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ロリー・マキロイ選手は世界ランキング1位にカムバックできるのか

2017 4/12 20:20hiiragi
Rory McIlroy
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ロリー・マキロイ選手世界ランキング1位までの道のり

2016年末、男子ゴルフ世界ランキングは、1位ジェイソン・デイ選手、2位ロリー・マキロイ選手の順だった。マキロイ選手は2015年第37週を最後に、ランキング1位の座にはついていない。かって、95週間1位の座に君臨したマキロイ選手は、再び頂点を極めることができるのだろうか。
マキロイ選手が初めて頂点に立ったのは、2012年第9週、3月4日だった。プロになったのが2007年だから、5年目には頂点を極めたことになる。プロ入り翌年の2008年にはベスト100に入り、2009年末にはベスト10に顔を出した。そして、2011年6月にはベスト3入りを果たす。2012年はランキング3位でスタートした。この時のランキング1位はイングランドのルーク・ドナルド選手だ。
マキロイ選手は主戦場の欧州ツアーで2012年のスタートを切る。初戦のアブダビHSBCゴルフ選手権を2位、2戦目のオメガドバイデザートクラシックを5位と好調な滑り出しで3戦目の世界ゴルフ選手権WGCアクセンチュアマッチプレー選手権も2位で通過し、迎えたPGAツアーのザ・ホンダクラシックで優勝、ドナルド選手をとらえランキング1位に上り詰めた。

全米プロゴルフ選手権で優勝して世界ランキング1位に定着

しかし、そのままランキング1位に定着したわけではない。この頃は、タイガー・ウッズ選手の復活途上で、ルーク・ドナルド選手を含めた上位3人の順位が目まぐるしく入れ替わる。
この頃のマキロイ選手は、まだまだゴルフが安定してはいなかった。優勝もすれば予選落ちもする、荒いゴルフだ。ホンダクラシックの後も、WGCキャデラック選手権やウェルズファーゴ選手権で優勝争いをするかと思えば、ザ・プレーヤーズ選手権やBMW PGA選手権では予選落ちするといった具合だった。
この年のメジャー成績も、マスターズ40位、全米オープン予選落ち、全英オープン予選落ちと芳しくない。しかし、WGCブリヂストンインビテーショナルでは5位と調子を上げメジャー最終戦、全米プロゴルフ選手権に臨む。この試合は2位タイでスタートすると、3日目には首位に浮上、最終日も好調を維持して、2位に8打差をつけて優勝に輝いた。8打差をつけての優勝は全米プロゴルフ選手権史上最多ストローク差のおまけまで付いていた。
この大会の後、世界ランキングで1位の座をつかむと、しばらくマキロイ選手の時代が続く。

第1次マキロイ時代

マキロイ選手の連続1位の時期は、2012年32週?2013年11週までの32週連続と、2014年31週?2015年32週までの54週連続との2回に分かれている。
1回目の時期はタイガー・ウッズ選手とルーク・ドナルド選手がすぐ後ろに控えていた。しかし、マキロイ選手は全く動じない。全米プロ優勝の後も、プレーオフシリーズの第2戦ドイツバンク選手権 、第3戦BMW選手権と連続優勝でポイントを積み重ね、1位の座を不動のものにする。
プレーオフシリーズ最終戦は10位タイに終わり、残念ながらフェデックスカップ年間王者にはなれなかった。プレーオフシリーズが終わると、次は欧州ツアーに戻って、さらにポイントを積み上げる。BMWマスターズ2位、バークレイズ・シンガポールオープン3位で欧州ツアー賞金王を確定させると、最終戦、DPワールド ツアー選手権 ドバイでも優勝を飾った。
この時点での1位マキロイ選手の世界ランキング平均ポイントは13.8051、2位ルーク・ドナルド選手が9.1292、3位タイガー・ウッズ選手が8.9024で2位との差は4.6ポイントもあり、しばらくはマキロイ選手の時代が続くと思われた。

世界ランキング1位から転落

2013年になると、マキロイ選手のゴルフが急におかしくなる。初戦となった1月の欧州ツアーアブダビHSBCゴルフ選手権では予選落ち、前年優勝したザ・ホンダクラシックでは途中棄権と精彩がない。3月のWGCキャデラック選手権を8位タイで終わると、その2週間後に行われたアーノルド・パーマーインビテーショナルで優勝した、タイガー・ウッズ選手に世界ランキング1位の座を奪われてしまった。
この時点での2位マキロイ選手の平均ポイントは、11.2875で、最盛期から比べると2.86以上落としたことになる。1位タイガー・ウッズ選手のポイントは、11.8729だった。
2013年のタイガー・ウッズ選手はすさまじく、メジャー優勝はないものの年間5勝を挙げ復活を果たしている。これ以降、マキロイ選手には試練の時期が続く。マスターズ25位、全米オープン41位、全英オープン予選落ち、全米プロゴルフ選手権8位といいところはなかった。世界ランキングも降下の一途をたどり、2013年は6位で終了した。

第2次マキロイ時代を経て2016年から2017年へ

2014年になるとマキロイ選手のゴルフが変わる。初戦アブダビHSBCゴルフ選手権を2位タイで2014年をスタートすると、ベストテンを続け、5月の欧州ツアーBMW PGA選手権で優勝を飾る。7月のメジャー全英オープンにも優勝して、世界ランクも2位まで回復した。
そして8月のWGCブリヂストンインビテーショナルでも優勝を飾り、世界ランキングも1位に返り咲く。ランキング1位で臨んだ全米プロゴルフ選手権では、貫禄さえ漂わせるメジャー2連勝を飾り、世界ランキング1位の座を強固なものにした。結局2014年はメジャー2勝を含む年間4勝を挙げ、この世界1位の座は2015年の32週まで続く。
2015年は2月に欧州ツアーで優勝すると、WGCキャデラックマッチプレー選手権でも優勝、5月にも優勝するなど順調だった。しかし5月の欧州ツアーで2試合予選落ちを喫し、全米オープンは9位、全米プロゴルフ選手権17位、ともたつくうちに新鋭ジョーダン・スピース選手に世界ランキング1位の座を奪われてしまった。
そして、2015年37週を最後に2016年は1度も1位の座にはつけていない。2017年は欧州ツアーで2位のスタートを切ったマキロイ選手は世界ランキング1位にカムバックできるのだろうか。