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【2018年春高バレー】昨年の結果を越えられるか!共栄学園春高予想

2017 11/10 12:24Mimu
バレー
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春高ベスト8もインターハイ出場は逃している

2017年の春高バレーでは、ベスト8という成績を収めた共栄学園。荒谷栞(現: NECレッドロケッツ)というエースを擁し、全国の強豪チームを次々に破っていった。しかし、優勝は同じ東京の下北沢成徳高校。
しかも、インターハイと合わせての2冠を達成されたということもあって、共栄学園はこの年の主役になることは出来なかった。

さらに新チームになってからのインターハイでも予選で敗退してしまい、東京代表の座をつかむことは出来ていない。春高バレーは東京に出場枠が3つ与えられるため、共栄学園も出場することが出来る可能性は高いが、全国の舞台で主役になるためには、選手達のさらなるレベルアップが必要になる。

チームワークが何よりの武器

共栄学園のバレーの特徴は、多彩な攻撃だ。昨年の春高では、ツーセッターからクイックやブロードを駆使し、相手のブロックを翻弄するバレーを見せていた。もちろん、こういったバレーは簡単にできるわけではない。選手たちの技術力に加え、チームワークが必要になる。

しかし共栄学園の選手たちは、大田豊彦監督のもと、普段の練習からそういった連携を重視してきた。全員での攻撃・全員での守備、これを実現するためには、コート上に立つ選手が意思疎通できていなければならないのだ。
単にボールを拾うだけではない、単にスパイクを打つだけではない、1つ1つのプレーを全員がフォローしながら行うことで、共栄学園のバレーが成り立っている。

春高のカギを握るセッターの菊地実結

その多彩な攻撃の中枢を担うのが、セッターの1人である菊地実結である。時にはセッターとしてトスを上げ、時にはスパイカーとして得点を決めることもある。何でも出来るオールラウンダーな選手だ。

実は菊地は、今年の3月にビーチバレーの世界大会にも出場している。以前から夏には1学年先輩の辻村みなみと一緒にビーチバレーの大会に出場していた。2人は同じセッターで、ツーセッター制においては、相棒のような存在である。だが彼女は1月の春高で引退のため、今年は違う相方と出場することとなった。

すると意外や意外、彼女のペアとなったのは、八王子実践の東谷(とうこく)玲衣奈であった。東谷といえば、名門校で1年生から全国の舞台で活躍する選手であるが、辻村と違ってビーチの経験は全くなし。しかも、同じ東京地区のライバル校に在席する選手である。
一体どういった経緯でペアを組むことになったかはわからないが、この2人で「アジアU-21女子ビーチバレーボール選手権大会」に出場することとなった。

ビーチバレー大会で選手としてレベルアップ

2人は抜群のコンビネーションを見せ、この大会でも世界の選手たちと対等に渡り合う。トーナメントこそ初戦で敗退してしまったものの、予選や9~16位決定戦では順当に勝利を収め、最終的には3勝3敗、11位(19チーム中)という結果を残すことが出来た。
女子選手の中では随一のスパイクの威力を誇る東谷と、共栄学園では司令塔を務めている菊地。2人の相性は、周囲が予想する以上によかったようだ。

足場が不安定なビーチで、トスを上げたりスパイクを打ったりするには、やはり強い体幹が必要になる。そしてこのビーチで鍛え上げられた体幹というのは、かならず室内バレーでも活かされてくるだろう。この春高では、さらに安定感の増した菊地のプレーに注目していきたい。

全員バレーで全国の頂点を取ることができるか

全員バレーがモットーの共栄学園。現状では下北沢成徳、八王子実践に次ぐ東京3番手という立場にあるが、いつまでもそこに甘んじているわけにはいかない。今年のチームは、昨年の荒谷栞のような飛び抜けた選手はいないかもしれないが、そのチームワークの良さは、全国のトップ校にもひけを取っていないはずだ。2018年の春高バレーこそ、共栄バレーで頂点を取ることが出来るだろうか。