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侍ジャパンで勝敗以外にも注目したい「共演」がある

2019 2/20 07:00勝田聡
清宮幸太郎,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

清宮幸太郎と村上宗隆 スラッガー候補の共演

2月18日、3月に行われるメキシコ戦に向け、28名の侍ジャパンを発表した稲葉篤紀監督。今回は菅野智之(巨人)、筒香嘉智(DeNA)、山田哲人(ヤクルト)、秋山翔吾(西武)といった常連の選手は招集されておらず、11名が初選出のフレッシュな顔ぶれとなった。

清宮幸太郎(日本ハム)、村上宗隆(ヤクルト)といった高卒2年目のスラッガー候補も含まれている今回のメンバーは、同年代の繋がりが多く勝敗以外にも見どころがありそうだ。

特に、2017年ドラフト1位でプロ入りを果たした清宮と村上の共演は、ルーキーイヤーから注目されていた。自主トレ中の怪我もあり開幕一軍こそ逃したものの、5月には一軍デビューを果たした清宮。その後も昇降格を繰り返しながら、7本塁打を放ちスラッガーとしての片鱗を見せた。

一方でチーム方針もあり、じっくりとファームで鍛えられた村上。満を持して昇格となった9月、初打席初本塁打の離れ業を見せる鮮烈なデビューを果たした。オフの間もフェニックスリーグやアジアウインターリーグで本塁打を量産し、清宮に負けず劣らず力を発揮している。

そんな大砲候補2人の共演は昨年のフレッシュオールスター以来となる。そのときは「3番・一塁」の清宮が1本塁打、「4番・DH」の村上は1安打と揃って安打を記録している。

最年少ということもあり、2人がスタメンで起用される可能性は高くないだろう。それでも、未来のスラッガー候補の共演には期待せざるを得ない。

2016年日米大学野球メンバー3人がプロでも代表入り

大卒3年目を迎える京田陽太(中日)と吉川尚輝(巨人)も日本代表に選ばれた。2人は、2016年の日米大学野球選手権大会で同じユニフォームを着て戦っている。

当時はお互いに遊撃手だったが、京田が遊撃、吉川が二塁を務めて試合に臨んでいた。奇しくもプロ入り後は京田が遊撃でレギュラーを奪い、吉川も二塁のレギュラー候補となっている。大学時代から3年の時を経て、日本代表で再び二遊間を組むことになるかもしれない。

また、その大会で「4番・三塁」として起用されていたのが大山悠輔(現・阪神)で、今回の侍ジャパンにも選ばれている。

大学日本代表でともに戦った3人が、プロ入り後に再び日本代表で同じダイヤモンドに立つことになるかもしれない。

東都の入替戦で雌雄を決した今永昇太と原樹理

投手陣に目を向けると、2015年ドラフト1位だった今永昇太(DeNA)と原樹理(ヤクルト)が選出されている。1年目から活躍した今永に対し、原は昨年の中盤まで結果が思うようについてこなかった。

しかし、シーズン後半にはエースといってもおかしくないほどの投球を見せ、チームの2位躍進に大きく貢献した。その活躍が稲葉監督の目に止まり、今回の選出に繋がったことは想像に難くない。

大学時代は同じ戦国東都でしのぎを削っていた2人。中でも記憶に残るのが、ドラフト会議後に行なわれた1部と2部の入替戦だ。1部6位となった駒沢大のエース今永と、2部優勝となった東洋大のエース原が激突したのである。

初戦は今永が完封し、原は8回1失点で今永に軍配。2戦目は原が救援で勝利投手となり、今永は登板がなかった。そして天下分け目の3戦目、今永が6回9失点で崩れる中、原は1失点完投勝利。東洋大が一部昇格を決めたのである。

ドラフトからわずか4年で、宿命のライバルとも言える2人が日本代表に選ばれ、同じユニフォームを着て戦うことになるなど、夢にも思わなかっただろう。まさに「昨日の敵は今日の友」。是非、そんな2人の共演を見てみたいところだ。

【侍ジャパンメンバー】
※は初選出

<投手>
高橋礼(ソフトバンク)
森唯斗(ソフトバンク)
山岡泰輔(オリックス)
山本由伸(オリックス)※
松永昂大(ロッテ)
森原康平(楽天)※
梅野雄吾(ヤクルト)※
原樹理(ヤクルト)※
田口麗斗(巨人)
山﨑康晃(DeNA)
今永昇太(DeNA)
三上朋也(DeNA)※

<捕手>
甲斐拓也(ソフトバンク)
田村龍弘(ロッテ)
小林誠司(巨人)

<内野手>
清宮幸太郎(日本ハム)※
中村奨吾(ロッテ)
村上宗隆(ヤクルト)※
吉川尚輝(巨人)※
岡本和真(巨人)
京田陽太(中日)
大山悠輔(阪神)

<外野手>
上林誠知(ソフトバンク)
西川遥輝(日本ハム)※
近藤健介(日本ハム)
吉田正尚(オリックス)※
田中和基(楽天)
野間峻祥(広島)※