もともとはCFWだった?
背番号ができた当初、主流のシステムが2―3―5だった。ゴールキーパーを1番として順番に背番号を振り分けていったところ、9番は5トップの真ん中のポジションとなったのだ。したがって、その頃から9番は点取り屋やエースストライカーがつける背番号としての意味合いが強くなった。
現在でこそ5トップなどというシステムはほとんど見られなくなったが、それでも9番は前線の選手がつけるものであるというイメージは色濃く残っている。
出典 Marco Iacobucci EPP / Shutterstock.com
サッカーで背番号9というとFWのイメージが強いが、実際にはどうなのだろうか。日本や海外の9番を背負うスター選手から考察した、9番の持つ意味を紹介する。
背番号ができた当初、主流のシステムが2―3―5だった。ゴールキーパーを1番として順番に背番号を振り分けていったところ、9番は5トップの真ん中のポジションとなったのだ。したがって、その頃から9番は点取り屋やエースストライカーがつける背番号としての意味合いが強くなった。
現在でこそ5トップなどというシステムはほとんど見られなくなったが、それでも9番は前線の選手がつけるものであるというイメージは色濃く残っている。
日本代表の9番は、古くは武田修宏や中山雅史から久保竜彦、高原直泰、そして現在はレスターでプレミアリーグの優勝を経験した岡崎慎司へと受け継がれている。名前を並べただけでも、とにかく点を取ることでほとんどその他の仕事が許されてしまいそうなエースストライカー、点取り屋が背負ってきた番号であることがわかる。
相手ゴールの一番近い場所にポジションをとり、隙があればひたすらゴールを狙う、背番号9はそんな選手が背負う番号なのだ。
海外ビッグクラブの9番に注目してみよう。バルセロナはスアレス、レアル・マドリードはベンゼマ、マンチェスターUはファルカオと、今をときめくエースストライカーばかりだ。少し前のブラジル代表では天性の点取り屋で、怪物の異名を欲しいままにしたロナウドも背番号9を背負っていた。
ポストプレーヤーやシャドウストライカーのような選手など様々なタイプの選手がつけている番号だが、全ての選手に言えることが、ゴールへの嗅覚が他の選手よりも圧倒的に優れている点にある。とにかく点を取ることを宿命とされた選手達がつける番号なのだ。
背番号9を背負う選手にとって一番重要な仕事は点を取ることだ。ただ、現代サッカーではそれだけではチームが勝てるとは限らない。そこで、戦術によっても違うが、9番が任される大切な仕事のもう一つがポストプレーだ。
ポストプレーをする際に避けては通れないのが、強靭な肉体を持つDFとの対峙。時にはスピードを活かしたドリブルで突破してシュートを打ち、時にはフィジカルを活かしたポストプレーで見方のチャンスを演出する。それも最後には自分がゴールを奪うためなのだ。
9番は一番ゴールに執着心のある、心身ともに強靭な選手がつけるべき背番号と言えるだろう。
アルゼンチン代表も他国との違いはなく、背番号9はエースストライカーが背負っている。注目したいのは、サッカー大国と言うだけあって、いろいろなタイプに分類される選手が9番をつけている点だ。
バティストゥータ、サビオラ、クレスポ、イグアインら、ポストプレーヤー、ドリブラー、シャドーストライカーと言われる様々なタイプのFWがつけてきた。そのときの監督の戦術に合ったストライカーを準備するのだが、どのプレーヤーもゴールへの抜群の嗅覚を持ち合わせていることは共通しており、アルゼンチンの9番は点取り屋であるということが必須と言える。