていることからも、その期待の高さをうかがい知ることができる。

1月3日(日本時間4日)に行われた会見では、英語でしっかり受け答えし日米の報道陣を驚かせた。

現時点のロースターを見ると菊池は先発ローテーションに入ることは確実。まずは怪我なく1年間を過ごすことが求められる。しっかりとローテーションを守りながら、登板することができれば結果はついてくるはずだ。

さて、菊池が所属することとなったマリナーズとはどんなチームなのだろうか。少し振り返ってみたい。

2001年以来のポストシーズンを目指す

アメリカン・リーグ(以下、AL)西地区に属するマリナーズのホームタウンはワシントン州シアトル。本拠地はT-モバイル・パークだ。この名称は2019年からとなっており、1999年から2018年までの間はセーフコ・フィールドと呼ばれていた。名称が変わったのはネーミングライツの契約満了によるものである。

球団創設は1977年で、MLB30球団の中では比較的新しい球団となる。また、創設以来、ワールドチャンピオン、リーグチャンピオンに輝いたことはなく、最高成績は3度(1995年、1997年、2001年)の地区優勝となっている。

2001年にはシーズンでMLBタイ記録となる116勝をマークし、ワールドシリーズ制覇を期待されたが、リーグチャンピオンシップで敗退。悲願達成とはならなかった。それ以来、ポストシーズンに駒を進めたことはなく、もっともポストシーズンから遠ざかっているチームでもある。

2018年は89勝73敗、勝率.549で地区3位と健闘したが、ワイルドカード争いでは2番手だったアスレチックスに8ゲーム差をつけられている。2019年は18年ぶりのポストシーズン進出、さらに初のリーグ優勝、ワールドチャンピオンを目指している。

同地区に大谷翔平のエンゼルスも

AL西地区は2017年のワールドチャンピオンであるヒューストン・アストロズ、マネーボールで話題となったオークランド・アスレチックス、ダルビッシュ有(現・カブス)がプレーしていたテキサス・レンジャーズ、そして、大谷翔平の所属しているロサンゼルス・エンゼルスとマリナーズ含め5球団で争われている。

日本とスケジュールの組み方は異なるものの、同地区との対戦が最も多くなっており、2019年シーズンのエンゼルス戦は19試合が予定されている。注目を集めるであろう花巻東高校OB対決だが、2019年の大谷は手術明けということで打者に専念することが決定しており、まずは「打者・大谷vs.菊池」の実現となりそうだ。

一方、両投手が先発として投げ合うのは2020年以降が濃厚。こちらの対戦は来年以降のお楽しみとなる。

日本人選手の所属は10人目

マリナーズは日本人選手とも縁が深い。最も印象に残る選手はイチローだろう。

イチローは2001年から2012年途中まで在籍し、他球団でプレーした後に2018年から再びマリナーズへと戻ってきた。初の日本人野手ということもあり、これまでに日本でも多くの報道がなされている。2019年はマイナー契約が濃厚だが、ベンチ入り枠が増える東京での開幕戦(対アスレチックス)で来日し、ロースターに入ることが既定路線となっている。

その他にもマック鈴木、佐々木主浩、城島健司、長谷川滋利、木田優夫、岩隈久志、川崎宗則、青木宣親と多くの日本人選手が在籍。菊池は10人目の日本人選手となる。背番号も2018年まで岩隈が背負っていた「18」を継承。番号に恥じない投球に期待がかかっている。

先発投手として期待されている菊池は、どのような成績を残してくれるのだろうか。その投球に注目が集まっている。