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センバツ優勝候補・星稜 “V未経県”石川へ初の大旗をもたらすか

2019 3/16 07:00SPAIA編集部
甲子園球場,Shutterstock.com
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福岡、千葉は意外にも春の優勝未経験

第91回選抜高校野球大会が3月23日に開幕する。最近は練習施設の充実やトレーニング方法の変化などによって地域格差がなくなりつつあるが、それでも91回の長い歴史で優勝経験のある都道府県は28。最多は大阪の11度、愛知の10度と続き、18位タイで茨城、栃木、長野、福井、三重、岡山、山口、長崎、大分、熊本、鹿児島の11県が1度で並ぶ。

優勝未経験の19県のうち、今大会に出場するのは8道県。夏の選手権では連覇した小倉(1947、48年)、三池工(1965年)、西日本短大付(1992年)の4度優勝を誇る福岡も、春は意外に優勝していない。また、習志野の2度(1967、75年)と銚子商(1974年)の計3度、夏の頂点に立っている千葉も春の頂点は未経験だ。

センバツ表,ⒸSPAIA

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今大会、日本地図の空白部分が新たに彩られる可能性がある。その筆頭候補は春夏通じて優勝未経験の石川・星稜だ。

エース右腕・奥川恭伸は183センチの長身から最速150キロの速球を投げ下ろす、プロ注目の本格派右腕。昨夏の甲子園でも注目されていたが、2回戦の済美戦で先発したものの途中降板し、チームもタイブレークの延長13回に逆転サヨナラ満塁ホームランを浴びて敗れた。

秋の北信越大会では準々決勝で10者連続三振を奪うなど、計33イニング自責点0の快投で優勝。明治神宮大会では決勝で札幌大谷に敗れたものの、1回戦では中国大会覇者の広陵から11三振を奪って9-0で7回コールド勝ちする強さを見せた。

星稜は1995年夏の準優勝が最高成績

星稜と言えば、1992年夏に5打席連続敬遠された松井秀喜が有名だが、他にも「史上最高の名勝負」とも言われる1979年夏の3回戦、箕島戦の延長18回サヨナラ負けや、1995年夏には左腕・山本省吾を擁して決勝進出しながら帝京に敗れるなど、数々の名勝負の末に悔し涙を流してきた。今大会で先輩たちの悔しさを晴らす可能性は十分にある。

エース・奥川以外にも甲子園で登板経験のある左腕・寺沢孝多や制球のいい荻原吟哉ら控え投手陣も充実。攻撃陣も2年生の4番・内山壮真の勝負強いバッティングが光る。

1回戦の相手は強豪・履正社。勝ち上がれば、同じく優勝未経験の千葉県から出場する習志野と日章学園の勝者と激突する。春夏合わせて32回目の甲子園で、石川県勢としても悲願の初優勝を狙う。

星稜成績表,ⒸSPAIA

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また、明治神宮大会優勝の札幌大谷も北海道勢初の紫紺の大旗を視界に捉える優勝候補の一角。1回戦は同じく優勝経験のない鳥取・米子東に決まった。

福岡県勢として初優勝を狙う神宮4強の筑陽学園は1回戦で福知山成美と対戦。他にもエース・及川雅貴の前評判が高い横浜、甲子園最多勝の名将・高嶋仁前監督から引き継いだ元阪神ドラフト1位・中谷仁監督が率いる智弁和歌山など、話題校は多い。

91回目の春はどんなドラマが待っているのか注目だ。