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ありえない大逆転や番狂わせ!凄すぎるF1の奇跡5選

2017 3/3 18:51出井章博
f1 side by side
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Photo by Fifian Iromi/Shutterstock.com

F1観戦において楽しみなのは、力の劣るチームの番狂わせや、残り少ない周回からの大逆転ではないだろうか?レーサーには得意なコースがあって、コースならではの番狂わせや天候が左右しての大波乱もある。そこで、F1における奇跡を5つ紹介する。

日本中が興奮!1990年日本GPの鈴木亜久里氏の3位表彰台

1990年の日本GP、レース前の注目はアイルトン・セナ氏とアラン・プロスト氏の「セナ・プロ対決」。ドライバーズランキングで9ポイントリードしているセナ氏だったが、前戦スペインGPでプロスト氏が勝利し、前年89年の日本GPのクラッシュもあり、注目されていた。予選はセナ氏が1位、プロスト氏が2位で、「セナ・プロ対決」はさらに注目を高めた。
しかし、1周目1コーナーでクラッシュする大波乱になったのだ。そんな中、日本人ドライバー鈴木亜久里氏は予選10位から7週目で早くも6位にジャンプアップ。ファステストラップを重ねながら、35週目には3位に浮上。終盤ガス欠の可能性があり、日本中のF1ファンが固唾を飲んで見守る中、見事3位フィニッシュ。感動を呼んだ。

奇跡の優勝!1996年モナコGPのオリビエ・パニス氏

1996年のモナコGP、決勝当日は大雨。レース前には止んだものの路面は濡れている状態だった。スタート後1コーナーで予選2位のデイモン・ヒルが先頭に立ち後続を引き離す展開。しかし、他のドライバーは濡れた路面に手こずる。1周目でポールポジションのミハエル・シューマッハ氏を含む5台がクラッシュ。その後もクラッシュやマシントラブルでリタイアが続く。
そんな中、予選14番手のリジェ・無限ホンダのオリビエ・パニス氏は燃料を他車より多く積んでピットストップを短くする作戦。30周目前後には多くの車がピットインしたため3位に浮上した。
トップを快走するヒル氏が41週目でエンジントラブルでリタイアすると、その後トップに立ったジャン・アレジ氏も61週目でサスペンションのトラブルでリタイア。オリビエ・パニス氏は完走扱い7台というサバイバルレースを制した。

1992年モナコGPでのアイルトン・セナ氏の驚異のブロック

1992年のモナコGPはF1ファンの中にはベストレースに押す人もいるレースだ。92年ウィリアムズチームは、セミオートマチックトランスミッションを得て、開幕からナイジェル・マンセル氏の5連勝。圧倒的な強さを見せていた。このモナコGPも予選でフロントローを独占。抜きにくいモナコにおいて、3番手スタートのアイルトン・セナ氏の苦戦が予想された。
決勝はセナ氏が良いスタートを切って、2位にジャンプアップ。しかし、マンセル氏はセナ氏を引き離す。マンセル氏が30秒以上離した残り7周、マンセル氏の車にトラブル。マンセル氏はピットストップし、その間にセナ氏がトップに立つ。
マンセル氏はセナ氏の5秒遅れでコースに戻ると、怒涛の追い上げ、テール・トゥー・ノーズでセナ氏に襲い掛かる。セナ氏は残りの周回マンセル氏を見事にブロック。セナ氏が速さではなく、テクニックで勝ったことが印象深い1戦だ。

2009年ベルギーGPのジャンカルロ・フィジケラ氏ポールポジション

2008年からF1に参戦するインドのF1チームであるフォース・インディア。2008年は明らかにマシンが他チームより非力でノーポイントに終わり、2009年も開幕から同じような成績が続いていた。
しかし、第12戦ベルギーGPで奇跡が起きる。ジャンカルロ・フィジケラ氏がポールポジションを獲得したのだ。ジャンカルロ・フィジケラ氏はジョーダンやルノーで優勝経験もあるドライバーだったが、さすがにこの時非力なフォース・インディアのマシンではノーマークの存在だった。結局決勝でも粘って2位に入り、その後フェラーリにシーズン中の電撃移籍を果たす。

1999年ヨーロッパGPのスチュワート・グランプリの善戦

3度のワールドチャンピオンを獲得したジャッキー・スチュワートが息子と立ち上げたチームがスチュワート・グランプリ。1997年から1999年までの3年間レースに参戦し、その後チームは売却され現在強豪チームの1つレッドブル・レーシングにつながっている。
そんなスチュワート・グランプリ最後の1999年シーズン、実力派のルーベンス・バリチェロ氏とジョニー・ハーバート氏というドライバーの体制で、旋風を巻き起こした。特にヨーロッパGPでは雨が降ったり止んだりの難しいコンディションに乗じ、予選14位のハーバート氏が優勝、バリチェロ氏も予選15位から3位表彰台。ファンは大きく驚かされる結果となった。

まとめ

F1で起きた奇跡を5つ紹介した。F1は天候やドライバーのテクニックで、大逆転や下位チームの快進撃も起こるモータースポーツだ。今後もどんなドラマが起こるのか見逃せない。