近畿大会8強止まりで出場微妙
プロからドラフト指名された根尾昂、藤原恭大、横川凱、柿木蓮ら主力がごっそり抜けた大阪桐蔭。
新チームは秋季大阪大会決勝で履正社に敗れ、大阪2位で出場した近畿大会では準々決勝で智弁和歌山に屈した。
しかも敗れた智弁和歌山が準決勝で明石商にコールド負けしたため、来春の選抜大会出場は極めて微妙な状況だ。
近畿地区からは例年6校が選ばれるため、近畿大会で優勝した龍谷大平安、準優勝の明石商、準決勝で敗れた履正社、智弁和歌山は当確だろう。
問題は残りの2校。順当なら準々決勝で敗れた4校の中から選出されるだろうが、負け方や負けた相手、さらに地域性も選考材料になる。
市和歌山は優勝した平安に4-5と善戦しており、出場に最も近いとみられる。
報徳学園は準優勝の明石商に0-4で完封負け。福知山成美も履正社に0-5で完封負けと負け方がよくない。
大阪桐蔭は智弁和歌山に2-5だったが、その智弁和歌山が準決勝でコールド負けしたことはマイナス材料だろう。
地域性を考えると、1回戦敗退とはいえ、平安と3-4の接戦を演じた奈良の強豪、天理が浮上する可能性もある。
いずれにしても大阪桐蔭が当落線上に位置していることは確かで、選考委員会が開かれる来年1月にふたを開けてみるまで分からない。
翌春センバツ出場は7校中2校のみ
春夏連覇を達成した学校の新チームが苦戦するのは歴史が物語っている。
過去の7校中、翌春の選抜大会に出場したのは1999年の横浜と2013年の大阪桐蔭のみ。
あれほど強かった箕島やPL学園も、翌春は出場さえしていないのだ。
しかも出場した1999年の横浜は初戦敗退、現在は西武で活躍する森友哉が主将を務めた2013年の大阪桐蔭も3回戦敗退だった。
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春夏連覇するほどハイレベルなメンバー構成の中で、下級生がレギュラーを奪うのは至難の業。3年生が引退するまで、なかなか経験値を積めないまま新チーム結成を迎えてしまうので、前年度に比べるとどうしてもチーム力が落ちてしまうのだろう。
実際、大阪桐蔭の新チームでは1年生の西野力矢と船曳烈士がクリーンアップを任されており、秋季大阪大会で本塁打を放つなど注目を集めた。
入部して1年も経っていないのにレギュラーを張るということはかなりの逸材であることは間違いないが、裏を返せば2年生のレベルアップが追い付いていないとも言える。
ひと冬越してどこまで底上げできるか分からないが、選抜大会に出場できなければ元も子もない。
春夏春と春春春のダブル3連覇なら大偉業
来春の大阪桐蔭に注目が集まるのは、未来永劫破られることがないかも知れないほどの偉業がかかっているからだ。
2度目の春夏連覇も史上初だったが、春夏春の3連覇ならもちろん史上初。
さらに2017、18年の選抜大会を連覇しているため、春春春の3連覇も史上初となる。
それを同時に達成できるチャンスは、2019年春を逃すと二度と巡ってこないかもしれない。
長い高校野球の歴史でも、桐蔭以外で選抜大会を連覇したのは1929、30年の第一神港商と1981、82年のPL学園の2校のみ。
選抜大会3連覇だけでも不滅の金字塔と言えるが、さらにその上をいくダブルの勲章がかかっているだけに、来年1月の出場校発表に俄然、注目が集まる。