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運命のバットを長持ちさせる手入れの仕方

2017 2/9 09:26
バット
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Photo by aldegonde/ Shutterstock, Inc.

これだと思える運命のバットに出会ったら、少しでも長く使いたいですね。一流の野球選手はバットをとても大切に扱うそうです。バットを長持ちさせるために知っておきたい手入れの方法をご紹介します。

木製バットの手入れの仕方その1 水は禁物

木製のバットに水は禁物です。汚れても水道水で丸洗いなどはもってのほかです。バットは塗装をしてあっても空気と水分が出入りしています。木は生き物ですから、空気と水に触れると本来の姿に戻ろうとします。つまり太陽の方向に傾いてしまうのです。バットが汚れたらすぐに拭きとって清潔な状態を保ちます。小石などがバットに食い込んだ状態で打つと、打ち味が悪くなるだけでなく、損傷により折れやすくなります。
使用後はバットについた泥や汚れを丁寧に落とします。水気は厳禁ですから必ず乾いた布でふきましょう。

木製バットの手入れの仕方その2 ホワイトアッシュ材

ホワイトアッシュ(アメリカトネリコ)はアッシュ材の性質上、ボールを打つ衝撃で木材がゆがみ、表面が平らではなくなります。反発力を高めるためにヘッド部分をならし、木目(もくめ)を詰めることをおすすめします。
方法はビールの中瓶などでボールが当たる部分を力強く押さえます。へこんでいる部分をならすことで打ち味が良くなります。押し込むように押して下さい。メイプルなどは木目が均等である場合が多く、表面はあまりダメージを受けないため木目を詰める必要はありません。

木製バットの手入れの仕方その3 グリップ、保管方法

紙ヤスリを使い、自分に合うグリップに調整することができます。まず粗い紙ヤスリで太さの調整をし、その後細かい目の紙ヤスリで微調整します。バットは直射日光の当たらない、風通しのよい場所に置いておきます。垂直に立てるか、完全に真横にして保管します。
なぜなら木製のバットは斜めに立てかけると徐々にゆがんでしまうからです。湿気から守るためバットケースにしまい、食品の包装に入っている乾燥剤をケースの中に入れておきます。晴れた日には風通しのよい場所で干して下さい。
イチロー選手はバットを地面に置かず、バックネットに刺して干しておき、試合中もベンチでバットを横にして置いているそうです。

木製バットの手入れの仕方その4 亜麻仁油

昔からバットの手入れに使われているのが亜麻仁油です。亜麻の種子から採れる乾性油で、防水、材質を安定させる効果があり、バットの割れやささくれを防止します。
使い方は亜麻仁油を布に染み込ませ、バットにまんべんなく塗ります。その後、乾いた布で油を拭き取ります。ここでしっかりと拭きとらないと、後でバットがベタつきます。乾くまで時間がかかるため、1日以上乾燥させます。使った布は自然発火のおそれがあるため、水に十分に浸してから処分して下さい。

金属、カーボン製バットとグリップテープの手入れの仕方

金属、カーボン製バットに傷がつくと破損の原因となるため、汚れたらすぐに拭きとります。雨で濡れた時も拭いておきます。バットを引きずったり、スパイクで踏んだりせず丁寧に扱います。
使い古して滑りやすくなったグリップテープは剥がして巻き直します。テープの状態が悪くなると違和感を覚え、それまでのように打てなくなります。グリップテープや、グリップテープを押さえる両端のビニールテープが破れたらすぐに交換します。グリップテープの巻き方によりバットを握る感触が変わるため、自分で巻き方を覚え、自分が心地よいと感じる巻き方を習得することをおすすめします。

まとめ

職人さんが心を込めて作ったバット、大切に使いたいですね。木製バットの王様と言われるアオダモの樹は、バットとして生まれ変わるまでに70年かかります。温暖化の影響か、残念ながらアオダモの樹は絶滅の危機に瀕しています。バットを正しくお手入れして、自分の大切な一本と長く付き合って下さいね。