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根尾、小園をはじめ遊撃手が豊作 2018年注目の高校生内野手たち

2018 7/13 07:00青木スラッガー
根尾昂選手,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

豊作の高校生遊撃手 根尾・小園はドラ1候補に

2018年ドラフト候補の高校生は遊撃手が豊作だ。根尾昂(大阪桐蔭)、小園海斗(報徳学園)と関西には1位指名候補が並び立ち、その他にも全国で好プレーヤーがしのぎを削っている。次世代の内野手を補強したい球団にはチャンスの年となるのは間違いない。二塁手、三塁手へもコンバートしやすく需要が高い遊撃手を中心に、注目の高校生内野手たちを見ていく。

遊撃手で最注目は、投手としても活躍し二刀流で注目される根尾だ。打撃面では先輩の森友哉(現西武)顔負けのフルスイングが特徴で、その上で高打率を残せる対応力の高さが光る。遊撃守備は、一言で表すと「野性的」。三遊間や難しい体勢からの突き刺すような送球は素晴らしく、最速148キロを投げる強肩が活かされている。しかも2年生までは投手のほか外野手も兼任していて、遊撃守備はまだまだ成長中と、将来性は計り知れない。

そんな大器を感じさせる根尾に対して、ある程度完成された遊撃手が小園だ。どんな選手なのか説明することが難しいが、走攻守のすべてが高校トップレベルで揃っていて「ここが特にすごい」「ここは課題だ」といった部分がない。名門で1年からレギュラーを張る遊撃守備の安定感は根尾よりも上だ。打撃は一見すると安打製造機タイプだが、3年春の兵庫県大会終了までに高校通算29本塁打を放っており長打力もある。立浪和義以来の「高卒即戦力遊撃手」としての活躍を期待したくなるプレーヤーだ。

太田・増田・日置など……そのほか注目の遊撃手たち

根尾・小園の他で攻守総合的にバランスの取れた遊撃手としては、太田椋(天理)がドラフト候補筆頭に挙がる。元近鉄内野手の太田暁オリックス打撃投手を父に持つ右の強打者。右打ちの遊撃手では今年一番の選手だろう。センバツで左翼席に一発放り込んだ日置航(日大三)も、パンチ力があって守備の良い右の大型遊撃手だ。左打者では、小幡竜平(延岡学園)が癖のないシュアな打撃と遠投110メートルの強肩で攻守に評価が高い。

打力が売りの遊撃手としては、右打者の増田陸(明秀日立)がパワフルなスイングを見せる。足を高く上げて踏み込む思い切りの良い打撃が持ち味。センバツでは左手を痛めながら、3試合で左翼に長打3本を放って長打力をアピールした。左打者では杉澤龍(東北)が高校通算40本超え。6月の東北大会で1試合3本塁打、大会合計4本塁打と夏に向けて調子を上げてきている。

守備で魅せるのは、2年夏の甲子園で好プレーを連発した田中幹也(東海大菅生)だ。抜群のグラブさばきや華麗なジャンピングスロー、ヒット性の当たりを平然とアウトにしてしまうポジショニングセンスの良さで「忍者」の異名をとる名手である。センバツ準々決勝で先頭打者本塁打を放った小松勇輝(東海大相模)も動きが素早く、ジャンピングスローなどアグレッシブなフィールディングを見せた。

三塁手の林・濱田 長打力ピカイチの左右の大砲

三塁手では林晃汰(智辯和歌山)、濱田太貴(明豊)が高校通算40本塁打超えの注目スラッガーだ。左の林は柔らかくスケールの大きい打撃で、ドラフト上位候補にも入ってくる。甲子園で中堅から左方向への本塁打を2本打っており、逆方向への長打力が持ち味だ。右の濱田は2年夏の甲子園で15打数9安打、2本塁打と大当たりした。すり足で体重移動が少ないフォームでも飛ばせるパワーがあり、上のレベルでの適応能力が高そうだ。

大阪桐蔭で根尾の左右を守る内野手2人もドラフト候補である。主将で三塁手の中川卓也は強打者揃いの打線で3番を任され、守備では根尾登板時に遊撃手も守る。二塁手の山田は甲子園で本塁打を2本打っている右の強打者。身長183センチと、プロでもなかなかいないサイズの大型二塁手だ。

これだけ遊撃手を中心に内野に良い選手が多いと、プロ球団としてはありがたいが、プロ入りを目指す選手からすれば競争相手が多く大変な年でもある。最後の夏、どれだけの内野手がインパクトを残し、プロ野球の門戸を叩くことになるだろうか。根尾・小園はプロ志望届を出せば指名は間違いないだろうが、その他の内野手たちの躍進も期待したい。