「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

大谷翔平は来季31本塁打!? 日本人野手の2年目はどうだった?

2018 12/4 15:00勝田聡
大谷翔平,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

右肘故障も新人王を受賞した1年目

スプリングトレーニングでは結果を残せなかったが、開幕するとその不安を一蹴するほどの活躍を見せた大谷翔平。故障での離脱により規定打席には未到達だったが、104試合で打率.285、22本塁打、61打点と堂々の成績を残し、新人王に輝いた。

MLB移籍からあっという間だったが、大谷にとっては充実した1年だったようだ。日本に帰国後の記者会見では、笑顔でこの1年を振り返り、メスを入れた右肘の回復も順調と語っていた。

リハビリの状況にもよるが、来シーズンの大谷復帰のめどは5月末頃だ。そして、二刀流ではなく野手としてプレーに専念することになる。当然、今シーズン以上の成績を期待されるわけだが、過去の日本人メジャーリーガー野手は、2年目にどのような成績を残していたのだろうか。

2年目に数字を伸ばしたのは松井秀喜と福留孝介

主な日本人メジャーリーガーの移籍初年度・2年目の成績

ⒸSPAIA

1年目に規定到達した日本人メジャーリーガーはこれまでに8人いるが、初めて規定打席に到達したのはイチロー(マリナーズ)だった。

移籍初年度となった2001年に首位打者、MVP、盗塁王などタイトルを総なめし、日米に衝撃を走らせた。2年目の打率や安打数を見ると成績を落としているようだが、出塁率は上昇しOPSは大きく下降したわけではない。1年目ほどのインパクトはないが、堂々の数字だ。

次いで規定打席到達を果たしたのは、松井秀喜(ヤンキース)だ。イチローとはタイプが異なり、長距離砲として海を渡ったのである。その1年目には、打率.287、16本塁打、106打点とまずまずの数字を残したが、長距離砲としての期待に応えることはできなかった。しかし、適応したのか2年目は打率、本塁打、打点、そしてOPSなど、ほとんどの項目で1年目を上回った。

イチローや松井秀のようなインパクトはないものの、それ以降も日本で実績を残した選手たちが続々と海を渡っている。そして、1年目から及第点以上の成績を残している。なかでも、2年目に大きく数字を伸ばしたのは2009年の福留孝介(カブス)ただひとり。また、OPSが1年目から上昇したのは、福留と前述の松井秀の2人だけだ。その他の6人は若干ではあるが数字を落としている、とくに長打率が下がる傾向にあるため結果的にOPSも下がるのだ。

2年目に入ると相手球団の対策も進み、結果を残していくのが難しくなるということだろう。

予想システムでは31本塁打!

アメリカのサイトである「Fan Graphs」では、すでに2019年の成績予想が公開されている。その中で公開されている予想ソフト「Steamer」によると、11月29日現在大谷の成績は下記のようになる。

主な日本人メジャーリーガーの移籍初年度・2年目の成績

ⒸSPAIA

143試合に出場し、31本塁打、OPS.867の成績で、松井秀以来となる30本塁打到達と予想している。現在、2年目にOPS.800を超えた日本人選手はイチローと松井秀しかいないが、「Steamer」では彼らに次ぐ記録を残すことも予想されている。

しかし、リハビリを経て5月末に復帰するとなると143試合に出場することは困難。安打や打点、そして本塁打と積み上げ系の数値はもう少し低くなると思われる。

大きな期待を背負って2年目のシーズンを過ごすことになる大谷は、はたしてどのような成績を残してくれるのだろうか。予想ソフト通り、イチロー、松井秀と肩を並べる選手となってくれることに期待したい。

※所属は当時
※数字は2018年シーズン終了時点