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観戦がもっと面白くなる!ハンドボールの歴史

2016 12/16 11:07
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Photo by Dziurek/Shutterstock.com

屋内スポーツとして徐々に広まりつつあるハンドボール。日本での競技人口はまだまだ少ないですが、海外ではサッカーやラグビーと同じくらい人気のスポーツでもあります。よりハンドボールを知っていただくために、今回はハンドボールの歴史についてご紹介したいと思います。

ハンドボールの歴史の始まり

ハンドボールの歴史は古く、古代ローマの女性達が「expulsim ludere」と呼ばれていた球技をプレーしていたのが始まりとされ、その記録は紀元前600年頃のものと思われるアテネの遺跡にみられます。
他にも中世フランスや、グリーンランドのイヌイットの間でハンドボールによく似たゲームが行われていた記録があり、19世紀までに世界の様々な国でハンドボールのような球技が存在していました。19世紀終わりにデンマークのホルガー・ニールセン7人制を考案し、次いで1910年代にドイツでコンラッド・コッホが11人制を考案したのが現代のハンドボールの発祥です。

世界に普及していくハンドボール

ハンドボールの最初の国際試合は男子が1925年のドイツ対ベルギー、女子は5年後の1930年にドイツ対オーストラリアの大会が行われました。その後1928年に国際アマチュアハンドボール連盟が誕生し国際ルールの統一化が行われました。これによって1938年にドイツで初めてのハンドボール世界選手権大会が開催されます。
そして1976年に国際ハンドボール連盟が結成されたのです。当初は11人制が主流でしたが、女子は1962年、男子は1967年世界選手権から7人制で統一されました。

ハンドボールとオリンピックの歴史

ハンドボールがオリンピックの正式種目となったのは1936年の第11回ベルリン大会です。しかしその後オリンピック正式競技から外れ、再びオリンピックの正式競技として復活したのは1972年の第20回ミュンヘン大会です。このミュンヘン大会には日本の男子チームも出場しており、女子ハンドボールが採用された1976年の第21回モントリオール大会では日本チームは男女揃って出場し、大いに注目されました。
日本ではまだマイナーな競技でしたが、海外ではサッカーと同じくらい注目されている競技として人気を博しました。

日本におけるハンドボールの普及の歴史

日本にハンドボールがもたらされたきっかけは、1922年(大正11年)に大谷武一氏が大日本体育学会で、11人制を紹介したのがきっかけでした。国際アマチュアハンドボール連盟(IAHF)には日本陸上競技連盟の名で加盟し、1937年に記念すべき第1回全日本選手権が開催されています。
第二次世界大戦勃発の前年である1938年に日本ハンドボール協会が設立されますが、大戦の影響で「送球」という呼称に変えられました。1948年にはハンドボールの呼称が復活し、終戦から7年後の1952年には国際ハンドボール連盟への加盟が承諾されました。

日本ハンドボール、オリンピックへの挑戦

オリンピックへの出場は男子が、ハンドボールが再び正式競技として採用された1972年ミュンヘン大会から、1988年のソウルまで5大会連続で代表権を獲得しています。女子は、女子ハンドボールが初めて正式競技に採用された1976年モントリオール大会から参加しています。1991年には広島でアジア選手権を開催するなど熱心な取り組みが見られますが、メダルの獲得はありません。
2016年のリオデジャネイロ大会では、男女ともに出場枠を逃す結果となりました。しかし、2020年に東京オリンピックが決定したこともあり、選手団のサポートはもちろん、競技人口の増加や普及等が期待されます。

まとめ

いかがでしたか?日本ではいまだに注目度が低いハンドボールですが、車椅子ハンドボールの発足やビーチハンドボール大会の開催など、その競技としての注目度は上がりつつあります。2020年の東京オリンピックに向け、まだまだ発展途上にある日本のハンドボールを応援していきましょう。