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陸上競技の中でも最も過酷?!混成競技のルール紹介

2017 1/30 12:11
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Photo by FS Stock/Shutterstock.com

2016年のリオオリンピックで日本が銀メダルを獲得した400mリレーなどで、陸上競技に興味をもった方も多いのではないでしょうか?今回は陸上競技の中でも混成競技のルールについて説明します。

混成競技とはなんなのか?

混成競技は走・投・跳から構成される複数の種目を1人の選手が行う陸上競技の種目1つです。陸上競技のなかでも最も過酷な種目と言われていて、その勝者は「キングオブスポーツ」と呼ばれます。
混成競技の歴史は非常に古く、その起源は紀元前に行われていた古代オリンピックの五種競技にあります。現在もオリンピックの種目に採用されていて、男子は十種競技、女子は七種競技として行われています。この十種競技、七種競技が世界で一般的に行われる混成競技となります。 スピード、パワー、体力、メンタルなど多くの要素が求められるスポーツが混成競技です。

男子混成競技の種目構成

現在の男子混成競技は、オリンピック種目の十種競技のほかに五種競技が行われています。また年齢によって行われる種目数が異なり、高校生年代では八種競技が、中学生年代では四種競技が行われます。
十種競技は2日間に渡って5種目ずつが以下の順に行われます。1日目:100m、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400m走・2日目:110mハードル走、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、1500m走。
また五種競技は1日ですべての種目を以下の順番で行います。 走り幅跳び、やり投げ、200m走、円盤投げ、1500m走。1日で複数の競技を行うという体力的な要素だけでなく、ミスした時に次の種目に引きずらないようにするためのメンタル面の切り替えなど自分との戦いにもなります。

女子混成競技の種目構成

女子の混成競技はオリンピックでは七種競技が行われているほか、十種競技も行われています。また、男子同様年齢によって行われる種目数が異なり、高校生年代では七種競技が、中学生年代では四種競技が行われています。
七種競技は2日間に渡って各種目が以下の順に行われます。1日目:100mハードル走、走り高跳び、砲丸投げ、200m走・2日目:走り幅跳び、やり投げ、800m走。
また十種競技は以下の順で2日間に渡って行われます。1日目:100m走、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、400m走・2日目:100mハードル走、走幅跳び、砲丸投げ、走高跳び、1500m走。女子の混成競技も2日間という長時間に渡って行われるため、種目数は少ないですが、複数種目への対応力や精神面の調整力などオールラウンドな能力が求められます。

混成競技の勝敗

混成競技の勝敗は、各種目のごとに記録を得点に換算しその合計得点で順位が決まります。 各種目の得点は、混成競技に用いられる計算式によって算出されます。計算式には各種目用に係数が設定されていて、計算式の中に記録を入れることで、種目の得点を求めることができます。
細かい計算式によって順位が決まる混成競技ですが、それでも同点の選手が出てくる場合もあります。そのような場合には同点の選手間で、より多くの得点を取った種目の多い選手の方が順位が上となります。

混成競技の世界記録と日本記録

2016年9月現在の男子の十種競技の世界記録はアメリカのアシュトン・イートン選手が2015年に残した9045点です。また日本記録は右代啓祐選手が2014年に残した8308点とっています。
また、女子の七種競技の世界記録は同じくアメリカのジャッキー・ジョイナー・カーシー選手が1988年に残した7291点で、日本記録は2004年に中田有紀選手が残した5962点となっています。
日本は男女ともに世界記録とは大きく離されているのが現状となっています。

まとめ

ここまで、陸上の混成競技について紹介してきました。複数の種目を1人でこなすという過酷な競技ですが、それらをこなす混成競技選手のオールラウンドな能力は見ていて驚きや感動を与えてくれます。キングオブスポーツの混成競技に注目してみてください。