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根尾・大谷・野村・万波 甲子園100回大会は「二刀流ビッグ4」に注目

2018 8/1 07:00青木スラッガー
甲子園球場,ⒸSPAIA
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最注目!「二刀流プレーヤー」大阪桐蔭・根尾昂

昔のような「エースで4番」が少なくなった近年の高校野球。そんな時代に、記念すべき100回目の夏の甲子園が8月5日に開幕する。

  ドラフト候補選手にスポットを当てると、最注目はなんといっても強打の遊撃手として1位指名候補に挙がっている大阪桐蔭の根尾昂だろう。投手としてもセンバツでは最速148キロの速球と切れ味抜群のスライダーで打者を封じ、2年連続の胴上げ投手となった。大谷翔平と同じ「二刀流プレーヤー」を期待される選手だ。

今大会の地区予選でも、背番号「6」の根尾は5番打者として打率5割超えをマークするかたわら、準々決勝・金光大阪戦で1失点完投するなど、投手でもチームを甲子園に導く活躍を残した。将来は投手と打者のどちらかを選ぶのか、大谷のように二刀流で挑戦するのか楽しみだ。自身4度目の出場となる最後の甲子園、根尾が投打でどんなプレーを見せてくれるのか目が離せない。

中央学院の二刀流・大谷が甲子園に帰ってくる

秋にチームを関東大会優勝に導いた最速145キロ右腕。打者としても高校通算33本塁打を記録する左の主砲である。

「1番・投手」で出場したセンバツは、9回にサヨナラ本塁打を浴びて明徳義塾の前に初戦敗退。秋日本一のチームを追い詰めたが、甲子園初勝利は目前でするりとこぼれ落ちた。今大会はその雪辱を果たせるか。

大谷はセンバツ後の5月、登板した練習試合で頭部に打球を受けて頭蓋骨骨折などの重症を負い、約1か月チームから離れていた。地区大会開幕直前の復帰となり、西千葉大会は4回戦からの登場だったが、決勝で見事本塁打を放ち復活を果たしている。

昨夏V花咲徳栄の主砲・野村は絶対的エースとして再び甲子園に

昨年は2年生の主砲として、花咲徳栄を埼玉県勢夏の甲子園初優勝に貢献した野村佑希も、最高学年の今年は二刀流で甲子園に臨む。昨年の甲子園では2本塁打を放ち高校通算56本塁打という結果を残し、ドラフト候補最注目打者のひとりとして下級生のときから注目されていた。新チームになってからは最速146キロ右腕としても本格的に頭角を現している。

今大会の地区予選では5試合に登板。4回戦、準々決勝、決勝と3試合で完投勝利を飾った絶対的エースである。計31イニングで30奪三振、4失点と安定感抜群。夏開幕直前の練習試合では横浜相手に13奪三振の好投もあり、初めて背番号「1」を背負った春からメキメキと力を伸ばしている。

ただ、地区大会は投手でチームに大貢献した一方、ドラフト上位候補として注目される打撃は決勝戦までタイムリーが出ず少し苦しんだ。甲子園ではエースとして地区予選のような投球ともに、打撃復活にも期待したい。

「元・スーパー1年生」横浜の万波が完全復活

最後の注目二刀流プレーヤーは、横浜の万波中正だ。投げては最速147キロ、打っては1年夏に横浜スタジアムのバックスクリーンに放り込んだ怪物だ。

そんな「元・スーパー1年生」の万波だが、今大会地区予選の背番号は「13」。2年夏の甲子園後から伸び悩み、3年春はスタメン落ちを経験。今回も一次メンバー発表時には名前がなかったが、直前の登録変更でメンバー入りすると、打撃で大暴れを見せた。

打率5割超えを記録し、準々決勝、決勝と本塁打2本。1本目は1年時に打ったようなバックスクリーン弾で、2本目は左翼席に130メートルの特大弾。「パワーは高校生トップ」と言われながら、打撃不振という長いトンネルを経験し、最後の夏に完全復活を果たした。

現時点で「二刀流ビッグ4」と言われている根尾、大谷、野村、万波だが、まだまだ未完成な部分もあり、どちらかといえばドラフト候補「素材型」として評価されている大器だ。今後甲子園に向け、限られた時間で投打両方の練習をしなければならない。未知の可能性は記念すべき100回目の夏の甲子園で爆発するのか、彼らのプレーに注目だ。