「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

オリンピック、陸上長距離の出場資格を徹底調査!

2016 10/27 18:11
世界陸上 2016 長距離 写真
このエントリーをはてなブックマークに追加

Photo by Maxisport / Shutterstock.com

オリンピックへの切符を手にする選手を選考する際、どんなルールで決められているのでしょう。陸上競技は、どういった基準で選考しているのか、リオデジャネイロオリンピック長距離トラック競技の5000mと10000mの選考から調べてみます。

5000m10000mのオリンピック出場資格

5000m10000mでオリンピック出場資格を得るための条件は2種類あり、【内定条件】と【選考条件】となります。
【内定条件】では、1:世界選手権で8位以内、かつ日本人最上位者、2:派遣設定記録を満たしており、日本選手権8位以内かつ最上位者、3:日本選手権の優勝者で、参加標準記録を満たしている者。
【選考条件】では、1:日本選手権で8位以内、かつ派遣設定記録を満たした者、2:日本選手権で3位以内、かつ参加標準記録を満たした者、3:日本グランプリシリーズかゴールデングランプリで、日本人1位かつ参加標準記録を満たし、日本選手権でも8位以内の者、4:参加標準記録を満たしている、強化委員会が推薦する者、となっています。

出場資格を得た選手:大迫傑

5000mと10000mで、リオデジャネイロオリンピックの日本代表としての出場資格を得た【大迫傑(おおさこすぐる)】選手は、どんな戦績で資格を得たのでしょうか。
5000mの出場資格は、2016年日本選手権での優勝者+参加標準記録を満たした者であるということです。そして10000mでの出場資格も5000mと同様で、日本選手権優勝者+参加標準記録を満たした者ということで、文句なし、国内2冠でオリンピックへの切符を手にしました。
ちなみに大迫選手、3000mと5000mの日本記録保持者です。

出場資格を得た選手:村山紘太

大迫選手と同じ、5000mと10000mで出場資格を得た【村山紘太(むらやまこうた)】選手は、10000mの日本記録を持っています。10000mの出場資格は、日本選手権2位+派遣設定記録を満たした者、というものです。
5000mでは、選考レースである日本選手権5000mを欠場しましたが、参加標準記録を満たしており、強化委員会の推薦により選ばれました。
日本選手権の時点で、参加標準記録を満たしていたのは3選手しかおらず、もう一人の選手は16位と、選考に残ることができませんでした。村山選手は欠場しましたが、10000mでの実績を交え選ばれたのでは、と考えます。

出場資格を得た選手:設楽悠太

【設楽悠太(したらゆうた)】選手は、東洋大学出身の24歳です。参加標準記録を満たしていたため、日本選手権での結果次第でしたが、大迫、村山両選手に次ぐ3位入賞となりました。
派遣設定記録には届いていなかったため、選考対象ということでしたが、設楽選手以外に選考条件を満たす選手はおらず、内定していた2選手とともに、リオデジャネイロオリンピック最後の切符を手にしました
。設楽選手のクリアした選考条件は、日本選手権3位以内+参加標準記録を満たした者、というものでした。

オリンピック長距離では、早ければ勝てるのか?

リオデジャネイロオリンピックに向けて、5000mで2人、10000mで3人が出場資格を得ました。各選手とも、日本記録保持者であったり、駅伝大会で区間新記録を出したりと、国内で優秀な成績を収めていますが、3選手が満たしている参加標準記録というのは、世界記録と比べると見劣りしてしまいます。
ただ、長距離は短距離と違って、普通に早いだけでは勝てないようです。持久力はもちろん必要ですが、その他にもペース配分に絡む駆け引きなど、ゴールするまで何が起こるか分からないようです。

まとめ

今回、5000mと10000mの出場資格について調べてみたことで、モヤっとした気持ちは少なくなりました。ただ、今回の、長距離の選考がし易かっただけで、条件を観る限りいくらでも複雑になりえるものだな、という事も強く感じました。オリンピックという4年に1度のチャンスに、それこそ4年以上をつぎ込む選手たちが、少しでも報われる選考だといいですね。