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【2017夏の甲子園】中国・四国地区出場校レビュー

2017 8/2 16:06cut
高校野球
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岡山県:おかやま山陽高校(初出場)

岡山県は、おかやま山陽高校が春夏通じて初の甲子園出場を決めた。同校は女子プロゴルファーの諸見里しのぶ選手が卒業し、後にスポーツ界で活躍している。
岡山県大会決勝の創志学園戦は、雷雨のために延長10回8-8の再試合となったが翌日は9-2で快勝。1試合目は8回表終了時点で1-6のビハインドから6点を奪い粘りを見せた。
再試合では前日の試合において5回5失点で降板していた大江海成選手が、8回までノーヒットノーランと圧巻の投球。しかし、足の不安があり8回裏の攻撃で代打を送られ降板している。甲子園の大舞台でも同じように快投を期待したい。

広島県:広陵高校(3年ぶり22回目)

広島の名門校・広陵高校が3年ぶりに夏の選手権へ戻ってきた。ここ数年は広島新庄高校らに県代表を譲っていたが、今大会では決勝において9-5で勝利。みごと22回目の甲子園切符を手に入れている。
今チームはプロ注目である平元銀治郎選手、中村奨成選手のバッテリーが中心で、エースの平元選手は、左腕から最速146キロのストレートとスライダーを武器とする本格派だ。チームを率いる中井哲之監督も、同校OBである有原航平選手(日本ハム)、野村祐輔選手(広島)、吉川光夫選手(巨人)らプロの世界でも活躍する選手達と並ぶ逸材として評価されており、注目を集めている。
また、中村捕手も小林誠司捕手(巨人)を超えると同監督は話しており、すでに複数の球団が視察済みだ。甲子園でプロ注目バッテリーの躍動に期待したい。

鳥取県:米子松蔭高校(17年ぶり3回目)

鳥取県の代表は、17年ぶり3回目の出場となる米子松蔭高校となった。昨夏は鳥取県大会決勝で涙をのんでおり、雪辱を果たした。優勝候補でもあった鳥取城北高校を2回戦で下し、その勢いのまま勝ち進み、見事甲子園切符を手に入れている。2001年に米子商業高校から現校名へと学校名が変わってからは、初の甲子園出場だ。
またチームを率いる笠尾幸広監督は、米子商業高校時代の1988年に甲子園初出場を果たしているため、監督としても甲子園出場を果たしたことになる。初出場時には記念すべき1勝をマークしており、それ以来同校の勝利はなく、29年ぶりとなる甲子園勝利を目指す。

島根県:開星高校(3年ぶり10回目)

島根県は、3年ぶり10回目の出場となる開星高校が甲子園切符を手に入れた。物議を醸す発言などで知られ、名物監督であった野々村直通監督が退任後2度目の出場となる。同監督が退任後は甲子園での勝利はなく、新体制での初勝利が望まれている。
今回の開星高校は鳥取県大会でノーシードからの出場だった。しかし、立正大淞南高校、浜田高校、益田東高校といった過去の甲子園出場校を次々に撃破。エースの中村優真選手は2年生とまだ伸びしろもある。甲子園でもダークホースとして勝ち上がっていきたい。

山口県:下関国際高校(初出場)

山口県は下関国際高校が春夏を通じて初の甲子園出場を手に入れた。準々決勝では昨夏の代表校である高川学園高校、準決勝では古豪・宇部商業高校を撃破。決勝では春のセンバツにも出場を果たした宇部鴻城高校を4-3で破っている。
チームの中心は、エースであり主将でもある植野翔仁選手だ。ここまで背番号「10」だったが、決勝の先発を任され9回3失点、被安打10、奪三振6の完投勝利。打っても2安打と投打で気を吐いた。甲子園では背番号「1」を背負うことが濃厚で、真のエースとして記念すべき同校初勝利を目指す。

香川県:三本松高校(24年ぶり3回目)

24年ぶり3回目の甲子園出場となった香川県代表の三本松高校。春季香川県大会を制した勢いで、夏も頂点に立った。同校は過去春1回、夏2回の甲子園出場を誇っているが、白星はなく3戦全敗だ。今大会で甲子園初勝利を目指す。
チームの鍵を握るのは、エースの佐藤圭悟選手と捕手を務める渡邉裕貴選手のバッテリーだ。佐藤選手は174センチと大きくはないが、最速140キロ台中盤のストレートにチェンジアップ、スライダーといった変化球を武器とする。渡邉捕手は、決勝で丸亀城西高校を1失点に抑える好リードだけではなく、4安打と打棒も爆発。甲子園の舞台でも攻守にわたり佐藤選手を援護していく。

徳島県:鳴門渦潮高校(9年ぶり7回目)

徳島県を制したのは、9年ぶり7回目の出場となる鳴門渦潮高校だった。同校は、鳴門工業高校と鳴門第一高校が合併して2012年に新設された学校となっており、鳴門渦潮高校としては初の甲子園となった。今大会で、鳴門渦潮高校としての初勝利を目指す。
徳島県大会決勝ではプロ注目でもある、150キロ右腕の森井紘斗選手がエースとして君臨する板野高校と対戦。しかし、序盤から森井選手を攻略し6-0で勝利した。注目が集まるのは1番・中堅を任される豊久雄友選手だ。50メートル6秒を切る俊足、そして巧打でリードオフマンの役割を果たしている。決勝の板野高校戦でも4打数2安打2打点と活躍。切り込み隊長としてチームを引っ張っていく。

愛媛県:済美高校(4年ぶり5回目)

春のセンバツ優勝経験もある済美高校が、4年ぶり5回目となる夏の選手権出場を果たした。前回出場時は安樂智大選手(現楽天)がエースとして君臨するも3回戦敗退。2004年以来の決勝進出、そして優勝を目指す。
愛媛県予選では準決勝で、昨夏の選手権出場校である松山聖陵高校、決勝では今春のセンバツを果たした帝京第五高校に勝利し、今チームの強さを見せた。
注目されるのはエースの八塚凌二選手だ。故障の影響もあり、2年時までは外野手としての起用も多かった八塚選手だが、新チーム後は投手として活躍。エース、主将、4番とまさに大黒柱。安樂選手が果たせなかった全国制覇を果たしたい。