8月以降に本塁打を量産
移籍1年目となった今シーズン、みごとアメリカン・リーグのルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)に輝いた大谷翔平(エンゼルス)。その大谷のオーソドックスな数字(野手)を振り返ってみたい。
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104試合の出場ということで規定打席には到達しなかったが、シーズンを通して打率.285、22本塁打を記録。1年目の本塁打数としては城島健司氏(マリナーズ)の記録した18本塁打を更新し、日本人最多となった。
打撃成績を月別で見ると、序盤は好調で4月の月間最優秀新人を受賞する。しかし、5月からは対応に苦しんだ。そして、6月上旬に靭帯の損傷が見られ、約1ヶ月の離脱。7月上旬に復帰するが、なかなか調子は上向かない。
しかし、8月、9月・10月と打率は3割を超え勢いに乗った状態でシーズンを終えている。本塁打も22本中13本を8月以降に記録した。さらには、OPSでも2カ月連続で1を超える活躍を見せたのである。9月には、2度目の月間最優秀新人も受賞した。
最も多く対戦したのはMLBを代表するエース・バーランダー
続いては対戦投手別に見ていきたい。
今シーズン、もっとも多く対戦したのはジャスティン・バーランダー(アストロズ)だった。5月16日(日本時間17日)の初対戦では3三振を含む4打数ノーヒット。MLBを代表するエースにねじ伏せられてしまう。
しかし、2度目の対戦で初安打となる二塁打を放つと、3度目の対戦では本塁打を含むマルチ安打。徐々に対応したあたりはさすが大谷だ。
シーズン通算では、打率.214(14打数3安打)、1本塁打、5三振とバーランダーに軍配が上がったと言っていいだろう。5三振は今シーズン対戦した投手の中で最も多い三振数となっている。
エンゼルスが地区優勝を果たすためには、同地区のライバルチームであるアストロズを倒さねばならない。来シーズンこそはエース・バーランダーを攻略したい。
対戦打率.444と得意にしたマイク・リーク
その他の投手との対戦はどうだったのだろうか。6打席以上の対戦がある中で、最も得意としたのは、マイク・リーク(マリナーズ)だった。11度の対戦で打率.444(9打数4安打)、1四球とカモにしている。
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一方で苦手としたのはエドウィン・ジャクソン(アスレチックス)、ウェイド・ルブラン(マリナーズ)のふたりだ。6打席の対戦で打率.000と安打を放つことができず完敗となっている。
ルブランは2015年に西武に所属していたが、そのときも大谷は打率.200(5打数1安打)と抑え込まれていた。しかし、唯一の安打が本塁打でもあり、苦手意識は大きくないはず。来シーズンこそはMLB初安打を放ちたい。
来シーズン、相手球団は今シーズンのデータを研究し、万全な「大谷対策」をとってくるはずだ。大谷にはその対策を乗り越えていくことが求められる。また、手術をした右肘の経過を見ながらの出場となり、苦労することは多いはずだ。しかし、その苦難を乗り越え今シーズン以上の結果を残すことに期待したい。
※数字は2018年シーズン終了時点