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復活を期す元テニス世界王者、ラファエル・ナダルの功績

2016 11/1 19:56
nadal
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Photo by Maxisport / Shutterstock.com

2000年代後半から10年代前半にかけて無類の強さを発揮して、世界ランク1位にも輝いたことのあるトップ選手の一人、ラファエル・ナダル。 ナダル選手はスペインのテニス界にどのような功績を残したのか、紹介する。

テニス界が誇るスーパースターの一人

地中海の南西部にあるスペインのリゾート地、マヨルカ島の出身のナダル選手は、2016年8月現在、テニスのATPツアーにおいてシングルスで計69回、ダブルスも9回の優勝を誇るトッププレーヤーだ。全豪、全仏、ウインブルドン、全米のテニス4大大会(グランドスラム)における優勝も14回と歴代2位タイで、選手生活の中で4大大会全てを制覇する「生涯グランドスラム」も達成。名実ともにテニス界が誇るスーパースターの一人といえるだろう。

ラファエル・ナダルは「クレーの王者」

ナダル選手は「クレー(赤土)の王者」の異名を持ち、クレーコートには無類の強さを発揮するのが特徴だ。このため、4大大会ではクレーコートを採用している全仏オープンを得意としており、同大会の最多優勝回数並びに最長連覇記録の保持者でもある。ハードコートに比べて滑りやすい赤土は、ナダル選手の母国であるスペインの土壌でもあり、この上でトレーニングを積み重ねてきたナダル選手にとっては非常に相性が良いとされている。

スペイン人初のテニス金メダリストの功績

トッププレーヤーとしての地位を確立したナダル選手だが、スペインの代表として母国の名誉に何度となく貢献してきた。その最たる例が伸び盛りの2008年に開催された北京五輪での男子テニスシングルス金メダルだろう。第2シードとして出場したナダル選手は順当に勝ち上がり、準決勝で当時成長著しかったノバク・ジョコビッチ選手にストレート勝ちを収め、決勝でも第12シードのフェルナンド・ゴンザレス選手(チリ)を下して制覇した。
これはスペイン人のテニス競技初の金メダルだった。

絶対王者フェデラーから世界1位を奪ったラファエル・ナダル

ナダル選手がキャリア絶頂期を迎えたのは2010年前後。北京五輪の男子シングルスの制覇後に自身初となる世界ランキング1位となり、ライバルのフェデラー選手が保持していた連続王座記録(237週)を初めて破る快挙を果たした。スペイン男子の世界ランク1位は3人目だった。クレーコートにめっぽう強いナダル選手が四大大会のハードコートで初優勝したのは2009年の全豪オープンで、こちらもスペイン人選手として初の制覇となり、次々と記録を塗り替えていった。

怪我に苦しむラファエル・ナダル、復調の兆しも

絶対王者だったフェデラー選手に取って代わり、王座に就いたナダル選手がキャリアハイとなったのが2010年。全豪を除く3大会を制覇し、最年少(24歳3カ月)で生涯グランドスラムを達成した。2011年以降も全仏オープンでの強さは相変わらずだが、強敵ジョコビッチ選手との死闘や膝の怪我の悪化などによる長期休養を繰り返し不調の時期が続いている。世界ランクは15年にいったん10位まで下降したものの、同年の年間最終ランキングでは5位まで戻し復調の兆しも見せている。

まとめ

超越的な身体能力を武器に、スペイン人初の五輪テニス金メダルをはじめ多くの偉業を成し遂げてきたナダル選手。怪我に苦しみながらも元王者として復活を期すナダル選手に今後も注目が集まるだろう。