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混成競技、歴代名場面ベスト5

2017 1/30 21:11
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Photo by Wayne0216/Shutterstock.com

数多くある陸上競技の中で、最も過酷だと言われる競技が混成競技だ。 実施される種目は複数あり、競技日程も長い。その分だけ「ドラマ」も多く起こってきた。 混成競技の名場面ベスト5を紹介する。

モントリオールオリンピック‐ブルース・ジェンナー‐十種競技

モントリオールオリンピック、十種競技はブルース・ジェンナーの一人舞台となった。 数種目で自己ベストを叩きだし、最終的には他のライバル達に大差をつける結果となる。2位の選手でも200点以上の差がつくほどだった。
最終的に、当時の十種競技世界記録の8618点を記録した。最高の結果を残すが、大会後に引退してしまう。
ジェンナーは元アメリカンフットボールの選手だったが、怪我をきっかけに陸上に転向したなど、異色の経歴の持ち主でもあった。

世界陸上北京大会‐アシュトン・イートン‐十種競技

十種競技、世界記録となる9045点を北京の舞台で記録した。自身が持つ従来の世界記録9039点を6点上回る記録だ。
十種競技において、9000点を超える得点を記録した選手が2名しかいない事からも、この記録の偉大さが伝わってくるかと思う。
さらに、100m、400m、110mH、走幅跳の四種目での記録は、2015年日本選手権で個別競技で優勝できる記録なのだ。いかにレベルが高いかが伺える。

2014年日本選手権‐右代啓祐‐十種競技

この大会で、右代は日本新記録となる8308点を記録した。
この記録は、2012年ロンドンオリンピックで8位入賞に届く記録で、日本人として初の十種競技入賞へ、期待が大きく高まる記録でもあった。
元々、右代は投てきなどの種目は得意としていたが、瞬発力が問われる100mや棒高跳びを苦手としていた。
その弱点を克服できたことが、この結果になったと語っている。
リオオリンピックでは、怪我の影響もあり、思うように結果を伸ばせなかったが、今後の記録更新にも期待できそうだ。

ソウルオリンピック‐ジャッキー・ジョイナー=カーシー‐七種競技

1988年、ソウルオリンピックで、カーシーは世界記録7291点を記録した。
他者を全く受け付けない、「クイーンオブアスリート」の名に偽りはないことを証明した大会だった。
この当時の記録は、2016年当時から30年近く経つ現在でも破られていない記録だ。
カーシーは、七種競技の歴代記録上位6位までを独占しているなど、七種競技では絶大な実力の持ち主だった。
ソウルオリンピックでは、走り幅跳びでも金メダルを獲得している。

第100回日本陸上競技大会‐ヘンプヒル恵‐七種競技

オリンピック、世界陸上などの国際大会と比べると、実力はやや尖るが、日本の若手成長株なので紹介したいと思う。
この大会で、ヘンプヒル恵は日本歴代2位となる5882点を記録した。この記録は学生記録でもある。
高校時代の記録からは300点以上伸ばしているので、伸びしろには目を見張るものがある。
リオオリンピックの標準参加記録が6200点であったので、まだ世界との壁はあるが、2020年の東京オリンピックへ出場できるのか。期待は大きい。

まとめ

混成競技の世界記録は、すべての種目が噛みあったり、気候など会場の状態も良くなくてはならず、更新することは容易ではない。 しかし、現在では世界記録保持者アシュトン・イートンが現役だ。 数ヶ月後、または数年後か。世界記録更新の瞬間をまた見ることができるかもしれない。