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高校野球選抜2017、激戦を勝ち抜いたベスト8の一角、東海大福岡

2017 5/15 09:56hiiragi
野球
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32年ぶりの甲子園出場となった東海大福岡をご存知だろうか、あの清宮幸太郎選手擁する早稲田実に打ち勝ったチームだ。準々決勝では優勝した大阪桐蔭に惜しくも敗れた。ここでは、東海大福岡の地区予選や、甲子園での戦いの跡を振り返ると共に、夏の展望にも触れてみたいと思う。

勝負強さで勝ち取った甲子園の切符

東海大学付属福岡高等学校は、1966年の開校で野球部は1971年に創部された。甲子園には1985年の選抜大会に出場して2回戦まで進んだ。しかし夏の甲子園には出場経験がなく、2017年選抜大会が甲子園32年ぶり2回目の出場となった。
東海大福岡は福岡県2位の資格で九州大会に出場して、決勝まで進出、福岡県1位の福岡大大濠に破れるが、九州地区2位の実績と、準決勝までの3試合を全て1点差で勝ち上がった勝負強さが認められて、晴れて甲子園の切符を手に入れた。

薄氷の勝利、1回戦近畿代表兵庫県の神戸国際大学附属高等学校戦

1回戦の対戦相手は、近畿代表兵庫県の神戸国際大学附属高等学校だった。神戸国際大付は7年ぶり4度目の出場だが、強豪ひしめく近畿大会で準優勝の実力校だ。
試合は、神戸国際大付が黒田倭人(くろだ やまと)投手、東海大福岡は安田大将(やすだ だいすけ)投手の先発で始まった。2回の表神戸国際大付に1点先取されるが、3回裏には1点を返し、投手戦に入る。9回表も0点に抑え1対1のまま9回裏の攻撃は、一死一二塁からショートゴロで併殺延長かと思われた。
ところが、一塁送球が悪送球となり、二塁走者がホームに入り2対1でサヨナラ勝ちを収め、2回戦進出を決めた。

優勝候補に打ち勝った2回戦、東京代表早稲田大学系属早稲田実業学校戦

2回戦の対戦相手は、早稲田大学系属早稲田実業学校だった。早稲田実は超高校生打者、清宮幸太郎選手を擁し、優勝候補に名前を連ねる強敵だ。
試合は早稲田実が服部雅生(はっとり まさき)投手、東海大福岡は安田投手の先発で始まった。3回表1点を先制されるが、その裏には3点を挙げ逆転に成功する。そして4回に1点、6回には5点を追加して、9対1と試合を決めたかに思われた。
しかし、早稲田実の追い上げもすさまじく、7回8回で4点を挙げ、9対5と4点差まで迫られる。それでも8回の裏に2点を追加して、11対5とすると9回の猛攻を3点に抑え、11対8でベスト8に進出した。

惜しくも敗れた準々決勝、近畿代表大阪桐蔭高等学校戦

準々決勝の対戦相手は、近畿代表大阪桐蔭高等学校だった。大阪桐蔭は大阪大会3位、近畿大会ベスト4で、戦前の予想では優勝候補2番手グループの評価だった。
試合は東海大福岡が安田投手、大阪桐蔭は徳山壮磨投手の先発で始まった。前半はそれぞれ三塁まで走者を進めたが、得点できない。5回裏大阪桐蔭に1点を先取され、7回には2点を追加され3点差をつけられる。それでも、8回に2点を返し、2対3と1点差まで詰め寄った。しかし反撃もここまで、8回にもう1点追加を許し、2対4でベスト8敗退となった。

選抜で自信をつけて、期待が持てる夏の甲子園

東海大福岡は、32年ぶりの甲子園出場ながら、福岡大会準優勝、九州大会でも準優勝と申し分のない成績で、甲子園の切符をつかんだ。
エースの安田投手は、丁寧な投球が持ち味のサイドスローで、大崩れがない。さすがに早稲田実には8点献上したが、神戸国際大付を1点に抑えた投球は見事だった。打線も1点差勝ちの粘りの打線から、早稲田実戦の6回に見せた、6長短打を集中して一挙5点を奪った攻撃で自信が付いた。夏の甲子園でも活躍が期待できそうだ。

まとめ

2017年選抜甲子園大会に32年ぶりに出場して、ベスト8まで進出した東海大福岡の甲子園への道のり、甲子園での戦いぶりをハイライトで紹介した。夏の甲子園で本大会に出場するには、福岡県の強敵、福岡大大濠に勝つ必要がある。2016年は県大会、地区大会共に敗れているが、甲子園でつけた自信を持って戦えば、道は開けるかもしれない。