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【動画あり】大谷22本塁打、田中と前田PS出場、平野75試合登板。MLB日本人選手振り返り

2018 11/5 11:20勝田聡
大谷翔平,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

大谷翔平は22本塁打でチームに貢献、イチローは会長付特別補佐へ

大谷翔平,イチロー

今シーズンMLBでもっとも話題に上った日本人選手は、大谷翔平(エンゼルス)に違いない。ベーブ・ルース以来の本格的な「二刀流」として、日米で大きく報道された。

期待された「二刀流」としては機能しなかったかもしれない。右肘の故障もあり、投手としては10試合の登板に終わった。しかし、打者としては日本人の移籍初年度最多の22本塁打をマーク。ポストシーズン出場は果たせなかったが、指名打者としてチームに大きく貢献した。

痛めていた右肘の手術は終わり、来シーズンは野手に専念するとの報道もあった。さらなる飛躍に期待したい。


【エンゼルス公式】大谷が逆方向へ放った本塁打


2001年のシアトル・マリナーズ移籍以来、第一線でプレーし続けてきたイチロー(マリナーズ)は、シーズン序盤に「会長付特別補佐」の職に就いた。以降、今シーズンはMLBの舞台でプレーできなかったものの現役を引退するわけではなく、トレーニングは選手時代同様に続けてきた。本人も現役続行の意思を表明しており、来年3月に東京ドームで開催されるアスレチックスとの開幕2連戦で復帰することが予想されている。

田中将大、前田健太はポストシーズンにも登板

大谷翔平,イチロー

※所属は2018年シーズン終了時点


田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)、ダルビッシュ有(カブス)の先発3人は明暗が分かれた。

田中は途中離脱があったものの27試合に先発し、5年連続の2桁勝利(12勝)を達成した。ポストシーズンでもア・リーグ地区シリーズ第2戦でボストン・レッドソックス戦に先発。5回1失点と試合を作り、勝利投手になった。ヤンキースは同シリーズで惜しくも敗退したが、来シーズンはさらなる高みを目指す。

前田はシーズン途中に先発から中継ぎへと変更がありながらも、8勝(10敗)をマークし優勝に貢献した。ポストシーズンでは8試合に登板。これで日本人投手としてポストシーズン史上最多の通算20試合に到達した。しかし、ドジャースは2年連続ワールドシリーズで涙を飲む。その悔しさをバネに、MLB移籍4年目となる来シーズンの活躍にも期待したい。


【ドジャース公式】前田の投球


昨オフにシカゴ・カブスへ移籍したダルビッシュは8試合で1勝3敗、防御率4.95と充分な結果を残したとは言いがたい。5月20日(日本時間21日)の登板を最後に右上腕三頭筋の腱炎で戦線離脱し、9月に手術を受けた。来シーズンこそ、先発ローテーションを1年間守り抜きたいところだ。

移籍1年目の平野佳寿は75試合に登板

今シーズンからアリゾナ・ダイヤモンドバックスに加入した平野佳寿は、セットアッパーとして起用され、日本人最多登板数を更新する75試合に登板。中盤には26試合連続無失点を記録するなど、チームに大きく貢献した。初勝利、初ホールド、初セーブすべて達成し、来シーズンもブルペンの柱として期待がかかる。

平野と同じく今シーズンからMLB移籍を果たした牧田和久(パドレス)は苦しんだ。シーズン通算27試合で防御率5.40と確固たる成績を残せず、マイナーとメジャーを行き来した。パドレスとは2年契約を結んでいたが、シーズン終了後に戦力外となっており、現在来シーズンの所属先が決まっていない状況だ。MLBチームとの契約がかなわなければNPB復帰の可能性もあり、今後の動向が注目される。

マイアミ・マーリンズでシーズン開幕を迎えた田澤純一はデトロイト・タイガース(マイナー契約)を経てエンゼルスへ移籍。シーズン通算31試合で防御率は7点台となっているが、エンゼルス移籍後は9試合で防御率2.25とまずまずの成績を残した。現在はFAとなっており、来シーズンの所属先は現時点で未定。契約を勝ち取ることができるか、オフの動向にも注目したい。

故障からの復帰を目指した岩隈久志(マリナーズ)はMLBでの登板がなく、退団することが決定。来シーズンは日本復帰が濃厚だ。古巣である楽天がその候補に挙がっており、田澤同様に動向が注目されている。

各選手には今シーズンの疲れを癒やし、来シーズンもワールドチャンピオン目指して躍動する姿を期待したい。

※数字は2018年シーズン終了時点