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かみじょうたけしの高校野球大好きトーーク!②  「人間力の向上が高校野球の素晴らしさ」

2018 7/27 12:05SPAIA編集部
かみじょうたけし,高校野球,ⒸSPAIA
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アメトーーク!などでお馴染みの高校野球芸人かみじょうたけしさんと、リトルリーグから高校まで球児として過ごしてきた株式会社グラッドキューブ代表取締役CEOの金島弘樹が対談。全4回でお届けします。



《対談シリーズ》かみじょうたけしの高校野球大好きトーーク!①「高校野球にハマったきっかけ」

いまと昔で変わった高校野球界の上下関係

金島弘樹(以下、金島):高校野球も最近どんどん進化してきて、テレビでもよくあのシーン凄いなとかあるかと思うんです。140キロ台も普通に投げますし、ホームランもバンバン打ちますけど、見ていて面白さとか、見るポイントとか変わりましたか?

かみじょうたけし(以下、かみじょう):昔やったら泣いて、土(持って帰る)って感じでしたけど、最近の高校生って、9回2アウトになっても、結構すっきりしてますよね。笑ってたり。もうやりきってるからええやん!って感じ。 

金島:僕めっちゃびっくりしたのが、楽天にいる左の抑えの松井裕樹が投げている時に、先輩がキャッチャーで三振めっちゃとってたじゃないですか。2年の夏。その先輩の頭を松井がポンと叩いたのを見てびっくりしました。えっ!?って。僕の時代ならあり得ない。そういうのを見てたらだいぶ高校野球も変わったんだなあと。

かみじょう:確かにそうですよね。強豪校でもゆるくなってる高校とかもありますね。智辯和歌山とかも、人数が少ないから、片づけを全部1年がやれとなったら、足りないんですよね。1年が入らんと練習もできへんから。1学年10人ちょっとですから。田舎っていうのもあって、上下関係はあるんでしょうけど。
野球もやっぱり進化していってるし、その中でコミュニケーションも昭和の感じでは、今の子たちには合わないからっていうのもあって、それで指導法とかも変わってきてると思うんです。

金島:なるほど。

かみじょう:いい部分で言うと、コミュニケーション力が高くなったと思いますね。昔やったら、先輩には、「はい」か「いいえ」しかなかったですから。「先輩、僕はこう思ってるんです。どうでしょうか」とか言ったら、昔やったら「おまえなめとんか!」となったのに。笑

グラッドキューブ,金島弘樹,高校野球

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高校野球を通しての人間力の向上

かみじょう:今、一番高校野球で素晴らしいなって思うのは、速い球投げるとか遠くに飛ばすんじゃなくて、「高校野球を通しての人間力の向上」ですね。
地方大会は負けたら、球場の外で引退式とかやるんですよ。その時に、キャプテンがわんわん泣きながら「お母さんありがとう」って。僕はそれを聞くのが好きで、何の縁もゆかりもない高校の父兄のところに僕混じって聞いてるんですけどね。笑

そのときにおもしろいのが、普段めっちゃ怖い先輩が号泣してるのを見て1年生は引いとるんすよ。「泣きすぎやろ、あの人」みたいな。笑 1年生は2、3年生とちょっと雰囲気が違うんですけど、その子たちも2年半野球やると、その号泣していた3年生と同じことをするんですよね。最後負けた後、わんわん泣いて、お父さんお母さんと抱き合って。

その期間だけでとんでもない人間力の向上やと思うんですよね。親への感謝の気持ちって、若いときはなかなか表現できない。僕が高校の時は素直に「お父さんありがとう」なんて恥ずかしくて言えんかったすよ。それを高校球児はみんな、やるんですよね。

自分も子供できて、有り難さというのがわかって親のありがたみがわかるのってこの歳ですよね、普通。ちょっとしたことで「おかんいつもありがとうな」とか。こんなおっさんになってやっとですよ。

それをなんかね、堂々と言える高校球児が眩しくてね。それってやっぱ、2年半俺はやり切ったことを振り返るきっかけで、周りへの感謝の気持ちがムワーッと自然に湧いてくるんやと思うんですよね。なんかそこまで達することができる高校野球って、凄いなって思います。

かみじょうたけし,甲子園

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イチローさんだって甲子園を目指してたはず

金島:僕もリトルやってシニア行って、高校までやってたんですけど、シニアで泣くやつは少なかったですね。最後の大会とかでも。大体スカウト来たり、セレクションやったりして、もう次は高校でやることが決まっているので、高校なって初めて野球で泣くのかもしれませんね。

かみじょう:やっぱり日本でやってる高校球児というか野球を始める一番のきっかけって、甲子園出場なんですよね。
「俺は中学からメジャー目指してた」とか言う人いますけど、例えば、イチローさんってあんな成功して凄いですし、プロの向こう見てたとか色々聞きますけど、日本で野球やってたんだから、やっぱり甲子園目指してたと思うんですよ。
そこ(高校野球)でやめる人が一番多いですもん。一区切りついて次のステージへ、というのか。

金島:僕もその1人やったんですが、最後の夏の1回戦が大阪桐蔭やったんですよ。抽選が終わって、キャプテンが帰ってきたら、「おっしゃ、やったぞー!」言うので、「あ、弱いところ当たったんやー、おっしゃおっしゃ」思うたら、「大阪桐蔭!」「はーん!?おい!!」言うて。笑

で、試合が始まったら点数ボロボロに入れられた後に、7番か8番バッターにポン!打たれたんですよ。レフトフライや思たら、ずーっと球が落ちてけえへんのですよ。8番くらいにスタンドの中段くらいに運ばれて。それに比べてうちの8番なんてガリガリでしたからね。あんなん絶対飛べへんでって。笑 結局、ノーヒットノーランで負けました。本気とか本気じゃないとかそんなレベルじゃなかった。最後にやれてよかった大阪桐蔭と、っていう感じでしたね。

かみじょう:勝っても負けてもいい経験やないですか。いつまで辛い練習に耐えながら野球を続けるかは人それぞれですけど、人間形成されていく時代ならではの高校野球、なにか得るものがあるまで続けてほしいって僕は思いますね。


〜 第3弾「野球の技術的なことは言いたくない」に続く

かみじょうたけし,甲子園

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