1月25日の選考委員会で全32校が決定
11月16日、来春に開催される第91回選抜高校野球大会(以下、春のセンバツ)の21世紀枠の各都府県の推薦校が出揃った。8地区(東北、関東・東京、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州)に北海道地区を加えた合計9地区から各1校を選び、12月14日に発表される。
選考会では、東日本(北海道、東北、関東・東京、東海、北信越)、西日本(近畿、中国、四国、九州)から各1校を選出し、2校を決定。残りの1校は地域を限定することなく選出される。そして、来年1月25日の選考委員会で一般選考28校と21世紀枠3校、明治神宮大会枠(札幌大谷)の合計32校が決定する。
今春のセンバツでは、由利工(秋田)、膳所(滋賀)、伊万里(佐賀)の3校が選出されたが、いずれも初戦敗退と白星を掴むことはできなかった。
21世紀枠の高校が最後に勝利を挙げたのは2017年の釜石(岩手)だが、釜石が勝利した相手校は同じく21世紀枠で出場していた小豆島(香川)。そのため、21世紀枠の出場校が同枠以外の高校に勝利したのは、二松学舎大付(東京)に勝利した2015年の松山東(愛媛)が最後となる。
Y校は22年ぶりの出場なるか
東日本の推薦校を見ると秋季県大会において優勝、もしくは準優勝している高校が合計5校(優勝1校、準優勝4校)推薦されている。
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県大会で好成績を残せるほどのチームは21世紀枠でなくとも出場できる可能性があるため、選ばれにくいのでは?と思われがちだが、そうとも限らない。実際に近年では2017年の伊万里が準優勝、2016年の中村(高知)、多治見(岐阜)が優勝した上で、21世紀枠に選出されている。
推薦校の中で注目したいのが横浜商業(神奈川)。かつては甲子園の常連で「Y校」の愛称でも親しまれていたが、近年は甲子園から遠ざかっており、1997年春のセンバツが直近の甲子園出場となっている。22年ぶりとなる聖地帰還となるだろうか。
また、長嶋茂雄終身名誉監督の母校でもある佐倉(千葉)も推薦されている。長嶋氏在籍当時から現在まで甲子園出場の経験がないため、初出場となるか注目だ。
津久見は春夏の甲子園で全国制覇経験あり
西日本推薦校の中で秋季県大会の優勝校は不在だが、準優勝校は5校推薦されている。
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この中では、全国高校野球選手権大会(以下、夏の選手権)で、第1回大会から出場を続けているレジェンド校の1つでもある米子東(鳥取)の名前が光る。
鳥取県2位で中国大会に出場し、決勝まで勝ち進んだ。決勝では広陵(広島)に敗れたものの、堂々の中国大会準優勝。このため、中国地区での選出が濃厚となり、21世紀枠として推薦される可能性は低そうだ。
春のセンバツ(1967年)に夏の選手権(1972年)と、2度の全国制覇を成し遂げている津久見(大分)も推薦された。全国制覇経験があることからわかる通り、かつては全国的な強豪校だった。だが、1988年夏の選手権が最後の甲子園出場となっており、31年ぶりの出場となるかに注目が集まっている。