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【動画あり】大谷翔平は新人王をとれるか 気になるライバル達と成績を比較

2018 9/29 07:00勝田聡
大谷翔平Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

MLB公式サイトの記者投票では大谷が首位

このシーズンオフに右肘の手術を受けることになった大谷翔平(エンゼルス)。投手としての復帰は2020年を予定しており、来シーズンは野手に専念することになる。

アメリカン・リーグで新人王争いを繰り広げている大谷は、シーズン序盤は投手としての起用もあり、週に3試合程度の出場だった。しかし、右肘の故障が発覚後は野手としてのプレーに専念。ケガの功名なのか本塁打も量産体制に入った。

そういった効果もあり、MLB公式サイトの記者による新人王の投票結果では首位に。もちろん、これが新人王の投票結果とイコールになるわけではない。しかし、現地の記者も評価するほどの活躍を見せていることは確かだろう。

今シーズンのアメリカン・リーグ新人王有力候補は、ミゲル・エンドゥハーとグレイバー・トーレス(ともにヤンキース)、そして大谷の3人だ。その3人は現時点でどのような数字を残しているのだろうか。

打率・本塁打・打点はエンドゥハーがトップ

新人王候補の成績

3人のおもな成績を比べてみると、打率、本塁打、打点と主要3項目はすべてエンドゥハーが一歩リードしている。現時点では打率3割に届いていないが、残り試合での到達は十分に可能。数字的な見栄えもよくなり、投票数も伸びる可能性はありそうだ。


【YES Network公式Twitter】エンドゥハーの本塁打

大谷の数字を見ると、出塁率、長打率、OPSの3項目でトップを走る。打者としての能力比較をする際、近年では出塁率や長打率、そしてその合算であるOPSを重要視する傾向が強い。その3項目でエンドゥハーを上回っている大谷に票が回ることも考えられる。


【Angels公式Twitter】大谷の本塁打

一方、トーレスはふたりよりも守備の負担が大きい二塁でこの打撃成績を残している。決して上手いとは言えない守備だが、負担があることには変わりない。打撃成績の差はわずかなため、守備面の考慮が入ると得票を伸ばすかもしれない。


【YES Network公式Twitter】トーレスの華麗な守備

投手・大谷をどう評価するか

大谷の投手成績

大谷には、決定的にエンドゥハーやトーレスと違う部分がある。それは投手としての実績があることだ。右肘の故障もあり10試合の登板にとどまっているが、4勝2敗、防御率3.31と結果を残している。

細かい数値を見るとK/9は10.97。1イニングに1個以上の三振を奪っており優秀だ。しかし、BB/9は3.83となっており、両リーグの規定投球回に到達している投手の成績と比較すると、下から6番目相当で特に褒められた数字でもない。

このような「投手・大谷」の数字を見ると新人王候補に名前が挙がることはないだろう。しかし、繰り返すことになるが彼は「二刀流」だ。

野手としての成績だけを見て評価されるのか、それとも投手との「合わせ技」なのか。少し気は早いが、これについては前例がないため、記者がどのような評価を下すのか結果が楽しみである。

※数字は現地2018年9月25日終了時点