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広島、中日が狙い通りの1位指名 極端な構成の球団も ドラフト会議セ・リーグ編

2018 10/26 11:39勝田聡
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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広島は小園の交渉権を獲得!

10月25日、来シーズンへ向けた補強の第一歩となるドラフト会議がおこなわれた。各チーム、補強ポイントにあわせた指名をおこなったことだろう。注目の根尾昂(大阪桐蔭高)、小園海斗(報徳学園高)は中日、広島とセントラル・リーグの2チームが交渉権を獲得した。その他の選手はどうだったのだろうか。セ・リーグ各チームの指名とチーム事情を振り返ってみたい。

セ・リーグ3連覇を果たした広島は1位で小園海斗(報徳学園高)を指名。重複覚悟で高校生遊撃手を狙いにいき見事に当たりくじを引いた。

小園という将来的なチームの核として期待が持てる素材の交渉権を獲得できたのは大きい。現在のレギュラーである田中広輔は来年で30歳。遊撃手というポジションがら、数年後には世代交代を考えなくてはいけない。そういった意味でも抜群の指名だったといえる。

ドラフト会議,2018年,広島カープ,結果

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2位で現・エースの大瀬良大地と同じ九州共立大出身の島内颯太郞(九州共立大)を指名。先発投手陣に不安があるため、即戦力候補の獲得は必須だった。

1位で将来性抜群の高校生、2位で即戦力の大学生投手を指名と上々の成果といえるだろう。3位から5位までは高校生を指名。3連覇したことで即戦力よりも将来性を考えた指名だった。

ヤクルトは即戦力投手・清水から素材型まで幅広い指名

超高校級の根尾昂(大阪桐蔭高)の抽選に外れたヤクルトは再入札で方向転換。即戦力投手の上茶谷大河(東洋大)を指名。しかし、またもや抽選に外れ再々入札。そこで清水昇(国学院大)を指名する。

チームのウィークポイントを解消するために、即戦力として期待できる投手を選択した形だ。

ドラフト会議,2018年,ヤクルト,結果

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つづく2位で長距離砲候補の中山翔太(法政大)を指名した。山田哲人、ウラディミール・バレンティンが健在なうちに、次世代の長距離砲候補を育成したい。

注目したいのは4位の濱田大貴(明豊高)だ。高卒の長距離砲候補であり、同校OBの今宮健太(ソフトバンク)がリスペクトしている逸材。数年後に一軍で開花するような成長曲線に期待したい。

巨人は1位で即戦力投手の高橋を指名

根尾の抽選を外した巨人は辰巳涼介(立命館大)に入札するが、ここでも抽選に敗れてしまう。再々入札で高橋優貴(八戸学院大)を指名。野手から即戦力候補となりそうな先発左腕へと舵を切った。

昨年、清宮幸太郎(日本ハム)、村上宗隆(ヤクルト)を外し、鍬原拓也を獲得したのと同じ流れだ。

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2位以下は育成含め全員が高校生。チームの3年後、5年後を見据えた格好だ。球団、そして原辰徳新監督の育成プランに注目が集まる。

育成では4人を指名した。ここから支配下登録を勝ち取る選手が現れるだろうか。

DeNA1位は今年も即戦力投手

DeNAは小園に入札するも外し、再入札で上茶谷の交渉権を抽選の上、獲得した。これで2013年から6年連続で大学生、もしくは社会人の即戦力投手を指名したことになる。

今年は2位こそ内野手の伊藤裕季也(立正大)を指名したが、3、4位と投手を連続指名。投手陣を強化する方針が見受けられる。

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また、6位で内野手の知野直人(BC・新潟)を指名。高卒で独立リーグ入りしたこともあり、まだ19歳と若さに溢れている。2位の伊藤とともに内野の競争を促すつもりだ。

根尾、梅津を獲得し大成功の中日

中日はもっとも注目されていた根尾の交渉権を獲得した。現時点で根尾の育成プランは不明だが大きな期待がかかる。

さらには2位で梅津晃大(東洋大)とドラフト1位級の即戦力投手も指名できたのは大きい。外国人選手を除き、投手陣に苦しんだだけに150キロ右腕の梅津の加入は大きい。

3位で指名した勝野昌慶(三菱重工名古屋)も即戦力候補。梅津とともに1年目から一軍入りが期待される。

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超高校級遊撃手、即戦力投手2人を指名できただけでも大成功だが、さらに4位以下で将来的に屋台骨となりそうな高校生・大学生を指名した。全体的にバランスのよいドラフトになったと言えそうだ。

阪神は上位3人を野手指名

藤原恭大(大阪桐蔭高)の抽選を外した阪神は再入札で辰巳を狙うが、抽選に外れ再々入札。ここで近本光司(大阪ガス)を指名し、無事に交渉権を獲得する。高校生、大学生、社会人と外野手にこだわった1位指名だった。

そのあとの2位、3位も野手を指名し、なんと上位3人全員が野手となっている。今シーズンの阪神は貧打に泣いただけに、打線強化を目指し野手の選手層を厚くするのが狙いだろう。

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そして、ようやく4位で初めての投手となる斎藤友貴哉(ホンダ)を指名。もともと上位の噂もあった斎藤をこのタイミングで指名できたのは万々歳。1年目からローテーション入りを期待されることは間違いない。