「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ヤンキースは勝負モード エンゼルスは再建へ 日本人所属チームの今シーズン

2018 8/8 07:00勝田 聡
大谷翔平,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

MLBはチームの方針をハッキリ決める

メジャーリーグでは移籍期限である7月31日までに今シーズンの戦い方を定めるのが一般的だ。現状を判断したうえで、ポストシーズン出場を目指して戦うのか、それとも今シーズンは諦めて来年、再来年と先のシーズンを見据えていくのかを判断する。

ワールドチャンピオンや地区優勝を目指すチームは、この期限までに今シーズンを諦めたチームの有力選手を獲得し、更なる戦力強化を行う。一方、諦めたチームは今シーズンオフにFAとなり、チームを去ることが濃厚な選手を中心に主力を放出し、プロスペクト(若手の期待株)を獲得するのだ。

アメリカン・リーグ、ナショナル・リーグ合わせて30球団あるメジャーリーグでは、日本のプロ野球のように毎年上位争いを演じながらワールドチャンピオンを目指すのは、非常に厳しい道のりとなる。そのため、勝負するか否かを判断せざるを得ないのである。

田中のヤンキースは勝負、大谷のエンゼルスは再建へ

今シーズン、日本人選手が所属する球団がどのような状況なのかを確認してみたい。まずはアメリカン・リーグの2チームだ。

アメリカン・リーグ東地区で首位レッドソックスから9ゲーム差の2位につけるヤンキースは、積極的に補強を行っている。地区優勝は難しいものの勝率が6割を超えており、ワイルドカード争いではトップを走っているからだ。

ブルージェイズからJ.A.ハップ、オリオールズからザック・ブリトン、そしてツインズからもランス・リンを獲得し、投手陣を強化。また、田中将大も2試合続けて好投を見せており、強力な投手陣を揃えてワールドチャンピオンを目指していく。

一方、大谷翔平が所属するアメリカン・リーグ西地区のエンゼルス。再建モードへ舵を切り、正捕手であるマーティン・マルドナードと二塁手のイアン・キンズラーを揃って放出した。同地区はアストロズ、マリナーズ、アスレチックスが大きく勝ち越しており三つ巴の様相だ。この状況を見たうえで、来シーズン以降の勝負を選択したといえる。

 

【ブリトン:ヤンキース移籍後の投球】

カブス、ドジャース、ダイヤモンドバックスは優勝を目指し補強

日本人選手が所属するナショナルリーグの3球団(カブス、ダイヤモンドバックス、ドジャース)を見てみよう。

ダルビッシュ有の所属するカブスはコール・ハメルズをレンジャーズから獲得。昨シーズンまでに通算153勝をマークしているハメルズは、ダルビッシュの元チームメートで、リーグを代表する左腕だ。チーム移籍直後に初勝利を挙げており、既にチームに貢献している。

そのほかにも、ブルペンではナショナルズからブランドン・キンツラーを獲得し、レンジャーズからは中継ぎのジェシー・チャベスを獲得。先発・中継ぎ共に層を厚くし、2016年以来2年ぶりのワールドチャンピオンを目指す。

ナショナルリーグ西地区では、前田健太が所属するドジャースと平野佳寿が所属するダイヤモンドバックスが激しい首位争いを演じている。

ドジャースは、地区優勝へ向けてオリオールズで主力だったマニー・マチャドと、ツインズで強打の二塁手だったブライアン・ドージャーを獲得。一方、ダイヤモンドバックスは夏場の暑い時期に備え、マーリンズからブラッド・ジーグラー、レイズからマット・アンドリース、レンジャーズからジェイク・ディークマンといった投手陣を中心にブルペンの補強を行った。ドジャースとの地区優勝争いに向け、抜かりはない。

 

【マチャド:ドジャース移籍後初本塁打】

 

このように日本人選手所属チームはエンゼルスをのぞき、今シーズンは勝負に出ている。各チームともにワールドシリーズ進出の可能性は大いにある。日本人選手たちの活躍とともに、所属チームの行方にも注目していきたい。

※数字は現地2018年8月6日終了時点