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2017春の選抜高校野球出場校レビュー~近畿~

2017 2/14 09:57cut
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履正社高校(大阪府/3年ぶり7回目)

昨秋の近畿大会そして明治神宮大会を制した履正社高校(大阪府)が3年ぶり7回目となる選抜甲子園出場を決めました。昨夏の甲子園では寺島成輝選手(ヤクルト・ドラフト1位)を擁したものの3回戦敗退。今大会は2014年春の選抜準優勝を超える成績を目指します。

エース寺島選手が中心だった旧チームと比べると現在のチームは投手の武田祐選手、清宮幸太郎選手(早稲田実業)と並ぶびドラフト候補となっているスラッガーの安田尚憲選手、秋の公式戦でチーム最高打率となる.452をマークした主将の若林将平選手と軸が増えています。圧倒的な存在感をもった寺島選手には劣りますが総合力で勝負します。

注目選手は3番三塁を任されている安田尚憲選手です。清宮選手と並ぶ超高校級スラッガーで『西の横綱』とも称され期待がかかります。明治神宮大会では清宮選手の前で本塁打を放つなど『持っています』。甲子園の舞台でのアーチ量産に期待です。

神戸国際大附属高校(兵庫県/7年ぶり4回目)

秋の兵庫県大会を制し、近畿大会で準優勝を果たした神戸国際大付属高校(兵庫県)が7年ぶり4回目の選抜甲子園出場を決めました。兵庫県大会では僅差で競り勝ってきており、粘りが持ち味です。

県大会決勝の報徳学園高校戦では1点を先制されますが中盤に追いつき、終盤の8回裏に逆転勝ち。一転、近畿大会では初戦で近江高校(滋賀県)を9-0、上宮太子高校(大阪府)を11-3と2試合連続で大差コールド勝ちを収めました。準決勝では大阪桐蔭高校(大阪府)を9回表に1点ビハインドから逆転し5-3で勝利。大量得点が奪えなくても粘りで逆転する戦いを見せています。

注目となるのは4番捕手の猪田和希選手です。猪田選手は超高校級の捕手としてドラフト候補にも挙がっており、秋の公式戦では打率.475、4本塁打の活躍。『打てる捕手』として期待がかかります。

大阪桐蔭高校(大阪府/3年連続9回目)

名門・大阪桐蔭高校(大阪府)は3年連続9回目の選抜甲子園出場を果たしました。今大会の連続出場校では大阪桐蔭の3年連続が最長記録となっています。秋季大阪府大会では準決勝で履正社高校に敗れ3位決定戦に回りますが、3位決定戦では初芝立命館高校に12-5と圧勝。大阪3位で近畿大会へと出場を果たしました。

近畿大会では2014年春の選抜優勝校である龍谷大平安高校(京都府)を7-0で下し、2戦目では2016年の覇者である智弁学園高校(奈良県)を6-4で撃破。準決勝に駒を進めます。準決勝の神戸国際大付属高校(兵庫県)戦では9回までリードしていたものの3点を奪われ逆転負け。春の選抜で雪辱を果たしたいところです。

注目選手は根尾昂選手です。スーパー1年生として入学当時から噂になっていた根尾選手。投手、右翼手として試合に出場する『二刀流』です。打順の固定がされてこなかった秋の公式戦ですが、根尾選手は4番打者として出場濃厚です。スーパー一年生が1年経ってどのように成長したのか注目です。

滋賀学園高校(滋賀県/2年連続2回目)

滋賀学園高校(滋賀県)が2年連続2回目の選抜甲子園出場を果たしました。昨年のチームからメンバーは変わりましたが、バッテリーは不変です。エースの神村月光選手、守備の要となる後藤克基選手が旧チームから残っており核ができています。

チームを率いる山口達也監督は『7点打線』を目標に掲げており、相手チームにかかわらず7点取る野球を行います。秋季滋賀県大会では5試合で39得点を挙げ平均得点は7.8点となり公約を果たしました。近畿大会では智弁和歌山高校(和歌山県)との試合で13-6と圧倒したものの準々決勝では1-0、準決勝では3-6と7点を奪うことができませんでした。甲子園でも『7点打線』が火を噴くのか期待が高まります。

注目選手は捕手の後藤克基選手です。昨年から3番捕手としてチームを引っ張り、最高学年になっても変わらずチームを支えています。秋の公式戦ではチームトップの打率.452をマーク。172センチと小柄ながらパンチ力もありドラフト候補生としても期待されています。

智弁学園高校(奈良県/2年連続11回目)

昨春の選抜甲子園を制した智弁学園高校(奈良県)が2年連続11回目の出場を果たしました。秋季奈良県大会では決勝の高田商業高校戦こそ5-4と接戦になりましたが、その他の4試合は危なげなく試合を制し近畿大会へと駒を進めます。近畿大会では大阪桐蔭高校(大阪府)と準々決勝で対戦。2回までに4点のビハインドと苦しみますが、最後まで諦めず4-6まで持ち込みます。敗れはしたものの一方的な展開ではなく次に繋がる敗戦となりました。

今大会の注目選手は昨年から中心選手として活躍している太田英毅選手、福元悠真選手です。太田選手は昨年夏の甲子園選手権大会でも本塁打を放っており夏春連続でのアーチに期待がかかります。福元選手は主将としてチームを引っ張り、秋の公式戦では旧チームの4番から1番へ打順を変更し7試合で打率.500、2本塁打とリードオフマンとしての役割を果たしました。甲子園でも福元選手が塁に出て太田選手が還すシーンに期待です。

報徳学園高校(兵庫県/3年ぶり21回目)

2度の選抜制覇を誇る報徳学園高校(兵庫県)が3年ぶり21回目の出場を果たしました。秋の兵庫県大会では圧倒的な強さはないものの試合巧者ぶりを発揮し決勝進出。決勝では先制点を挙げますが神戸国際大付属高校に逆転され1-2と敗退。兵庫2位で近畿大会に臨みます。

近畿大会では東山高校(京都府)との乱打戦を9-7で制し勢いに乗りました。しかし、2戦目の滋賀学園高校(滋賀県)戦では一発に泣き0-1で敗戦。ベスト8に終わってしまいます。指揮を執る永田裕治監督が選抜終了後に勇退を表明しており最後の戦いに華を添えたいところです。 注目となるのは今年2年生となり、中学時代にU-15日本代表にも選ばれ世界大会で優勝の経験もある小園海斗選手です。小園選手は旧チームから1番打者でスタメン出場をしており、今大会でも切り込み隊長としての役割が期待されます。

高田商業高校(奈良県/23年ぶり3回目)

昨シーズンをもって現役を引退した『永遠番長』こと三浦大輔選手の母校、高田商業高校(奈良県)が23年ぶり3回目の選抜甲子園出場を果たしました。甲子園常連校ではありませんが、粘り強い戦いで秋の奈良県大会で決勝まで勝ち進みます。

決勝の智弁学園高校戦では7回表まで4-1と3点のリードを奪い優勝まで後一歩に迫りました。最後は昨春の選抜覇者である智辯学園に4-5と屈しますが大健闘をしたたのです。近畿大会では延長13回9-8のサヨナラで和歌山東高校(和歌山県)を下し準々決勝に進出。履正社高校(大阪府)には0-7と完敗しますが、堂々の近畿ベスト8です。

注目選手は高鉾颯馬選手です。5番左翼で出場した秋の公式戦では8試合で打率.440、1本塁打、8打点と結果を残します。練習試合を含めるとチーム最多となる3本塁打を放つなど長打力が魅力です。甲子園の舞台でもアーチに期待がかかります。