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大谷がホームランを放ったコーリー・クルーバーとは?

2018 4/5 16:27mono
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Ⓒゲッティイメージズ

メジャー本拠地初打席で挨拶代わりの本塁打

3月29日に行われたアスレチックスとの開幕戦において、初打席で安打を放った大谷。その3日後となる4月1日には初先発、初勝利をマークする衝撃的なスタートを切った。敵地での開幕4連戦を終え、ホームであるエンゼル・スタジアムに戻ってきたエンゼルス。大谷の本拠地デビューは、登板から中1日となった4月3日のインディアンス戦だった。

「8番・指名打者」としてスタメン起用されると、最初の打席は1回裏2死満塁で回ってきた。その打席で暴投があり2死二、三塁となった後の6球目で内角低めの変化球を捉え本塁打。本拠地初打席で鮮烈な一発を見せてくれた。また、メジャー初本塁打を放ったあとの「お約束」でもある儀式・サイレントトリートメントを受けた後にチームメートから祝福されている。試合後のインタビュー中には、バケツの水を大量に浴びる洗礼も受け本拠地デビュー戦は大盛り上がりとなった。

その大谷が本塁打を放ったインディアンスの投手であるジョシュ・トムリンは、2016年・2017年と2年連続2桁勝利を挙げていたものの、防御率は4.40、4.98。今シーズンも現時点でローテーションの5番手となっており、エース級ではなかった。


<大谷メジャー初ホームラン>


サイ・ヤング賞クルーバーからの一発

大谷の凄さは翌日(4月4日)にも表れた。0-2と2点ビハインドの5回裏2死二塁の場面。カウント1-1からインディアンス先発コーリー・クルーバーの3球目を強振すると2試合連続の本塁打となった。試合は振り出しに戻り、延長戦の後に3-2でエンゼルスが勝利している。


<大谷2試合連続ホームラン>


本塁打を放ったクルーバーは昨シーズン18勝をマークしており、2度目のサイ・ヤング賞を受賞したメジャーでも超一流の投手だ。前日のトムリンより格上とも言える投手からの一発だった。

クルーバーの凄さは奪三振率にも表れている。初めてサイ・ヤング賞を受賞した2014年に269奪三振(235.2回)で奪三振率10.27。その後も1回に1個を上回るペースで三振を奪い、昨シーズンはキャリアハイとなる奪三振率11.71を記録している。

昨シーズン、フォーシーム(ストレート)の平均球速は92.7マイル(約149.2キロ)とメジャーの中ではそこまで速くはない。しかしスライダー、カーブ、カッターといった球種を自在に操り、強打者たちから三振を奪っているのだ。

また、メジャーリーグは5人の先発投手で中4日が基本となるため、完投する投手は多くない。しかし、クルーバーは昨シーズンリーグトップとなる5完投を記録。さらにはこれもリーグトップの3完封をマークしている。まさに、エースとしてチームを地区優勝に導いた投手だ。 今シーズンも開幕投手として初戦の先発マウンドに登っている。


<クルーバー開幕戦>


このような超一流の投手から本塁打を放ったのは、大谷にとって自信になるだろう。そして、メジャーリーグの歴史においてもベーブ・ルース以来、現れなかった本格的な二刀流。そのベーブ・ルースも二刀流としての活躍期間は短く、すぐに野手へと転向している。さらには今から100年も前の時代の話でもある。現代において大谷が日本だけでなく、メジャーリーグにおいても二刀流の歴史を開拓するかもしれない。

※日付は現地時間