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お互いをライバルと認めあう、スキー界の注目選手エピソード4選!

2017 3/3 18:51吉田 和喜
スキー モーグル
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Photo by Alex Egorov/ Shutterstock.com

スキー競技は基本が個人戦、敵がいるわけではなく常に自分との戦いだ。そんな中でもお互いに認め合い、ライバルとして切磋琢磨する選手たちのエピソードは胸を打つスポーツマンシップに溢れている。スキー界のライバル関係にある選手たちのエピソードに注目しよう。

お互いを認め合う美しきライバル関係

スキー競技はジャンプ団体などを除いては個人競技。常に最善のパフォーマンスを目指す、自分との戦いだ。ただそんなスキー競技でも、お互いの技術や競技姿勢を認め合うライバル関係にある選手たちがいる。
お互いに認め合いうスポーツマンシップ溢れる、スキー選手たちを4組紹介する。

スキージャンプ界 高梨沙羅選手とサラ・ヘンドリクソン選手

高梨沙羅選手は日本が世界に誇る女子スキージャンプの女王。スキージャンプ・ワールドカップで女子歴代最多勝利という偉業を成し遂げ、年齢も若いためこれからさらに活躍が期待されている。経歴だけを見ると敵なしのようだが、彼女がライバルとして挙げるのがサラ・ヘンドリクソン選手。ワールドカップ個人総合の初代女王だ。飛び出しから着地までを流れるように行う美しいジャンプを武器にしている。
ただ13年からは怪我に悩まされ、思うようなパフォーマンスができていなかった。それでも懸命にリハビリを行い、16年より本格始動した。ともに女子ジャンプ界を引っ張てきて来てくれた2人のジャンプに注目しよう。

フリースタイルスキー小野塚彩那選手とマディー・ボーマン選手

ソチオリンピックより採用された新種目であるフリースタイルスキーの女子ハーフパイプ。その初代銅メダリストが小野塚彩那選手だ。小野塚彩那選手の強みは何といっても元々基礎スキー競技で磨いた滑りが生む、安定した高さ。その高さを生かした技で会場を沸かせる。そんな彼女のライバルはマディー・ボーマン選手。同ソチオリンピックの金メダリストだ。
二人は常にトップ争いを繰り広げ、2016年のフリースタイルワールドカップでは、小野塚彩那選手は3回目を滑り終えた時点で暫定首位。優勝が期待されたが、最後に逆転優勝を決めたのもマディー・ボーマン選手だった。2018年には平昌オリンピックが開催される。二人の華麗な空の舞に注目しよう。

永遠のライバルとして競い合った上村愛子選手とハンナ・カーニー選手

日本女子モーグルを代表する選手である上村愛子選手。可愛らしい笑顔も魅力の彼女のライバルは”モーグルの女王”と呼ばれるハンナ・カーニー選手だ。2歳からスキーをはじめ若干17歳で世界一の称号を得た。2009年に初めてワールドカップモーグル世界チャンピオンに輝いたが、その同じ年、世界選手権では銅メダルに終わり悔しい想いをした。その時の金メダリストが上村愛子選手だったのだ。
そして今度は、上村愛子選手悲願のオリンピックメダル獲得を目指したソチオリンピック。上村愛子選手暫定3位でメダルに期待がかかる中、最後に滑走し銅メダルを獲得したのもハンナ・カーニー選手だった。2人の点数差はわずか0.83と上村愛子選手は悲願の初メダルを逃してしまった。最後の上村愛子選手の滑走に涙したファンも多かった。

レジェンド葛西紀明選手のライバルとは?

2014年に41歳で最年長優勝という記録を達成したスキージャンプの葛西紀明選手。すでにレジェンドとして、孤高の存在となっている。そんな葛西紀明選手のライバルだった選手たちは、すでに引退している。
それでも2014年のワールドカップ第4戦でライバル関係のすばらしさを見ることができた。「飛行点20点満点」という近年ほとんど見ない完璧なジャンプを見せて優勝を決めた瞬間、日本のスタッフとともに叫び声を上げながら喜んでいたのは、他国の選手や、現役時代に葛西紀明選手と戦ったライバルたちだった。最も勝ちたい相手であり、最もリスペクトする相手でもあるスポーツマンシップ溢れるライバル関係に胸が熱くなる瞬間だった。

まとめ

スキー界に見ることのできる美しいライバル関係の選手たちを紹介した。どんな選手たちが長年ライバル関係にあるのか、どんな思いで競技に臨んでいるのか知るだけでも、スキー競技観戦が楽しくなる。