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2017春の選抜高校野球出場校レビュー~東海・北信越~

2017 2/14 09:57cut
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静岡高校(静岡県/2年ぶり16回目)

静岡高校(静岡県)が2年ぶり16回目の選抜甲子園出場を果たしました。静岡は昨夏の甲子園静岡県予選においてベスト16で敗退しておりリベンジを果たすことに成功したのです。
新チームになってから臨んだ秋季静岡県大会で3位に入り東海大会に挑みます。東海大会では初戦の桜丘高校(愛知県)を4-1でくだし2回戦の海星高校(三重県)は8-1で8回コールド。準決勝でも三重高校(三重県)を9-2とコールドで下します。決勝では至学館高校(愛知県)相手に5-1と東海大会は危なげなく勝ち抜きました。静岡県3位ながら東海大会を制したのです。
この時点で選抜切符をほぼ確実にした静岡は東海王者として明治神宮大会に望みます。初戦の相手は清宮幸太郎選手を擁する早稲田実業学校(東京都)でした。1回表に先制するも直後に追いつかれ3回には逆転を許します。4回表に追いつきますが終盤に突き放され3-5で敗れてしまいます。この試合で清宮選手には3打数2安打と打ち込まれてしまいました。春の選抜ではリベンジを期待します。

静岡の注目選手はエースの池谷蒼大選手です。池谷選手は最速144キロを誇るプロ注目の左腕で東海大会では4試合に投げ33奪三振、4四球と抜群の制球力を見せてくれました。173センチと決して大きくない身体ですがストレートには威力があり変化球のキレも抜群です。成長途上ということまり春の選抜では球速アップも期待されています。

至学館高校(愛知県/初出場)

至学館高校が春の選抜初出場を果たしました。至学館はレスリングが有名でオリンピック選手である伊調馨選手、登坂絵莉選手、土性沙羅選手らを輩出しています。
春の選抜は初出場ですが、夏の甲子園選手権大会は2011年に1度出場しており、甲子園は通算2回目の出場となります。愛知県は全国的にも強豪校と呼ばれている東邦高校、愛工大名電高校、中京大中京高校が抜けた強さを誇り甲子園出場は至難の業です。その愛知県秋季大会で至学館高校は決勝トーナメント初戦で愛工大名電にサヨナラ勝ち。3回戦準々決勝も続けてサヨナラ勝ちを収め4試合で3度のサヨナラ勝ちを収める奇跡を起こしていました。準決勝で桜丘高校に0-2で敗れたものの3位決定戦では享栄高校をまたしてもサヨナラ勝ちで下し愛知県3位で東海大会に出場します。

東海大会では初戦の菰野高校(三重県)戦こそ9-0と7回コールド勝ちを収めますが2回戦の多治見高校(岐阜)戦は2-1の辛勝。準決勝の中京大中京戦は9回裏2点ビハインドであと1人のところまで追い詰められました。しかし、ここから3点を奪いまたしてもサヨナラ勝ちを収めたのです。愛知県大会でミラクルを起こした至学館は東海大会でも奇跡を起こしました。決勝は静岡高校(静岡県)に1-5と力負けしますが立派な東海2位の座を勝ち取ったのです。

至学館の注目選手は新美涼介選手です。新美選手はリリーフとして登板することが殆どで東海大会では4試合に登板します。12回を投げ1失点と好投。エースの川口龍一選手を好救援で助けます。川口選手が左のサイドスローで新美選手がオーソドックスの右投手ということもあり相手チームが対策を取りにくいのかもしれません。 甲子園でも左右の継投に要注目です。

福井工大福井高校(福井県/2年連続5回目)

福井工大福井高校(福井県)は2016年に続いて2年連続の選抜甲子園出場となりました。秋季福井県大会では準決勝で福井商業高校に8-10と乱打戦の末に敗退したものの3位決定戦で羽水高校に10-1と大勝するなど得点力は凄まじいものがあります。大須賀康浩監督も語るように今年は「打」のチームです。
県大会5試合で46得点を奪った攻撃力は北信越大会でも健在。初戦の上田西高校(長野県)戦こそ3-2のロースコアでしたが富山東高校(富山県)戦は11-1、日本航空石川高校(石川県)戦は10-8と決勝まで各チームに打ち勝ってきたのです。

決勝戦の高岡商業高校(富山県)戦でも3回までに5点のリードを奪うなど攻撃力で圧倒。7-1で勝利し41年ぶりに秋季北信越大会を制しました。北信越大会の4試合で31は31点を奪った福井工大福井は県大会と合わせ9試合で77得点と1試合平均8.6点を奪っているのです。 圧倒的な攻撃力を持って出場した明治神宮大会では初戦で履正社高校(大阪府)と対戦します。全国屈指の強豪校相手に自慢の打線は爆発しませんでしたが3-4と健闘。春の選抜でのリベンジを誓います。

福井工大福井の注目選手は山岸旭選手です。山岸選手は北信越大会準々決勝の富山東高校戦で5回コールドながら4打席でサイクル安打を達成したのです。秋の北信越大会におけるサイクル安打は50年ぶりとのことで一躍注目されました。明治神宮大会でも安打を放っており次は甲子園の舞台で安打を打つことに期待です。

高岡商業高校(富山県/7年ぶり5回目)

高岡商業高校(富山県)は7年ぶり5回目となる春の選抜甲子園出場を決めました。高岡商業は県内屈指の強豪校で夏の甲子園選手権大会には17回の出場を誇り県内で最多の出場となっています。春の選抜は5回目の出場となりますが、これも富山商業高校と並び最多の出場数となっています。
秋季富山県大会では準決勝の新湊高校戦を10-2と7回コールド。決勝の富山東高校戦は18-2と打線が売りのチームです。しかし、北信越大会では初戦の飯山高校(長野県)戦では1-0、準々決勝の福井商業高校(福井県)戦では5-0と打線は不発に終わります。

打線が不発の中でも投手陣が2試合連続完封勝利を決めるなどバランスが取れています。北信越大会では15試合中完封試合が3試合あり、そのうち2試合が高岡商業の試合だったのです。打線が売りではありますが投手陣も頑張っているのです。 準決勝で日本文理高校(新潟県)を8-6で下し決勝進出。決勝では福井工大福井高校(福井県)に1-7で敗れますが北信越2位で選抜出場を決めたのです。

高岡商業の注目選手は久保優斗選手です。2番三塁手を任される久保選手は北信越大会準決勝の日本文理戦で3連続二塁打を放ちます。この活躍で0-5と試合のペースを握られている状況から逆転に成功。甲子園出場に向けて最高の仕事をやってのけたのです。169センチと小柄ではありますが長打を期待できる久保選手に注目です。