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【詳細解説!】ワシントン・ナショナルズの2016-2017年

2017 1/25 10:28
メジャーリーグ
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Photo by Rena Schild/Shutterstock.com

各国の名選手が集まる世界最高峰のアメリカのプロ野球、それがメジャーリーグベースボール(MLB)です。 30チームの中で近年旋風を起こしているのが、ナショナルリーグ東地区所属のワシントン・ナショナルズ。 強力投手陣で今季開幕前は優勝候補にも挙げられたこのチームの魅力に迫ります。

モントリオールからワシントンへ本拠地を移転して誕生

前身は1969年に創設されたモントリオール・エクスポズ。カナダ初のMLB球団でしたが、2005年からワシントンDCへ本拠地を移転。ワシントン・ナショナルズとして生まれ変わりました。
それから数年は年間100敗を喫するなど苦難の時を過ごしましたが、2012年・2014年には地区優勝を果たしたほか、2015年にFAで加入したマックス・シャーザーを中心としたリーグ最強とも呼べる投手陣を形成。野手陣の健闘も光り、悲願のリーグ優勝・ワールドシリーズ制覇に向けて、着実に歩みを進めています。

全米一の呼び声高い、完璧に近い投手陣

今シーズンは新監督としてダスティ・ベイカー氏を招聘。ナショナルリーグの最優秀監督賞を3度受賞した名将のもとで、チームは新たなスタートを切りました。
新監督も信頼できる能力の高い投手陣がナショナルズには揃っていました。マックス・シャーザー投手がシーズン20勝&284奪三振で投手部門2冠を達成したほか、タナー・ロアーク投手が16勝、ステファン・ストラスバーグ投手が15勝と勝算の高い先発ピッチャー陣がシーズンを通して活躍。リリーフ陣も大崩れすることなく勝ち星を拾い、リーグ優勝に大きく貢献しました。
チーム防御率3.51という数字は、ワールドシリーズを制覇したシカゴ・カブスに次ぐ30チーム中第2位となっています。

「投高打低」を払拭できなかった今シーズン

豪華な投手陣と比べると、打撃陣は課題の残る1年となりました。チーム平均打率は.256で全30チーム中17位、シーズンを通して安定した活躍ができる選手が少なかったことが、得点を含む成績の伸び悩みにつながりました。
そんなチームで獅子奮迅の活躍を見せたのが、二塁手のダニエル・マーフィー選手。142試合に出場して184安打・25本塁打を放ち、打率.342という立派な成績を残しました。31歳とキャリア円熟期を迎えており、来季も活躍が期待されています。

メジャーリーグの至宝、ブライス・ハーパーの復活に期待!

来シーズンのカギを握るプレーヤーとして支持されているのが、プライス・ハーパー選手(24歳)です。学生時代から注目を集め、2010年のMLBドラフトの全体1位指名でワシントン・ナショナルズに入団。2012年に19歳でメジャーデビューを飾ると、オールスターゲーム出場、リーグ新人王選出、満票でのリーグMVP獲得など、あらゆる記録を「史上最年少」で作り上げてきました。
2017年開催のWBCでもアメリカ代表に推す声も高く、まさにメジャーリーグの至宝と言ってもおかしくない選手です。今シーズンは打率が2割台と低迷しましたが、類まれな打撃センスと強肩を生かした守備は誰もが認めるところ。ナショナルズの飛躍には欠かせないマストピースです。

投打とも戦力は十分、目指すはディビジョンシリーズの先

万全とも言える実力を持つ先発ローテーションは来季も健在。19セーブを挙げたパペルボン投手や70試合に登板したゼプチンスキー投手が抜けましたが、今季途中加入のクローザーのマーク・メランコン投手が開幕からフル回転できるのは大きな魅力。故障さえなければシーズンを通して50セーブは計算できるため、ダスティ・ベイカー監督にとっては貴重な戦力となりそうです。
打者に目を向けると、前述のブライス・ハーパー選手の再起に期待がかかります。2015年に42本塁打を放った長打力は、チームにさらなる勝利をもたらすはずです。チームの難所となっているディビジョンシリーズ突破を果たし、リーグ制覇・ワールドシリーズ制覇を狙います。

まとめ

これまで、アメリカの首都・ワシントンDCの野球人気は、おとなりのボストン・レッドソックスや西海岸の各チームと比べると若干低いところがありました。 その中で、ナショナルズのここ数年の躍進は目を見張るものがあります。来シーズンの進化にも期待したいところです。