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【MLB】ポスティング申請間近の菊池雄星、今季FAとなる左腕の動向にも注目

2018 11/20 07:00勝田聡
ダラス・カイケル,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

代理人はボラス氏に決定

2008年以来、10年ぶりにリーグ優勝を飾った西武のエース・菊池雄星。このシーズンオフにポスティング制度を用いて、メジャーリーグ移籍を目指すことが確実視されている。すでに代理人はスコット・ボラス氏に決定しており、11月下旬には申請書類を提出する見込みだ。

アメリカでもMLB公式サイトやその他のメディアでもすでに名前が挙がっており、その行き先は注目を集めている。その菊池は先発左腕としての役割を期待されるが、今年のFA市場にはどのようなライバルが存在するのだろうか。

このオフにFAとなった先発左腕を確認してみたい。

2015年サイ・ヤング賞投手のカイケルやハップがFA市場へ

このオフは「最強左腕」との呼び声も高い、クレイトン・カーショー(ドジャース)がオプトアウトを行使し、市場に出るかと思われたが、ドジャースとの契約延長を選択した。また、有力な左腕の一人であった柳賢振(ドジャース)もQO(クオリファイング・オファー)を受け入れ残留となった。

しかし、その他にも先発左腕は存在する。その一人がJ.A.ハップ(ヤンキース)だ。ハップは今シーズン途中にブルージェイズからヤンキースへと移籍し、2球団でプレーした。投球回数は200回に届かず、177.2回だったが17勝(6敗)をマーク。

特にヤンキース移籍後は、11試合で7勝0敗、防御率2.69とポストシーズン進出に大きく貢献したと言っていい。来シーズン36歳という年齢が少しネックではあるが、ヤンキースを含めて、数球団が興味を示している。

大リーグ菊池のライバル表

また、2015年のサイ・ヤング賞投手でもあるダラス・カイケルも、QOを拒否した上でFA市場に出る。サイ・ヤング賞受賞の翌年、2016年こそ9勝12敗、防御率4.55といまひとつだったが、その後は2年連続2ケタ勝利をマーク。今シーズンは3年ぶりに200イニングに到達し、自身3度目となるゴールドグラブ賞も受賞しており、注目度は高い。

復活を遂げたコービンに安定感のゴンザレス

パトリック・コービン(ダイヤモンドバックス)も注目を集めている一人だ。

デビュー2年目となる2013年に14勝(8敗)をマークしブレイク。飛躍が期待された翌2014年はトミー・ジョン手術を受けた影響で全休となり、2015年に復帰後も2シーズン続けて結果を残すことができなかった。

しかし、2017年に14勝(13敗)を挙げて復活すると、今シーズンも11勝(7敗)と2年連続2桁勝利を達成。今シーズンは奪三振率も11.1とキャリア最高を記録し、まさに最高の状態でFA市場に打って出た。

2010年から9年連続2桁勝利を達成しているジオ・ゴンザレス(ブリュワーズ)もFAとなる。今シーズンはナショナルズで7勝11敗と負け越していたが、ブリュワーズに移籍後は3勝0敗、防御率2.13と好投。地区優勝に大きく貢献した。これまでに大きな故障がなく、年間を通して先発ローテーションで回れることは強みとなる。

そのほかには、ウェイド・マイリー(ブリュワーズ)、ドリュー・ポメランツ(レッドソックス)といった左腕もFAとなる。

FAの選手そして菊池の移籍先は、実力はもちろんだが、年齢、年俸、投球タイプなどさまざまな要素が絡み合って、決まっていくことになる。加えてタイミングも重要だ。

果たして、菊池を獲得するのはどこの球団になるのだろうか。その鍵を握る要素でもある「FA市場にいるその他の先発左腕」の動向にも気を配りたい。