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3人に1人が外国人力士!日本の大相撲で外国出身力士が活躍する理由

2016 11/15 19:42
大相撲
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Photo by J. Henning Buchholz / Shutterstock.com

モンゴルをはじめとした外国出身力士の強さの秘密を知りたいと思わないだろうか。 外国出身力士が強い理由と、現在活躍する外国出身力士を紹介する。

20年以上続く外国出身力士が日本相撲界で活躍する時代

2016年の初場所で琴奨菊が優勝したニュースは記憶に新しいところだと思う。このニュースは、「日本出身力士、10年ぶりの優勝」として、ニュースや新聞で大々的に取り上げられた。
最近でこそ、琴奨菊や稀勢の里らの奮闘により、日本人力士も注目を集めているが、それでもやはり、モンゴル出身者をはじめ、外国人力士の活躍が目立つ。 特に、ここ20年はその傾向が顕著で、1990年代後半に活躍した曙、武蔵丸、小錦などハワイ出身の力士、把瑠都や琴欧洲など欧州出身の力士、そして、朝青龍や白鵬をはじめとしたモンゴル出身の力士などが活躍し、日本出身の力士が勝てない時代が続いている。

幕内力士42人のうち、16人が外国出身力士

あるデータによると、2016年における幕内力士42人のうち、16人が外国出身の力士であるという調査結果が出ている。つまり、3人に1人以上が外国出身の力士という計算になる。その内訳は、モンゴル出身が8人、ジョージア出身が1人、ブルガリア出身、ロシア出身、中国出身、ブラジル出身、エジプト出身がそれぞれ1人ずつだ。半数以上の力士がモンゴル出身であるとともに、現在の横綱は3人ともモンゴル出身だ。

モンゴル人力士が強いのは屈強なハングリー精神によるもの!?

では、なぜモンゴル出身力士は強いのだろうか? それは、日本人にはないハングリー精神にあると言われている。モンゴル人力士のほとんどは、母国で生活をする家族を楽にさせたい一心で入門してくる。まじめに稽古に打ち込んで、強くなろうと努力を重ねる。モンゴルの物価は非常に安く、日本の5~10分の1と言われている。そういう意味では、日本の大相撲界で活躍をして、一攫千金を夢見るのも自然と言える。

外国出身力士は各部屋1名しか在籍できない!

2016年8月10日現在で、相撲部屋は44部屋ある。 いずれも外国出身の力士が在籍できるのは1名のみ。つまり、最高でも44人までしか在籍できない。 かつては、外国人力士が在籍できるのは各部屋あたり2人までだった。しかし、小錦、曙、武蔵丸が活躍したことをきっかけに1人に減らし、その後、モンゴル出身力士の台頭により、外国人力士ではなく“外国出身力士”に変更された。 日本人力士の活躍にも期待したい。

現役で活躍する主な外国出身力士たち

  • 白鵬…モンゴル出身。第69代横綱。幕内最高記録である33回の優勝を誇る。推定年収は2億円?3億円と言われている。
  • 日馬富士…モンゴル出身。第70代横綱。白鵬との対戦成績は21勝33敗。幕内で最も白鵬に勝っている力士。
  • 鶴竜…モンゴル出身。第71代横綱。
  • 大砂嵐…エジプト出身。初めてのアフリカ大陸出身力士として、日本はもちろん海外からも注目を浴びている力士だ。
  • 栃ノ心…ジョージア出身。初土俵から13場所で新入幕という記録は、史上10番目のスピード出世。
  • 魁聖…ブラジル出身。祖父母が日本人の日系ブラジル人。2014年に日本に帰化している。
  • 碧山…ブルガリア出身。初土俵から14場所で敢闘賞を受賞。これは史上6番目の記録だ。

まとめ

日本の国技であるにもかかわらず、最近では外国出身力士の活躍が目立つが、それには理由があった。 今後の日本出身力士の活躍に期待したい。